ゆうきまさみ『ゆうきまさみのはてしない物語』(ニュータイプ100%コミックス、1997年)の冒頭で、この作品と『ネバーエンディング・ストーリー』が取り上げられている。
監督の1人ジム・ヘンソンは『セサミ・ストリート』の人形制作者として有名。そして、この作品も基本的にはマペットしか出てこない。もちろん、着ぐるみの中に入っているのは人間だが、主人公たちはマペットだ。
マンガやアニメだからこそ描ける世界があるように、この作品もマペットだからこそ良いのだと思う。最初は違和感があるかも知れないが、すぐに慣れると思うし、終盤でジェン(主人公 男の子)がキーラ(主人公 女の子)(※)を抱きかかえているシーンなんて本当に可憐で美しい。
※公開当時は「キアラ」となっていたそうで、この変更が納得行かない人も少なくないみたい。
話の筋はさほど複雑ではなく、1000年前に3つの太陽が重なった時に割れたクリスタルの欠片を主人公が探しだし、元のクリスタルとに戻すというのが大まかな内容。しかし、シンプルなストーリーの裏側には膨大な設定や世界観が潜んでいることが端々から感じられる。
特典として収められているメーキングの中で監督自身が述べているように、この物語はマペットの創造が先にあって、そのマペットがどんな所に住んでいるか、どんな活躍をさせることができるかという風に膨らましていって作品として結実している。そのため、空想の産物であるクリーチャーが実に生き生きとしていて作品に活気を与えている。
そして、何よりこの作品を素晴らしいものにしているのが映像の美しさ。正確に言うと、色合いかな。実に素敵な色が画面の隅々まで展開されていて見る者をうっとりさせる。
出てくる草木なんかは明らかにビニール製で、その昔NHKが作っていた人形劇で使われていたものと大差ないと思われる。しかし、それが画面の中に見事にとけ込んでいて微塵も作りものっぽさや嘘っぽさを感じさせない。むしろ、この異世界にあっては、かくあらざるを得ずという感じすらする。
一度は見ておかないと損をする作品だと思う。なお、続編 Power of the Dark Crystal が来年もしくは再来年の公開を目指して現在作成中とのこと。四半世紀の歳月を経て作られる続編がどんな作品に仕上がるのか楽しみな反面、やや心配でもある。お願いだからCGを多用した作品にはしないでね。
参考: The Jim Henson Companyのニュースリリース
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監督の1人ジム・ヘンソンは『セサミ・ストリート』の人形制作者として有名。そして、この作品も基本的にはマペットしか出てこない。もちろん、着ぐるみの中に入っているのは人間だが、主人公たちはマペットだ。
マンガやアニメだからこそ描ける世界があるように、この作品もマペットだからこそ良いのだと思う。最初は違和感があるかも知れないが、すぐに慣れると思うし、終盤でジェン(主人公 男の子)がキーラ(主人公 女の子)(※)を抱きかかえているシーンなんて本当に可憐で美しい。
※公開当時は「キアラ」となっていたそうで、この変更が納得行かない人も少なくないみたい。
話の筋はさほど複雑ではなく、1000年前に3つの太陽が重なった時に割れたクリスタルの欠片を主人公が探しだし、元のクリスタルとに戻すというのが大まかな内容。しかし、シンプルなストーリーの裏側には膨大な設定や世界観が潜んでいることが端々から感じられる。
特典として収められているメーキングの中で監督自身が述べているように、この物語はマペットの創造が先にあって、そのマペットがどんな所に住んでいるか、どんな活躍をさせることができるかという風に膨らましていって作品として結実している。そのため、空想の産物であるクリーチャーが実に生き生きとしていて作品に活気を与えている。
そして、何よりこの作品を素晴らしいものにしているのが映像の美しさ。正確に言うと、色合いかな。実に素敵な色が画面の隅々まで展開されていて見る者をうっとりさせる。
出てくる草木なんかは明らかにビニール製で、その昔NHKが作っていた人形劇で使われていたものと大差ないと思われる。しかし、それが画面の中に見事にとけ込んでいて微塵も作りものっぽさや嘘っぽさを感じさせない。むしろ、この異世界にあっては、かくあらざるを得ずという感じすらする。
一度は見ておかないと損をする作品だと思う。なお、続編 Power of the Dark Crystal が来年もしくは再来年の公開を目指して現在作成中とのこと。四半世紀の歳月を経て作られる続編がどんな作品に仕上がるのか楽しみな反面、やや心配でもある。お願いだからCGを多用した作品にはしないでね。
参考: The Jim Henson Companyのニュースリリース