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茨城県建築ツアー

2013-10-29 18:58:13 | 美術[あ]
 アートテラーとに~さん主催の建築ツアーに参加した。今回は、47都道府県の2013年度魅力ランキングで最下位となったらしい茨城県の建築を巡るバスツアー。解説はお笑い建築家ペンさんとイケメソ建築家soさんのダブルキャスト。これに、とに~さんが加わってほぼ漫才みたいなトークを聞きながらバスで向かう茨城県。
 
 福島県との県境に近い大平洋岸、北茨城市にある茨城県天心記念五浦美術館と、岸壁にヒョコっと佇む小さな赤い六角堂。2011年に水戸に出張していた折に、この美術館を知り「行きたいリスト」に入れていたのだが、それを実行に移す前に赤い六角堂は海の彼方に流されてしまった。1年後に六角堂は再建されたが、波打ち際に行くことへの精神的なプレッシャーもあって行けないままだった。

 五浦(イズラ)に移り住んだ岡倉天心が建てた六角堂、再建されたホヤホヤの新品なので、建材の痛みから歴史を忍ぶことはできないが、公園にあるミニミニ休憩所みたいな独特な佇まいがかわいい。建っている岸壁の突端も狭くて、見学者が多いと右往左往する状態。まるで六角堂を建てるためにできた場所みたいで、それ以外の建物の入る余地はない。もちろん海は丸見え。

六角堂


 内藤廣設計の美術館は1997年開館、高台に建つ三角屋根の平屋になっている。工場で成型されたプレキャストコンクリートを組み合わせた高い天井の梁が個性的で、無骨な雰囲気が建物の外観からすると予想外だったりする。岡倉天心は画家ではなく、日本の文化や芸術を広め、守るために活動した人なので、岡倉天心に関連するモノを展示している美術館となっている。今は「岡倉天心生誕150年・没後100年記念 岡倉天心と文化財―まもり、つたえる、日本の美術」という展覧会が開催中で、天心が保護し修理した仏像など国宝・重文14件を含む展示がされていた。

茨城県天心記念五浦美術館


美術館の天井


美術館の裏から見た海岸


 笠間日動美術館のある笠間市では、伊東豊雄設計による「笠間の家」を見学。陶芸家のアトリエ兼住居として1981年に建てられた物件で、民家なので見学はできなかったが、笠間市に寄贈されたのを機に、この春から一般公開された。坂の途中にある家で、坂を巧みに利用し、裏の1階入り口が建物の2階になっている。白い室内が不思議な間取りになっていて、住むのが楽しそう。巨大な家ではないのにトイレが4か所もある。

笠間の家


笠間の家の内部


笠間の家の内部


 最後は、つくば市内を1時間くらい回る徒歩ツアー。いつもの都内のツアーより大人数でぞろぞろ歩く集団だが、余裕のある街路と人の少なさから、都内巡りのような狭苦しさは無かった。つくばセンタービル(設計:磯崎新)、つくば南駐車場(設計:伊東豊雄)、つくば市立竹園西小学校(設計:原広司)を回り、夕暮れ時はさびしそうなツアーのラストは、1976年に建てられた菊竹清訓設計の松見タワーという展望塔レストハウス。既に展望室に上れる時刻を過ぎていたので、外観を見ただけ。45mの栓抜きスタイルが、かっこいいかどうかは個人の主観によるだろうが、オシャレとは言い難いコレジャナイロボ系の展望塔からはつくばの街が一望できるらしい。茨城県の展望塔ならオシャレ度では水戸芸タワーにはかなわない。

松見タワー



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