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仁和寺と御室派のみほとけ展

2018-02-18 20:57:00 | 美術[な]
「仁和寺と御室派のみほとけ展 - 天平と真言密教の名宝 -」@東京国立博物館

 仁和寺を総本山とする御室派として全国各地の真言宗のお寺から、あれやこれやの品々が出品されている展覧会。書から巻物、屏風、曼荼羅、秘仏など盛りだくさん。非公開である仁和寺の観音堂が現在解体修理中ということで、この機に乗じて、観音堂の住人というか仏像が大挙して上京、千手観音を中心に両端の風神雷神まで33体がずらっと並んだ観音堂を再現、壁画まで高精細画像で再現されているので臨場感のある壮観な姿を見ることができる。ここだけは写真撮影がOKとなっている。

 にゃんと今回は仏像だけで70体くらい来ているらしい。けっこうな数だ。入ってすぐになにやら行列ができていて、これはヤバイのか?と思ったが、その行列は国宝秘仏薬師如来坐像を見るための行列だった。そのお医者さんは高さ12cmというちっこいちっこいそれはまあちっこい像だけれど、白檀を緻密に彫った見栄えのする逸品、じっくり見たいところだが「立ち止まらずにお進みください」なんて言われてはそうもいかない。土曜日の午後だったが、そんなに長い行列ができていたのはそこくらいで、混んではいるが後は割とスムーズに見ることができた。

 一番見たかったのが大阪の葛井寺の秘仏千手観音菩薩坐像。現存する最古の千手観音だそうで、「42本で千本あるよ!」という設定の千手観音と違い、実際に千本の腕を持つリアルガチな千手観音。唐招提寺の千手観音立像も有名で千本の腕を振り回しながら立ち上がっているから迫力満点、京都の寿寶寺にも千本腕の千手観音があるらしいがこれはまだ見たことがない。

 葛井寺の坐像は像高131.3cm、勝手に想像していたよりも大きく感じるが、座っているから見る人の目の高さにニョキニョキと生えた腕が光背のように迫って来る。1041本の腕があり、そのうちの40本はあれやこれやの持物をつかみ、これ見よがしにひと際長く突き出している。もぅ、全部オシャレポーチに入れとけばいいじゃん!なんて思う人はいないだろうが。

 以前から一度見たいと思っていても、毎月18日だけご開帳なんてハードルが高くてなかなか行けなかったのでホント良かった。写真のように葛井寺では厨子の中に安置されているので正面しか見られないが、今回の展覧会ではグルリと回って背中の状態までよく見られる。こんなチャンスは滅多にないから御用とお急ぎのある方も、葛井寺の近所にお住まいの方もぜひ!


再現された仁和寺観音堂


アンパンマンではなくて風神の風袋である


観音堂の裏にいる愛らしい動物たち・・・



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