上川外相は14日、来日中の国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長と会談し、原子力の平和利用を後押しするため、IAEAに1850万ユーロ(約30億円)を支援すると表明した。

上川外相は、グロッシ事務局長と外務省の飯倉公館で会談。

原子力技術を活用した品種改良や害虫対策、食品安全の強化などのIAEAの取り組みを後押しするため、1850万ユーロを支援すると表明した。

また、福島第一原発の処理水の海洋放出については、IAEAの独立的・中立的かつ科学的見地からの関与に感謝を述べた。

これに対し、グロッシ氏は、前日に福島を訪問した際に「IAEAの安全基準に即した形で計画どおり実行されていることを確認した」と述べた。

さらに、上川外相とグロッシ氏は、北朝鮮やイランの核問題、ウクライナにおける原子力の安全など、国際情勢についても意見交換し、引き続き緊密に連携することで一致した。

これに先立ち、岸田首相もグロッシ氏と会談し、福島第一原発の処理水放出になどについて協議した。

岸田首相は、IAEAの協力への感謝を述べるとともに、「引き続き科学的根拠に基づき、国際社会の理解を広げていく」と強調。

グロッシ事務局長は、協力を継続していく姿勢を示した。