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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

東日本大震災、福島原発事故から7年。日本は前進したか。

2018年03月11日 | 福島原発事故

 

 そして、日本に帰ってきて問い詰められると

これぞフェイク

 

 

 今日、2018年3月11日は、東日本大震災と福島原発事故からちょうど七年目にあたります。

 亡くなった方々に心から哀悼の意を表するとともに、遺族の方々、まだ避難されている方々、その他多くの罹災者、被害者の方々に心からのお見舞いを申し上げます。

 地震と津波自体は天災であり、人間の力で避けることはできません。

 しかし、福島の原発事故は明らかに人災でした。大津波は予想されていたのに国と東京電力はその防備策を怠りました。なにより、原子炉のメルトダウンを引き起こしたのは津波が来る前の地震そのものによる可能性が極めて高いのです。

 いま、朝日新聞がスクープした森友学園事件における文書改ざんが事実であったことが本日改めて確認され、話題となっていますが、東京電力は福島原発事故以前に、何度も何度も事故隠しやデータ改ざんをしています。

 原発の危険性が明らかにされてこなかったこと。これが福島原発事故の真の原因でもありました。

 

 

 東京オリンピックが3年後に控えています。

 オリンピックで震災復興などと言われていますが、復興に必要な人、カネ、モノが東京に集中してしまうことは明らかであり、オリンピックが東日本大震災の被災地の復興につながるという話自体がデマにすぎません。

 しかも、新国立競技場の建設費用の問題に象徴されるように、オリンピックそのものがフェイクに満ちています。そういえば、安倍首相は

「原発事故は完全にコントロールしている」

と大嘘をついて、オリンピック招致に成功したのでした。

 なにもかもが、欺瞞に満ち満ちています。

 いま、盛んに「日本凄い」が語られていますが、本来は自分たち人間の力ではどうしようもない大震災に触れ、謙虚になってもおかしくなかったはずです。

 本当に私たちはこの7年で、人として前進したのでしょうか。

 

 

 

こんなにも虚偽に満ち満ちていて、不運な人は見捨てられ、弱い立場の人は踏みにじられているのに、私たちのどこが凄いんだろう。

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【震災・原発事故7年】責任を問い続ける(3月11日)

 福島民報社説

 復興は進んではいるが、何かまどろこしい-。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から7年を迎えた本県の姿を形容すると、こうなろうか。新たな挑戦が実を結ぶ一方で課題が次々に生まれる。原発事故の傷は深く、「ふくしま」の名誉は回復されていない。当事者である国と東電は復興と事故収束の責任を十分果たしているのか。
 「大熊に戻りたくなった」。学びやだった大熊町の大野小校舎に原発事故発生後初めて入った中学3年の女子生徒は古里への思いを吐露した。今は茨城県に住む。懐かしい学用品を手にし、思い出がよみがえったに違いない。古里をいつになったら返してあげられるのだろう。胸が痛む。
 福島第一原発の廃炉作業は終了までに30~40年を要するとされる。県と県議会は冷温停止中の福島第二原発の廃炉を求めるが、国と東電は明確に答えない。対応を押し付け合っているようにさえ見える。国は「廃炉作業は国を挙げて進める」としながら、「原子力発電は貴重なエネルギー」と公言してはばからない。福島切り捨ての経済至上主義ではないのか。
 原発事故の汚染廃棄物処理には長い年月と膨大なエネルギーを要する。県内各地から中間貯蔵施設への廃棄物搬入が終わるのは早くて2021年度。国は県外で最終処理すると約束した。では、どこに処分場を造るのか、いつから議論を始めるのか。納得できる説明は聞こえてこない。
 国と東電の責任を問い、慰謝料などを求めた集団訴訟の判決が前橋、千葉、福島の3地裁で出た。両者の責任を認めた判決もあったが、控訴審で争われており、決着がつくには長い時間がかかる。東電旧経営陣の3被告に対する刑事裁判も東京地裁で審理中だ。責任の所在を明確にしてほしいと願う半面、法廷で裁かれるまで誰も責任を認めない現状にはあきれる。
 農産物や工業製品の生産、観光客数の回復など明るい兆しは見えてきた。浜通りは避難区域解除、交通網整備が進み、住める環境が整いつつある。しかし、県全体を見ると人口の減少幅が拡大するなど再生の道のりは遠い。
 「日本人は怒りの声を上げないといけない。(略)原発を再稼働させようとしている国に物を言わないといけない。(略)日本人の無関心、無責任は、いずれ自分に降りかかってくるだろう」。本紙インタビュー企画「7年の視座」で作家高村薫さんは予言した。県土のありさまを変えた惨事の責任を問い続けていかなければならない。(鞍田炎)

