前回は緑花だったので今回は紅天狗です。風蘭の花色は基本「白」。そのほかに
色の濃淡はありますが品種数が最も多い「赤」。次いで「緑」種。また黄花もあり
ますが絵の具のような黄色を連想するとそれは全く別物で、ハッキリ言って黄色で
はなくクリーム色が表現として近いかな。私が風蘭を趣味と始めたころは極黄とい
う品種があり、ある店では鳥取産として販売されていたのを思い出します。でも、
それは洋蘭との掛け合わせによる実生種で、このようなハッキリとした黄色は天然
種ではまずあり得ないということでした。
2019.6.16撮影
この写真では伸び始めの為つぼみや茎の色はまだまだ色濃いですが今後伸びるにつれ
つぼみの色の濃さは継続されるものの茎の色については緑の部分が多くなってきます。
他の殆どの赤花はその逆で、軸色は濃いまま伸びていき、つぼみは色濃くても開花すれば薄く
なってしまう。この差が紅天狗の特徴かな。
四国産の赤花です。見比べるために撮影しました。こちらの方が花茎がよく伸びています。
今の時点ではつぼみ・茎には遜色ない色味ですが、開花に近づくにつれつぼみの色が薄すれ
花開けばつぼみの時ほどの色を残しません。
私的には花よりも縞や覆輪種の鑑賞が好きですが、極たまに棚を見に来てくれる方もいらっしゃり、
中には色花の開花を楽しみにしてくれる方も。そのため今もいくつかの花物を残し作っています。
でも、株立ちに加えそれに花芽が多く付いたものが開花すればそれは見事に咲き誇るため、作って
いて良かったと思える瞬間の余韻に浸れますね。