今年も発色の良かった九州産の赤花と地元有田川町の緑花2種です。
赤花は「紅鈴」と仮名されています。花と名の一部に使っている「鈴」の文字との関連はよくわかりませんが赤の発色の良さは
中々のもので、我が家に以前からある紅天狗くらいです。軸の太さや花の大きさは紅天狗を上回り、それでこの色味ですから本種
の方が一枚上手かも知れません。
2023年7月15日撮影
全体に紅をさした花は棚に彩ってくれ、その香りと共に楽しんでいます。
こちらは2種ある有田川町産の一方で葉は非常に細く、小苗の頃は針葉といってもいいくらいに本当に細いです。それだけにボリューム
的には見劣りしますが一方では本種の特長を際立たせる要素となります。根は泥根で花は翡翠程に色濃くはありませんが涼しげな緑花を
咲かせます。和歌山産の緑花に紀州緑宝という紀州富貴蘭会登録種がありますが、それと同等程度の花と思います。趣味者が地元の山野
草店に4芽持ち込み、その内の一芽を譲り受けた平成13年から作り続けそこそこに芽数は増えていますが過去に一芽手放した以外はす
ベて手元に残したまま今も増殖中です。
こちらも平成12年か13年頃に譲り受けた和歌山産の緑花種です。隣町の大工さん宅に所用で立ち寄った際ですが、お部屋にご自分
で採取された本種の開花写真が飾ってあり、翡翠と同等と思えるようなその花色の濃さに驚いたのを鮮明に覚えています。当時「宝錦」
の良柄が一芽3万~5万円位していましたが、手元の良柄3本立ちの宝錦を携え交換をお願いに伺い、譲り受けたものです。ただ我が
家では当時に見た写真ほどに色濃く咲いたことがありません。でも先の緑花程度に色付くので、その涼しげな花色は十分楽しめます。
また、泥軸・泥根の本種は先のものとは全く容姿が異なり、葉はやや細めではあるものの棚でも目を引く位に大きく育ち、そのボリュー
は他の大型種を圧倒するほどです
いつものことながら、大きさ比較のために翠宝との並べ撮りです。
葉幅は到底翠宝には及びませんが葉の長さはひけをとらないどころか翠宝を上回っているようです。
本種の花の特徴ですが、色味は差ほど強調する程のものではありません。しかし、僅かな視点ですが舌のところから左右に展開する
2枚の花びらが白と緑のツートンカラーになっており、本種の特徴を主張する一点となります。
ここしばらくは一本足りとも本種を手放してはいませんが以前に大株一鉢と数本立ち数鉢など、総じて二十数芽を手放しています。
でも、某オークションなど眺めていてもその姿を見ることなく、何れも誰かが手元に置いて大事に育ててくれているんでしょうね