「怖い話」が好きである。
ホラー映画やTVの怪奇特集を見たり、怪談本を読むのも良いが、やっぱり、「怖い話」の楽しみ方としては、気の合う仲間達と集まって、すこし声を潜めて、ひそひそと語り合うのが、一番だと思っている。
話題にするのも何かの本に書いてあった話、TVでやっていた話ではなく、
「あのね、ボクの友達の友達のおじさんの話なんだけれどね・・・。」
と言うくらいの、知り合い何だか他人何だか解らない、微妙な距離に有る人の話が良い。
あまり遠い縁だと嘘っぽくなるし、余り近しい話だと、少し怖すぎる。
そう言う話を、放課後の教室の片隅とか部活後の部室でするのが好きだった。
赤い夕日の差し込む教室で、皆で夢中になって語り合っていると、ふと教室の中に、いつもと違う気配を感じて、みんなでそそくさと帰ったものだ。
で、今日レビューする「花田少年史」が、そう言う話かと言えば、ちょいと違う。
どちらかと言えば、ギャグ路線である。
しかも、設定が昭和30年代中頃。
ギャグのセンスもちょいと「定番の懐かし系」である。
そう書くと、なんだか、先日紹介した「三丁目の夕日」っぽい感じを受けるかもしれないが、個人的には「漫画」としては、こちらの方が良くできていると思う。
なぜなら、この主人公の「一路」少年はじめ、登場人物がより生き生きとしているからだ。
これは、原作の「一色まこと」氏の力によるところが大きいと思う。
もちろん、「動画」にする際に、原作に近い持ち味を引き出した、アニメスタッフも素晴しい。
いや、なんて事を書いていると、ますます、最初の話が何だったのか、と思うだろうが、実は、それがこの話が「三丁目の夕日」と一線を大きく画す点でもある。
そう、この一見やんちゃで何の悩みもなさそうな「一路」は、ある出来事を切っ掛けに、幽霊が見えるようになってしまうのである。
もちろん、舞台となる田舎町に、そうそう邪悪な霊や怨霊が来るわけがない。
この世に思いを残した幽霊達が訪れて、その所為でヤンチャでお馬鹿でまっすぐな「一路」が、好むと好まざるに関わらず、その「想い」を伝えてあげるために奔走しまくると言うお話なのだ。
そして、ここでもキャラ設定が活きている。
ある時は懸命に、ある時はいい加減に、まさに少年のスタンスで、幽霊達の想いを伝えようとする「一路」少年の活躍を見ていると、何だかつい、がんばれと応援したくなって、いつの間にか、物語の中にひきづり込まれるのである。
それは、丁度、あの教室の片隅の怪談話のように、遠い話でもなくさりとて、本当にすぐ隣で起こった出来事でもなく、さりげないリアリティを持って、胸に迫ってくる。
その中のいくつかは、「涙腺注意」の物語もある。
気軽に見れる物語であるが、ついつい引き込まれてしまうが故に、その胸に迫る感動とのギャップが激しくて、つい涙を流してしまうのかもしれない。
これから、年末年始、何かと慌ただしいのだが、正月明けくらいにふっと閑になったとき、家で鑑賞したり本を読んでみるのに丁度良い作品だと思う。
特に、漫画の第5巻として放送後に改めて漫画化された「走れメロン!」と「クリスマスにはグローブを買って」は、涙腺の弱い人は泣きっぱなしになるので、要注意!
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ご無沙汰しています。
全然関係ないコメントでスイマセン。
付録じゃあなくて、頼りないことですが、ブログ作りました。
そちらにリンク張っちゃいましたがお許しくださいますでしょうか。
僕の方もリンクしてくださると嬉しいです。
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相変わらずの亀レスにて御容赦です。
御無沙汰しています。
リンク張らせていただきました。
更新を楽しみにしておりますよ。
今後とも、よろしくお願いします。