( 2018/03/11 08:52 カテゴリー:論説 )

 

 

3.11に改めて問う安倍首相の罪! 第一次政権で福島第一原発の津波、冷却機能喪失対策を拒否した張本人だった


 

福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”安倍晋三(首相官邸HPより)


 毎年、3.11になると必ずどこのメディアも特集を組み、原発事故の検証記事や避難生活を余儀なくされている人たちの現況を報道する。しかし、そんなマスコミが一切触れようとしない、重大な事実がある。

 それは、あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三であるということだ。

 言っておくが、これは歴代自民党政権が昔から原発政策を推進してきたとか、そういう抽象的なレベルの話ではない。もっと具体的かつ直接的なものだ。

 実は、第一次安倍政権時の2006年には、すでに国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性が指摘されていた。しかし、ときの総理大臣だった安倍は、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、一切の対策を拒否していたのである。

 ところが東日本大震災後、安倍は、原発事故の責任を当時の菅直人首相と民主党政権に押し付け、真実を追及するメディアを「捏造だ!」と恫喝することで、その重大責任を隠蔽してきた。そして政権に返り咲くと原発再稼働を次々と強行している。

 これまでに再稼働した原発は5基で、原子力規制委員会の新規制基準に合格した原発は14基。言うまでもなく、すべて第二次安倍政権でのことだ。さらに、政府はこれまで原発の新設・増設については「想定していない」としてきたが、昨年、ついに経産省が原発新設の議論に着手した。各社の世論調査でも原発再稼働に反対する声が賛成を大きく上回っているにもかかわらず、である。

 こんな暴挙が、許されていいはずがない。本サイトでは3月11日を迎えるたびに、安倍首相こそが原発事故のA級戦犯であること、そして、その責任を隠すためメディアを黙らせてきたことを、客観的事実を元に記事にしてきた。だが、安倍が総理の椅子に座り続けるかぎり、この状況は止まらないだろう。だからこそ、何度でも伝える義務がある。安倍こそがフクシマの戦犯とは、どういうことか。じっくりと、読んでみてもらいたい。
(編集部)

■福島原発事故から5年前、安倍は「全電源喪失はありえない」と地震対策を拒否

 故郷に帰れない多くの被災者を生み出し、放射性物質を広範囲にまき散らし、作物を汚染し、今も国土や海を汚し続けている福島原発事故。

 だが、この国家による犯罪ともいえる重大な事故をめぐって、ほとんど語られてこなかった事実がある。それは、現内閣総理大臣である安倍晋三の罪についてだ。

 こういうと、安倍支持者はおそらく原発事故が起きたときの首相は民主党の菅直人じゃないか、サヨクが安倍さん憎しで何をいっているのか、というだろう。そうでない人も、原発を推進してきたのは自民党だが、歴代の政権すべてがかかわっていることであり、安倍首相ひとりの問題じゃない、と考えるかもしれない。

 だが、福島原発の事故に関して安倍首相はきわめて直接的な責任を負っている。第一次政権で今と同じ内閣総理大臣の椅子に座っていた2006年、安倍首相は国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性を指摘されながら、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、対策を拒否していたのだ。

