紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「人形はこたつで推理する」我孫子武丸

2005年04月21日 | あ行の作家
久しぶりの我孫子さん。短編は読んだことがなかったので、
選んでみました。前からタイトルは聞いていたのですが、
古本屋さんではついに見ることがなく、新書で買いました(笑)。

腹話術の人形・鞠小路鞠夫を操るのは、朝永善夫。
新人保育士・妹尾睦月(通称おむつ)の勤める幼稚園で出会った
2人(3人?)は、園で飼っていた兎が死んだ事件を皮切りに、
さまざまな“謎”を解明していきます。

せの“おむつ”き、から「おむつ」と呼ばれる睦月。でも、睦月を
ひらがなにすると、それだけでおむつの意味じゃないですか(笑)。
まあ、それはいいとして。

ちょっと情けないよしお(ひらながで呼ばれてます(笑))に
同情しつつも、鞠夫が面白くて、楽しく読みました。短編4作が
収録された連作集なのですが、最後の4話「人形をなくした腹話術師」は、
正直ちょっとしんどかったです。あんな軽いノリで始まったはずなのに、
なぜ?(^^;)とか思いましたもんね。一応ハッピーエンドで終わってますが、
でも実は、根本的なところでは何も解決されていないような気が(笑)。
きっとそれは、後に続くシリーズで解決されていくのでしょうね。
引き続き読んでみたいと思いました。


人形はこたつで推理する」我孫子武丸(講談社文庫)