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ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

『グリーンブック』

2019-03-23 23:02:31 | 映画[か]
『グリーンブック』

監督:ピーター・ファレリー
出演:ヴィゴ・モーテンセン/マハーシャラ・アリ/リンダ・カーデリーニ

 人種差別が激しかった1962年の実話を映画化。ナイトクラブの用心棒をしていたが仕事を失ったトニー・バレロンガ、黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーの運転手として雇われることになった。トニー自身も黒人に対してやや差別意識を抱いていた。そんなトニーに手渡されたのは、黒人が利用可能なホテルなどが載った旅行ガイド「グリーンブック」、それを携えて、黒人差別が特に顕著な南部へのコンサートツアーに車を走らせる。行く先々で遭遇する差別的なトラブルを潜り抜けて、少しずつ変わって行くふたりの心情がいちばんの見どころ。

 アカデミー賞の作品賞、脚本賞、助演男優賞を受賞。人種差別という重いテーマを描いたからと言って暗いだけでなく、笑えるシーンもいろいろあって最後まで飽きない。室内シーンにはジャズが似合い、街角シーンにはオールディーズが似合う、アメリカンテイストに満ちて、流れるサウンドが心地よい映画。ふたりを乗せて最初から最後まで出ずっぱりの真の主役はキャデラックかも。グリーンブックのタイトルに相応しい淡いグリーンのキャデラックがエレガント。日本だったら邪魔臭いだけの巨体が似合っちゃう広い大地、カモンベイビーアメリカ♪ ティーネィジャーが憧れてたアメリカは差別に満ち溢れていたという事実も忘れてはならないのだろう。
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『カメラを止めるな!』

2018-08-17 20:30:48 | 映画[か]
『カメラを止めるな!』

監督:上田慎一郎
出演:濱津隆之/秋山ゆずき/長屋和彰/しゅはまはるみ/真魚/細井学/市原洋/山﨑俊太郎/大沢真一郎/竹原芳子/浅森咲希奈/吉田美紀/合田純奈

 新人監督とあまり知られてない俳優たちによるゾンビ映画!と聞いてぜひ見たい、なんて思う人はあんまりいないだろう。私だってヤダ。そんなもんに1800円も払うなんてもってのほかである。なのに、のにのに、世間でやたら話題になり過ぎているのをスルーしてもいいのだろうか。別にゾンビ映画フリークでもないし。のにのに、暇があったからしかたなく嫌ぁ~な期待を抱きつつ見に行った。

 低予算のホラー映画といえば『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』を思い出す。あれもまた斬新な手法で話題をさらった映画だった。んではさてこっちはどうなのか? 37分ワンシーン・ワンカットで描くゾンビ映画!・・・を撮影している最中に、まさかの本物のゾンビが襲い掛かってきて、わぁコワい、でも鬼監督はこれこそリアルだ撮り続けるぞ、と鬼のような形相で俳優に檄を飛ばす、というような設定に無理がある映画なのだ。

 そんな映画を見ていると、あまり知られてない俳優さんたちが不自然な演技をしたり、素人みたいな下手なセリフを吐いたり、冗長でまどろっこしい進行や、はちゃめちゃな展開など、見れば見るほど、見に来たことを後悔しはじめる自分を戒め励まして、せっかく1800円払ったんだから途中で帰ってはいかん!なんて気分になりはじめた。

 まぁ、映画館から途中で帰ったことは私の人生でも一度しかない珍事だったし、その映画が何だったかも忘れたし、だから帰るつもりもなかったのだが。帰らなくてよかった。最後まで見ればあれやこれやと不自然な出来事も氷解するし、はじめに抱いていた嫌ぁ~な期待を見事に裏切ってくれるし、なぜ世間で話題になっているのかも分かったような気がするし、ゾンビ映画なんてコワいから無理です、とかいう人でも大丈夫だよ、無理の程度によるけど、たぶん、見たほうがいい鴨新米、なぁんて・・・ネ!
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『北の桜守』