 周知のように、福島原発の事故は津波によって全電源が喪失し、原子炉の冷却機能が失われたことが原因で、政府や電力会社はこうした事態を専門家さえ予測できない想定外のことだったと弁明してきた。

 しかし、実際にはそうではなく、原発事故の5年前に、国会質問でその可能性が指摘されていたのだ。質問をしたのは共産党の吉井英勝衆院議員(当時)。京都大学工学部原子核工学科出身の吉井議員は以前から原発問題に取り組んでいたが、2006年から日本の原発が地震や津波で冷却機能を失う可能性があることを再三にわたって追及していた。3月には、津波で冷却水を取水できなくなる可能性を国会で質問。4月には福島第一原発を視察して、老朽化している施設の危険性を訴えていた。

 そして、第一次安倍政権が誕生して3カ月後の同年12月13日には「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を政府宛に提出。「巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい」として、電源喪失によって原子炉が冷却できなくなる危険性があることを指摘した。

 ところが、この質問主意書に対して、同年12月22日、「内閣総理大臣 安倍晋三」名で答弁書が出されているのだが、これがひどいシロモノなのだ。質問に何一つまともに答えず、平気でデタラメを強弁する。

■福島原発事故と同じバックアップ電源機能不全の実例を指摘されても安倍は…

 まず、吉井議員は「原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。」という質問を投げかけていたのだが、安倍首相はこんな答弁をしている。

「外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。」

 吉井議員はこうした回答を予測していたのか、次に「現実には、自家発電機(ディーゼル発電機)の事故で原子炉が停止するなど、バックアップ機能が働かない原発事故があったのではないか。」とたたみかける。

 しかし、これについても、安倍首相は「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない」と一蹴。

 これに対して、吉井議員はスウェーデンのフォルスマルク原発で、4系列あったバックアップ電源のうち2系列が事故にあって機能しなくなった事実を指摘。「日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルクスマルク原発1号事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。」と糾した。

 すると、安倍首相はこの質問に対して、こう言い切ったのである。

「我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。」

 吉井議員が問題にしているのはバックアップ電源の数のことであり、原子炉の設計とは関係ない。実際、福島原発はバックアップ電源が全部ダメになって、あの深刻な事故が起きた。それを安倍首相は「設計が違うから、同様の事態が発生するとは考えられない」とデタラメを強弁していたのだ。

 そして、吉井議員がこの非常用電源喪失に関する調査や対策強化を求めたことに対しても、安倍首相は「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、(中略)経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。」と、現状で十分との認識を示したのだ。

 重ね重ね言うが、福島原発が世界を震撼させるような重大な事故を起こした最大の原因は、バックアップ電源の喪失である。もし、このときに安倍首相がバックアップ電源の検証をして、海外並みに4系列などに増やす対策を講じていたら、福島原発事故は起きなかったかもしれないのだ。

 だが、安倍首相はそれを拒否し、事故を未然に防ぐ最大のチャンスを無視した。これは明らかに不作為の違法行為であり、本来なら、刑事責任さえ問われかねない犯罪行為だ。

 ところが、安倍首相はこんな重大な罪を犯しながら、反省する素振りも謝罪する様子もない。それどころか、原発事故の直後から、海水注入中止命令などのデマをでっちあげて菅直人首相を攻撃。その罪を民主党にすべておっかぶせ続けてきた。

■安倍が責任逃れのためにぶちまけたメディアへの恫喝、お得意の「捏造だ」攻撃

 その厚顔ぶりに唖然とさせられるが、それにしても、なぜ安倍首相はこれまでこの無責任デタラメ答弁の問題を追及されないまま、責任を取らずに逃げおおせてきたのか。

 この背景には、いつものメディアへの恫喝があった。

 実は、下野していた自民党で安倍が総裁に返り咲いた直後の2012年10月、「サンデー毎日」(毎日新聞社)がこの事実を報道したことがある。1ページの短い記事だったが、本サイトが指摘したのと同じ、共産党の吉井英勝衆院議員(当時)の質問主意書に対して安倍首相が提出した答弁書のデタラメな内容を紹介。吉井議員のこんなコメントを掲載するものだった。