2018-03-10 23:16:40 | 映画[か]
『北の桜守』

監督:滝田洋二郎
出演:吉永小百合、堺雅人、篠原涼子、岸部一徳、佐藤浩市、阿部寛、中村雅俊

 吉永小百合120本目の出演作品。とはいえそのうち私が見たと思える作品は数本で、他の吉永小百合作品と比べてどうだったとかはわからない。私はタモリさんみたいなサユリストではないので特に意識していなかったし、吉永小百合さんで思い浮かぶのはAQUOS亀山モデルのCMくらいだ。でも何かの縁でなんとなく見てみたらもう涙なしにはいられない感動の嵐。

 戦時中の樺太や北海道が舞台なので、悲惨なシーンや雪深く寒いシーンもあるけれど、タイトルが桜守だから、きれいな桜のシーンももちろんある。戦争の悲しみだけでなく、老いて行く母の姿と向き合う息子が描かれる映画なので、戦争を知らない私でさえ身につまされるシーンがあり、もうたまらない気分になる。これ以上泣きたくないからもう終わってくれなどと思いながらもラストまで目を離せない。

 この映画にはちょっと変わった演劇舞台調な演出が盛り込まれている。最初はなんだこれ?と思うが、全編を通して見れば、そんなことは映画の進行に何も水を差すことのない上質なナレーションに思えて来る。よくある演出では、現在の姿から始まって、昔を語り始めると過去のシーンに変わることがある。タイタニックもそうだった。そういう演出のひとつだと思えば特に違和感も感じないし、逆に映画の印象を強めた感じ。
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『キングコング 髑髏島の巨神』

2017-03-25 21:52:57 | 映画[か]
『キングコング 髑髏島の巨神』

 監督:ジョーダン・ボート=ロバーツ
 出演:トム・ヒドルストン/ブリー・ラーソン/サミュエル・L・ジャクソン/ジョン・C・ライリー

 お馴染みの巨大ゴリラ映画。怪獣映画は割と出し惜しみをする傾向があるが、この映画では惜しげもなくバ~~ンッ!!と現れるから気分が良い。キングコングやらゴジラやらが単体だと悪い奴だったりするのにキングコングvsゴジラとなるとゴジラが悪者になる。でもゴジラvs宇宙怪獣になるとゴジラが正義の味方に早変わり。今回のキングコングは、最初は人間から見たらすんごい悪者なんだけど、だんだんボブ・サップに見えてきて、そのうち憎めない奴になってしまう。その代わりと言ってはなんだが、サミュエル・L・ジャクソンの顔がだんだん悪者ヅラになっていくというおまけ付き。巨大ゴリラなんだけれど、身長31.6メートルという設定になっている。身長118.5メートルのシン・ゴジラの後ではスケール的に見劣りするかもしれないが、高層ビル街のゴジラと平原のキングコングならその迫力に遜色はない。

 公開が決まってからずっと楽しみにしていたにもかかわらず、サイトも全然見ないまま映画館に行ったので、巨大なヤツがキングコングだけではないということも知らず、もう次から次へと新鮮なビックリが飛び出してきて百倍楽しめる映画だった。子供が喜びそうなビックリだけど「どくろとうのきょじん」なんて名前からして昭和のB級ジュブナイルファンタジーっぽい響きなので、ホントはもうオトナは見ちゃいけないんじゃないのかっていう気もするのだが、精神年齢だけ若年層のオトナとしては、懐かしのキングコングを放置しておくわけにもいかないのだ。ゴリラが胸をたたくドラミングはパーでやるという常識が定着してきているが、キングコングは昔ながらのグーでやっている。←なんだ昔ながらって・・・この件に関する無駄な議論が百出しないことを願う。
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『君の名は。』

2016-12-11 18:43:41 | 映画[か]
『君の名は。』

 新海誠監督のアニメはこれ以外に見たことが無いので、それと比べてどうこうとは言えない。というかアニメ映画を見たのは、つい先日の『ソーセージ・パーティ』、『レッドタートル』、1年半前の『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』、2年前の『ベイマックス』、その前が『アナと雪の女王』というくらいのスタンスで、アニメファンと言うのもはばかられる。というかもうアニメファンではない。だからアニメの話をふられても適切な対応はできない。

 『君の名は。』も公開から3か月半、今年一番の大ヒットアニメーション映画で、毎日のようにテレビで宣伝も流れて、もう宣伝負けしちゃったくらいの気分で、そんなに人気なら見てみようと思った。3か月半も経っているのに客席はほどほどに賑わっていた。

 見知らぬ男子高校生と女子高校生の体が入れ替わっちゃうというポンポコ玉な基本設定は知っていたが、原作も読んでないし、ネタバレ記事も読んでなかったので、どんなふうに進展するのかが新鮮に楽しみだった。そしたら、体が入れ替わって学内ですっちゃかめっちゃか、なんていう単純なストーリーではなくて、SF要素ががっちり組み込まれているオレ得な内容だったので満足、見に行って良かった。

 余談だが、アニメとはいえ、入れ替わる男女がイケメンと美女でよかった。これがまさかのそうでもないふたりだったとしたら・・・ヒットしたかな?
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『ゴーストバスターズ』

2016-08-21 22:33:33 | 映画[か]
『ゴーストバスターズ』

監督:ポール・フェイグ
出演:クリステン・ウィグ、ケイト・マッキノン、メリッサ・マッカーシー、レスリー・ジョーンズ、クリス・ヘムズワース

 1984年公開作品『ゴーストバスターズ』のリメイクというかリサイクルというかリバイバルというかリバスターというか、なんかそんな半笑い映画。前作のバスターズは男性チームだったが、今回は女性チームってところが大きな違い。昔、年賀状のネタにしたこともあるマシュマロマンも友情出演。年賀状どころか、確か15cmくらいのマシュマロマンのフィギュアまで買った覚えがある。腹を押すと「ピョォ」って音がするヤツだった。ってことはそのくらいハマっていたんだなぁ。でも今は持ってない。どこいっちゃったんだろう? 前作と同じマーク、同じテーマソングが懐かしい。ただ、うっかり吹き替え版を見てしまったので、アメリカンジョークを超意訳した日本語のセリフが割と寒くて冷や汗が出る。ゴーストは怖くないので脂汗は出ない。
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『ギャラクシー街道』

2015-11-03 19:35:54 | 映画[か]
『ギャラクシー街道』

 監督:三谷幸喜

 出演:香取慎吾、綾瀬はるか、大竹しのぶ、西田敏行、山本耕史、小栗旬 etc etc

 開通から150年、老朽化による閉鎖寸前の閑古鳥がぴよぴよ鳴いてるギャラクシー街道、そこでちんまりと営業しているハンバーガーショップが舞台。そこにはいろんな異星人の変な客がやってくる。そこでは綾瀬はるか、大竹しのぶなどの妙な女優、じゃなくて妙な店員が店番をしている。三谷監督の映画はいつもそうだけれど、一流の映画俳優がよってたかって三流の映画を作ろうとしてる気配がぷんぷんする。今回もふざけまくり。登場人物はいつもクセの有りすぎる変な奴ばっかりなのだが、今回は場所が場所だけにその変な奴らが変な異星人の姿でうろうろする。その種族ごとに異なる非常識がまたカルチャーショックの笑いネタにもなるけれど、なんかゲスいネタが多めだ。得体のしれない異星人のネタだから思いついたらやり放題、時代考証とか関係ないし、人間ならあり得ない事象も全部許されてしまう。自由だ!!!! 自由ほど不自由なものはない。やっぱり宇宙人ネタはいろんな意味でヤバイ。同じネタを地球上の田舎のドライブインでも舞台にしてたら、感じ方もまた違うかもしれないけれど、そうなると使えないネタが7割くらい出てきそう。
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『GODZILLA/ゴジラ』

2014-07-30 22:54:13 | 映画[か]
『GODZILLA/ゴジラ』

 監督:ギャレス・エドワーズ
 出演:アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺謙、エリザベス・オルセン