「いくら警告しても、マジメに対策を取らなかった安倍内閣の不作為は重大です、そんな安倍氏が総裁に返り咲いて首相再登板をうかがっているのは、本人も自民党も福島事故の責任を感じていない証拠でしょう」

 ところが、これに対して、安倍は大好きなFacebookで、こう反撃したのだ。

「吉井議員の質問主意書には『津波で外部電源が得られなくなる』との指摘はなく、さらにサンデー毎日が吉井議員の質問に回答として引用した政府答弁書の回答部分は別の質問に対する回答部分であって、まったくのデタラメ捏造記事という他ありません」(現在は削除)

 出た、お得意の「捏造」攻撃(笑)。だが、「サンデー毎日」の報道は捏造でもなんでもなかった。たしかに安倍首相の言うように、吉井議員が質問で外部電源が得られなくなる理由としてあげたのは、津波でなく「地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故」だった。しかし、だったらなんだというのだろう。そもそも、吉井議員が問題にしていたのは外部電源が得られなくなる理由ではなく、外部電源が得られなくなった場合のバックアップ(非常用)電源の不備だった。

 吉井議員は質問主意書の中で、バックアップ電源4系列中2系列が機能しなくなったスウェーデンの原発事故を引き合いに出しながら、日本の多くの原発が2系列しかないことを危惧。2系列だと両方とも電源喪失して原子炉を冷却できなくなり、大事故につながる可能性があると指摘した。

 それに対して、安倍首相が「我が国の原子炉施設で同様の事態が発生するとは考えられない」と回答したのだ。福島原発の事故はまさにバックアップ電源が喪失したことで起きたものであり、その意味で「サンデー毎日」の「津波に襲われた福島原発を"予言"するような指摘を、十分な調査をせずに『大丈夫』と受け流した」という記述はまったく正しい。

 もし、質問主意書が地震でなく津波と書いていたら、安倍首相は、バックアップ電源の検証を行って、2系列を海外並みの4系列にするよう指導していたのか。そんなはずはないだろう。

 ようするに、安倍首相は自分の責任をごまかすために、枝葉末節の部分をクローズアップし、問題をスリカエ、「記事は捏造」という印象操作を行っているだけなのだ。

 だいたい、これが捏造だとしたら、メルマガで「菅直人首相の命令で福島原発の海水注入が中断された」というデマを拡散した安倍首相はどうなのか、と言いたくなるではないか。

■安倍の盟友・甘利明がテレ東にしかけたトンデモ抗議と、法廷で明かされた真相

 だが、こうした卑劣な責任逃れを行っているのは安倍首相だけではない。実は安倍首相の捏造攻撃にはお手本があった。それは安倍の盟友の甘利明・経産相がその少し前、テレビ東京に対して行っていた抗議だ。前述した安倍首相のFacebookの投稿はこう続けられている。

「昨年テレビ東京が安倍内閣の経産大臣だった甘利代議士に取材した放送で同様の虚偽報道がされたそうです。
 甘利事務所は強く抗議し、テレビ東京が「質問主意書には、津波で電源を失う危険性についての記述はないにもかかわらず、放送では、その危険性があるかのような誤った認識の下、自民党政権の原子力政策に関する報道を行いました」として、虚偽内容の放送であったことを認め、放送法第4条に基づく訂正放送をしたとのことです
 天下のサンデー毎日がすでに訂正放送を行い、謝罪したテレビ局と同じねつ造をするとは(笑)」