 1998年に公開されたローランド・エメリッヒ監督のハリウッドゴジラは、ニューヨークの摩天楼の隙間をハイスピードで走り回る迫力とは裏腹に、その姿かたちが思いっ切り爬虫類という「コレジャナイ感」満載で、単なる足の速い別種のモンスターのように見えてしまったため、ゴジラフリークから悪評を招いてしまい、それ見たことか、これではジュラシックパークの続編だ、やっぱりゴジラは日本のお家芸だ、とかなんとか揶揄されていた。やっぱりゴジラはスポーティなフォルムにしてはいけない。

 今回はゴジラの大ファンだという監督が、今までのゴジラのイメージを崩さないようにと、総力を結して、全ゴジラファンを納得させられるような映画に仕上げてきた。ゴジラの造型も若干おちょぼ口な感じがしないでもないが、昔からよく知っているゴジラだ。日本のゴジラだって回を重ねるごとに、あんな顔、こんな顔と、ちょっとずつイメージが違っていたりするので、ほとんど誤差の範囲で容認できると思う。

 主演のアーロン・テイラー=ジョンソンは『キック・アス』の時とはぜんぜん違うたくましい軍人のイメージで出演、渡辺謙は特に大きなアクションシーンこそ無いものの、主役と間違えそうなくらい出っ放しで大活躍、どうしても「ガッヅゥィ~~ラ!」などと呼んでしまいがちな米国人に、なんとかして「ゴジラ!」と呼ばせようという啓蒙活動に励んでいた。

 サイトも確認せず、ほとんど予備知識無しで、ゴジラだからというだけで見に行ったので、あれやこれやと新鮮な驚きも体感できた。見る予定の人はあまりネットで下調べなどせずに映画館に直行したほうがよい。何が出てくるかはスクリーンで「あれ?」とか「なぁるほど」とか言いながら見たほうがたくさん楽しめる。

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『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』

2014-02-27 18:57:04 | 映画[か]
『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』

 ケツを蹴るアメコミ映画パート2。自警団のように集まったヒーロー達、その姿はてんでんに中途半端な覆面コスプレ姿、デパートのヒーローショーにも出てこなそうなレベル。そんな中にシュレックじゃねぇのに緑色のコスチュームを付けた男「キック・アス」がいる。割と頼りない。今回は彼がトレーニングして見栄えだけちょっと男らしくなったりする。今回の主役はキック・アス(アーロン・ジョンソン)である。

 「キック・アス」という映画なんだから彼が主役なのは当然だろうと思うかもしれない。でも実のところ、誰もが主役と思っちゃっているのは女子高生ヒロイン:ヒット・ガール(クロエ・グレース・モリッツ)のほうだろう。べらぼうに強い。紫色の髪の毛、紫色のマント、紫色のコスチュームに身を包み、正義のためにバッシバシ敵を殺しまくる。もう犯罪者レベルである。おまけに放送禁止用語がファッキン飛び交うので、R15指定になっている。

 前作で悪人に父(ニコラス・ケイジ)を殺され、ほとんど主役級の大暴れをしたヒット・ガール、今回は一歩後ろに下がって、危ない事はやめて真面目な女子高生に戻ろうとする。そのかわりにキック・アスがストライプス大佐(ジム・キャリー)等と協力して、本来の主役らしくいろいろと活躍する事になるのだが、もともと頼りないのだから、どうせピンチに陥るのは目に見えている。そうなったらやっぱりヒット・ガールの出番なのである。

 パート1ほどのディープインパクトびっくり感は無くなってしまったが、えげつなさ、ばかばかしさは相変わらず、悪人もたっぷり増量ましましてんこ盛り。欲を言えばヒット・ガールは大人しくなんかしてないで全編ぶちかましちゃって欲しかった。
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『かぐや姫の物語』

2013-12-20 18:56:38 | 映画[か]
『かぐや姫の物語』

 高畑勲監督作品。日本の古い民話『竹取物語』が原作という大胆な映画。竹から生まれたかぐや姫がすったもんだの末、月に帰っちゃうと言う大胆なストーリー。桃から生まれたら桃太郎なのに竹から生まれた竹姫じゃない理由もわかった ←今頃?