 安倍が「同様の虚偽報道」としているのは、2011年6月18日放送の『週刊ニュース新書』(テレビ東京系)のことだ。同番組は原発事故の責任を検証する企画で、第一次安倍内閣でも経産相をつとめ、原子力行政に深くかかわっていた甘利をインタビューし、その際にやはり吉井議員の質問主意書に対する安倍首相の答弁書の問題を追及した。すると、突然、甘利が席を立って、別室に姿を消した。そして、記者にテープを消し、インタビューを流さないように要求したのである。

 テレ東の記者は当然、その要求を拒否。番組では、甘利議員がいなくなって空席となった椅子を映し「取材は中断となりました」とナレーションとテロップを入れて放送した。

 これに対して、放映後、甘利事務所がテレビ東京に抗議してきたのだ。しかも、テレビ東京が完全謝罪を拒否したところ、甘利は東京地裁にテレビ東京と記者3名を名誉毀損で訴えたのである。

 ちなみにこの法廷では、テレビ東京の記者の意見陳述で、甘利元経産相のとんでもない本音が暴露されている。

 甘利元経産相は別室に呼び出した記者に、「これは私を陥れるための取材だ。放送は認めない。テープを消せ」と何度も恫喝し、それを拒否されると、逆ギレしてこう叫んだのだという。

「何度も言うが、原子力安全委員会が安全基準を決める。彼らが決めた基準を経済産業省は事業者に伝えるだけ。(中略)大臣なんて細かいことなんて分かるはずないし、そんな権限がないことくらい分かってるだろう。(質問主意書への)答弁書だって閣議前の2分間かそこらで説明を受けるだけだ」
「原発は全部止まる。企業はどんどん海外へ出て行く。もう日本は終わりだ。落ちる所まで落ちればいい。もう私の知った事ではない」

■スラップ訴訟でマスコミは完全に萎縮、いまなお放置され続けている安倍の罪

 これが、経産大臣として原子力行政を司った人間の言葉か、と耳を疑いたくなるが、この裁判にいたる経緯からもわかるように、甘利サイドの抗議、訴訟のメインは質問主意書の内容が「津波でなく地震だった」という話ではなかった。いきなり質問主意書を持ち出してきたことがルール違反だ、自分の承諾なしにインタビューを放映した、自分が逃げたという印象を与えるような報道をされたことが「名誉毀損にあたる」と訴えてきたのである。

 ただ、それだけでは大義がたたないために、テレ東が番組で、「津波による電源喪失を指摘」と報じていたことをとらえ、今回の安倍首相と同じく「質問主意書には津波のことは書いていない」とついでに抗議したのだ。

 そういう意味で、甘利の抗議と訴訟は明らかなイチャモンであり、スラップ訴訟としか思えないものだった。そもそも、甘利や安倍は吉井の質問主意書に津波のことが書いていないというようなことをいっているが、実際は、津波によって冷却機能喪失の危険性を指摘する記述がある。

 だが、弱腰のテレビ東京は、訴訟を起こされる前になんとかなだめようと、地震を津波と間違えた部分だけを訂正してしまった。その結果、訴訟でもほとんどのところで甘利側の言い分が却下されたが、この枝葉末節の部分をテレ東がすでに間違いを認めているとみなされ、330万円の損害賠償金がテレ東側に命じられた(もちろん、この判決の背景には政治家が起こした名誉毀損訴訟についてほとんど政治家側を勝たせ続けている裁判所の体質もある)。

 しかも、テレ東は現場の意向を無視して控訴を断念。報道そのものが「虚偽」「捏造」だったということになってしまった。

 ようするに、安倍首相はこのオトモダチ・甘利が使ったやり口をそのままならって、責任追及の動きを封じ込めようとしたのである。しかも、テレ東がお詫びを出したという結果をちらつかせることで、他のマスコミを封じ込めようとした。

 実際、「サンデー毎日」はさすがにお詫びを出したりはしなかったが、新聞・テレビはすでに甘利のスラップ訴訟で萎縮していたところに安倍の捏造攻撃が加わり、この問題を扱おうとする動きはほとんどなくなった。