 アニメーションはリアルというより、ラフなイラスト風。野原の草木を描いたシーンなどは、星野冨弘の絵手紙みたいな雰囲気で心がなごむ。ナレーションはないけど『日本昔話劇場版』みたいな感じかな。月よりの使者の、にぎにぎしくもありがた過ぎる姿には、不覚にも笑ってしまった。

 これでジブリ作品は全部見たかと思ったら『ホーホケキョ となりの山田くん』とかいうのをまだ見てないことに気がついた。
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『清須会議』

2013-11-15 20:01:30 | 映画[か]
『清須会議』
 
 本能寺の変から始まる秀吉の快進撃、天下取りの一歩として、織田家の跡継ぎを決めるための清須会議に焦点を当てた喜劇。三谷幸喜監督作品だから、感動しようとして見たわけではなく、笑おうとして見に行った。笑いのシーンは若干少なめに感じたが、相変わらずのバカシーンは随所に散りばめられている。甲高い声で騒ぐ秀吉役の大泉洋がいいテンションで、映画全体を喜劇色に染めている。逆に丹羽長秀役の小日向文世は小ボケのひとつもせずに物静かな真面目役に徹していて両極端。有頂天役所広司、マジック佐藤浩市、金縛り西田敏行など、過去の作品の主役級も揃って出演。織田信雄が妻夫木聡だということは終わってから気づいた。時代劇とはいえ堅苦しさが全然ないのは、面白いからというだけでなく、時代考証なんぞ糞食らえで、普通に現代語で喋っちゃったりすることにも起因するかも。
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『風立ちぬ』

2013-07-23 20:45:00 | 映画[か]
『風立ちぬ』

 宮崎駿監督作品、最新ジブリの『風立ちぬ』は、『耳をすませば』、『火垂るの墓』、『コクリコ坂から』などのリアルな人間模様を描いた、こっち系のジブリ作品。『千と千尋の神隠し』、『もののけ姫』、『となりのトトロ』などの、やおよろずの神々やら化け物やらロボットやらが跳梁跋扈する、そっち系ジブリ作品とは趣の異なるグループ。どちらかというと、そっち系のほうが好きなのだが、こっち系も嫌いじゃない。

 戦前、飛行機に憧れて、軍需産業の中で飛行機設計に人生を捧げた堀越二郎の生き様を描いた作品。所々、青年の夢見る妄想シーンも出てきて飽きさせない。いい映画だと思う。

 主人公・堀越二郎の声は庵野秀明氏、なんとなく、おぎやはぎの矢作氏に似てる声に、黒メガネをかけた風貌まで矢作氏に見えてきて、かぶっている帽子まで矢作氏とそっくりで、半歩引いたまま観覧。小木っぽいのは出てこなかった。

 映画のメイキング秘話などを見るのも楽しみの一つ、たまたま先日TVでメイキング番組をやっていた。それによると、飛行機のプロペラやエンジンの音を、口で、ボイスパーカッションでやっているということを知り、面白いことを考えるなぁと、ある程度、好ましく感じていたのだ。そしていざ映画を見て、件のエンジン始動のシーンを見た時、あっ、これが口で声出してる効果音かと、事前情報により認識できたのはよいのだが、今度はボイパが気になって気になってしかたなくなってきた。さまざまな効果音が聞こえるたびに、これもボイパかな? そんな気がするなぁ、あれ、これはどうだろう? などと気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になって気になってしかたなくなってきた。唇をブルブル震わせてプロペラ音をがんばって出している音声担当者の顔が思い浮かぶし、そのうち明らかに口で言ってるとしか思えない効果声も聞こえてきた。これは狙ったのかな? でもいいのかこれで? メイキング秘話を知ることは諸刃の剣だったりして。

 そんなこんなで、泣けるという噂どおりには泣けなかった。泣くなら『火垂るの墓』しかない。

 エンディングテーマ曲は荒井由実の《ひこうき雲》・・・なつかしい。ひさしぶりに THE BEST OF YUMIN でも聞こうかな。
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『クラウド アトラス』