 そして、翌年、第二次安倍内閣が発足すると、安倍首相はこれとまったく同じ手口で、自分に批判的なマスコミを片っ端からツブシにかかった。枝葉末節の間違いを針小棒大に取り上げて、「捏造」と喧伝し、批判報道を押さえ込む――。さらに、読売、産経を使って、菅直人元首相や民主党政権の対応のまずさを次々に報道させ、完全に原発事故は菅政権のせいという世論をつくりだしてしまった。

 こうした安倍首相とその仲間たちの謀略体質には恐怖さえ覚えるが、もっと恐ろしいのは、彼らが政権をとって、再び原発政策を決める地位にあることだ。不作為の違法行為によってあの苛烈な事故を引き起こしながら、その責任を一切感じることなく、デマを流して他党に責任を押しつける総理大臣。そのもとで、反対を押し切って進められた原発再稼働。そして、まさかの原発新設議論の着手……。

 このままいけば、“フクシマ”は確実に繰り返されることになる。

(エンジョウトオル)

 

 

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11 コメント

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管理人さん、かなしそう・・・ (バードストライク)
2018-03-12 10:13:04
未曾有の災難を経験したのに、日本人はじぇーんじぇん賢くなっていない、でぇ〜〜す!
国民の3割は、いつもバカでぇ〜〜す!

原発再稼働に賛成しているのも3割、
裁量労働制に賛成しているのも3割、
何がなんでも自民党に投票するという、自民党の強固な支持者も3割くらいでしょ。
ホントに、アホは〇ネ!って言いたくなる。せめてそんな層は選挙に行かずに寝ててくれれば・・・
しかもここんところカルトそーかがその上に乗っかって、自民支持者よりいい仕事しちゃってるもんね。

このようなウソと隠蔽が成り立っているのは、記事中にもあるけど、マスコミがマスゴミ化し、事実を報道しなくなったことが大きいだろう。

一体、どうしたらいいのだろうか?
まず、われわれはもっと賢くならなければいけない!
マスコミに圧力をかけ、身近な人に少しでも現状を教えて問題意識を持ってもらう(賛同してくれる人より、敬遠する人のほうが圧倒的に多いですが w)。
発信し続けることが大切かな。


管理人さん、悲しそうだね。
気持ちは分かるけど、わしらの親分なんだから、せめてブログでは明るくいて!(実生活では落ち込んでていいから w 人生「引かれものの小唄」だよ、って、意味違うか?)
ラテンのノリを忘れないで!!
返信する
Unknown ()
2018-03-12 16:07:22
その比例自民3割で7割の議席を確保できる選挙制度がおかしいですね
比例全国区一本にすれば合区も一票の格差も是正どころか解消され票数に合ったつまり民意に合った議席になります。
ただ与党はしないでしょうね
絶対自分達が損するから
勿論選挙区自民だから使い分けで比例は他党て層は自民に投票するから3割よりは取るがその層は多くは維新か希望に入れる層でその内少なくとも半分は使い分けじゃなく何方も維新か希望に入れる若しくは維新と希望の使い分けでしょうから過半数に満たない
公明足してぎりぎり過半数なくらいの票数でこれが民意だ
野党は民意無視だと言う自民支持者には呆れますわ。
最後になりましたが被災者のご冥福とこれからの復興を祈ります
返信する
溜め息しか出て来ない (リベラ・メ(本物の))
2018-03-12 16:58:16
原発の廃炉作業、かかる歳月と費用を思えば、ただただ、溜め息しか出て来ない。何だかとてもやるせない…。
返信する
最近新聞に (淡水真珠)
2018-03-12 18:47:08
大川小学校の遺族は今までのステレオタイプの日本人と違っている。黙って耐え忍んで悲しむのでは無く声を上げていると。イギリスの記者は驚きながらも、これは明らかに人災だと言っている。全部震災、自然災害のせいで終わらせようとしてる所が前から可笑しいと思ってました(?_?)
返信する
「安倍晋三」と書いて「大嘘つき」と読む (アベの脱税疑惑)
2018-03-12 20:33:21
財務省が、決済文書の書き換え、事実の隠ぺいを認めました。
消された内容には安倍昭恵さんの名前があったということです。