2013-03-15 23:35:27 | 映画[か]
『クラウド アトラス』


 ウォシャウスキー姉弟&トム・ティクヴァ監督作品。トム・ハンクスやハル・ベリー、ヒュー・グラント、ペ・ドゥナ、ジム・スタージェス、ヒューゴ・ウィービングなどが6役を演じる6つのストーリーコンプレックス映画。2時間50分近くの長丁場だが、長さを感じさせず飽きの来ない作りになっている。19世紀の南太平洋、20世紀のスコットランド、20世紀のサンフランシスコ、21世紀のロンドン、22世紀のソウル、24世紀のハワイ、6つのストーリーが入れ替わり立ち替わり時を超えて進行し、さまざまな人間模様を映し出す。この後どうなるのだろうという楽しみが6倍に増えたようなものだ。

 どのストーリーにも共通して人間の汚れた面がクローズアップして現れる。しかしそれらは映画だからと誇張された特別な出来事ではなく、古来から現代まで世界中で日常的に繰り返されてきた犯罪や裏切りや非人道的な行為に過ぎない。そんな時代の中で運悪く死ぬ者や、運よく生き残る者があるのも当然。主役だから生き残るとも限らない、というか誰が主役なのか、トム・ハンクスが主役だとは限らないし、ハル・ベリーが主役だとも限らない。

 6つの別々な物語が、密接につながっているのかどうかは何だかよくわからないが、それぞれの物語にそれぞれのワクワクドキドキがあり、時代も場所も異なるので混乱することもなく楽しめる。航海記、アクション、老人コメディ、SFなど異なるジャンルで、1本あたり30分弱のショートストーリーを6本まとめて同時に見ちゃったと思えば気が楽である。

 何と言っても一番の興味は、いろいろな俳優がひとりで何役も掛け持ちしていること。イングランドのトム・ハンクスなどは顔を見ただけで笑いそうになる。エンドロールでは各出演者の演じた役が紹介される。え? げ! これもハル・ベリーってか!?? などと驚くところなので、どんなに小便が漏れそうでも最後まで席を立たない方が良い。あ、でも、小便ではしかたないか・・・あ、大便でもいたしかたない。

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『カウボーイ&エイリアン』

2011-10-29 00:39:15 | 映画[か]
『カウボーイ&エイリアン』

 砂漠で目覚める記憶喪失の男、その腕には妙ちきりんなでかい腕輪が巻かれている。彼は一体誰なのか。そうです、変なおぢさんです。

 スピルバーグ、ジョン・ファブロー制作総指揮、 ハリソン・フォードとダニエル・クレイグの共演による変わった取り合わせの映画。変わっているのは対戦相手。エイリアンの相手はシガーニー・ウィーバーと決まっている。や、そうじゃなくて、最先端のテクノロジーやら戦闘機やら、そういうシチュエーションを見慣れているから、ライフル持ってウマに乗ってるカウボーイの敵になるとは思わなかった。日本で言えば『伊達政宗&エイリアン』みたいなもんかな。

 相手がエイリアンということ以外は、チャキチャキの西部劇である。最近あんまり見ないけど、あの独特の雰囲気を持った西部劇がそのまま戻ってきた感じ。無法者が現れたり、飲み屋でけんかが起こったり、砂漠の中の小さな町に漂うアンニュイな埃っぽい空気、さもそれらしいBGMが哀愁を誘う。いいねぇ。いいねぇ。とか言ってるととんでもないエイリアンが現れちゃって大騒ぎ。てんやわんやの大騒ぎ、とか書くと喜劇かと思われそうだが、ヘビーム-ドの西部劇でお笑いシーンは何もない。でも雰囲気最高。

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『コクリコ坂から』

2011-07-17 21:30:45 | 映画[か]
『コクリコ坂から』

 スタジオ・ジブリの新作。コクリコってフランス語でひなげしの花のことだったのか。坂本久の「上を向いて歩こう」の流れる中で学園ラブストーリー。アニメなのでハイテクSFXのような驚きはないが、1963年の横浜の風景は「ALLWAY 横浜港の夕日」という感じでノスタルジー感覚満点。文化部部室がある古びた建物「カルチェラタン」の魔窟っぽい雰囲気も面白い。コロッケは外を歩きながら食べるのが一番美味いということを思い出した映画。

 広子おじさんとかいうからオカマかと思ったら広小路さんだった件は保留。
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