昨年2月17日の予算委員会で安倍首相は、学校法人森友学園に対する大阪府豊中市の国有地譲渡等及び当該学校法人の小学校新設に係る設置認可に関する質疑において「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。」、また「繰り返して申し上げますが、私も妻も一切この認可にも、あるいは国有地の払い下げにも関係ないわけでありまして」、さらに「繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさにこれはもう私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。全く関係ないということは申し上げておきたいと思います」との答弁をしています。

どうなんでしょう。安倍首相は引退しかないですよね。

改ざんについて、安倍首相は陳謝したということですが、引退しないのなら大嘘つきということですね。
返信する
マスコミを応援してあげようよ?駄目ですか? (cooooookun)
2018-03-12 23:55:00
マスコミが本来の働きをしていないのは一部分です。マスコミを見もせず、読みもせず聞きもせず批判するネトサポに毒された人達がマスコミを利用するなと拡散します。一番正しい情報を流せるマスコミをマスゴミと言う人らが一番罪深いです。自由報道ランキング72まで下がっているのに…。買うな!聞くな!見るな!をネトウヨ、ネトサポ!と一緒になり権力の思う壺へ導く人が無責任ですね。このブログはマスコミを多く使用しています。だから信頼できるのです。マスコミ批判より政権批判と報道の自由、特定秘密による公務員のやりたい放題と正義感への脅し…

悪いのはマスコミではなく政権与党の強行採決と閣議決定とその取り巻きだ!

馬鹿も休み休み言えよ!をみんなで取り戻そうよ。流される空気はろくな事無いから!   自論ですがね…。強要はしませんから。考えて下さい!
返信する
諸君は私の目であり耳であります(キリッ (拍手を送ろうではありませんかッ)
2018-03-12 23:55:18
霞が関の現役官僚たちは、
果たして、自分がテレビに映っている間だけ格好をつけられれば
それが仕事になると思っている、その程度の首相の為に
「命をかける値打ちがあるのかどうか」、よくよく考えなければならない。
これまで、一貫して己の責任と向き合うことを果たしてこなかったし、
恐らく、この先も自分の不始末は役人や役所に付け回す事だろう。
つまり、無用の負けん気が元で
ミサイルが国内の原発にめがけて飛んできても、
自衛官や市民が落命しても絶対に自分だけは責任から逃げ回る、そういう器だ。

以下の状況で、まだこの夫婦の潔白が信じられるというのは、
この政治家が招いた民主主義の液状化と、まさしく国難と言っていいだろう。
こんな問題が一年も店晒しになっている事には呆れるが、冷静に外堀を埋めていく他はない。

>財務大臣の進退なんてのは、物事の本質的には
>「名目上の引責」でしかなく、殆ど意味がありません。財務省は
>「歪められたミッション」を押し付けられただけでしょう。
>そして、一旦「背任」である国有財産の不当売却に足を突っ込まされ、
>それを取り繕うために「公文書偽造」をやらざるを得ず、とどんどん深みに嵌まっていったのです。
>その押し付けた人間は勿論、財務省内には居ません。政権の奥深い所に潜んでいます。
   『責任の所在』
   緒方 林太郎  :BLOGOS 2018年03月12日 12:33
ttp://blogos.com/article/283197/

>しかし、財務省にしても検察庁にしても、組織をあげて安倍政権に
>立ち向かったという事にはなっていない。反骨官僚たちの謀反に留まっている。
>だからこそ、安倍政権の中枢にいる官僚OBたちが、謀反官僚たちを抑えにかかっているのだ。
>文書を朝日に渡した者は、今度こそ国家機密漏えいで捕まえると
>杉田和博官房副長官は脅かしているのだろう。
>そう考えれば、朝日がなぜ今動かないのか、そして安倍政権や御用メディアが、
>なぜ朝日は「確認」としか言わず、「入手」したと明かさないのか、
>文書を出さないのか、などと批判し始めたか、合点が行く。
   『森友文書書き換え騒動の行方を占う重要ポイントはこれだ 』
    天木直人  :BLOGOS 2018年03月12日 10:03
ttp://blogos.com/article/283151/

>財務省の官僚は他省庁の役人より格上。
>ノンキャリはキャリアよりもはるか下の存在。年次も1年違えば
>虫けら同然と言われるほどの序列社会。
>その中で、経産省のノンキャリの課長補佐クラスの
>当時の昭恵夫人秘書・谷査恵子氏からの問い合わせに、財務省のキャリアの管理職が
>丁寧に文書で回答するのは異例中の異例。
>昭恵夫人案件だったからそれが可能になったことは霞が関の
>官僚100人に聞けばほぼ全員がそうだというはずだ。
   『森友文書“改ざん”で白旗 霞が関崩壊を止めるには安倍総理退陣しかない』
   古賀茂明 :AERA dot. 2018.3.12 07:00
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この記事は主様の凄い気迫と言うか…権力批判を正々堂々としている記事ですね。 (cooooookun)
2018-03-14 21:20:31
電波使用量『電波止める』総務省、ジャニーズなど芸能界にも強い影響を持つ自公維新、幸福などの安倍の仲良しクラブや官僚💢💢💢💢!小池都知事💢💢💢💢!東京都議会、自民党地方議員と仲良しクラブな議員達。そして大企業やCM流す公共やパチンコ、高須やアパなどの金儲け主義者の宗教団体。全てが放送倫理協会だった?それこそがリベラルマスコミ潰し。

人の面した金の事しか脳のない馬鹿脳の小さな政府主義者達と地方公務員(権力含む)

人類がここまで自分勝手になれるなんて思ってもいなかった……………。全ての今の世界の流れは………


悲しいが…………

地球を無くす方向へ…………

向かっている💢💢💢💢!


人間の屑が地球を滅ぼすのも近いかも知れない…………


本当に全生命の危機である。

人は地球を支配してはいけなかった!!!


本当に十字を切るなら………

懺悔しろ💢💢💢💢! 糞なお前ら💢!

誰に言ってるか気が付かない馬鹿共が人類や地球の進化を拒んでいる……………


個人個人で!


神に成ろうよ!あいつらよりも純粋な神にね!    頑張ろう。
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カトリック新聞3月11日号より (リベラ・メ(本物の))
2018-03-14 21:42:08
「“チョコ募金”で福島を幸せに」の記事を紹介します。-JIM-NET(日本Iraq医療支援ネットワーク)は、福島で放射能から子供たちを守る活動を続けて来ました。活動内容は、①放射能測定器を常設する、市民測定所の支援 ②保養と検診費の補助 ③福島のサッカークラブとのイベント開催や、自然エネルギーの拡充 ④福島の教訓を世界に発信する…の4つです。此の4つの活動資金にあてられるのが、“チョコ募金”です。[Valentinedayに“義理チョコ”を大量消費する位なら、其のお金でIraq小児がん患者を支えて欲しい]という思いから始まり、此の募金は現在、Iraqと福島の他に、Syria難民支援も行っています。チョコは、六花亭の協力で実費製作。一口サイズの、三種類10個のチョコが入っています。一缶550円の内、335円が支援に回ります。 

電話 03-6908-8473 又はJIM-NETのホームページ迄
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Unknown (cooooookun)
2018-03-14 22:33:14
教会さん全ての批判では無いですから。  それぞれ信心をする人には優しさが有ると思ってます。御免なさい。素晴らしい教えですよね。御免なさい。
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