紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

『マレー鉄道の謎』有栖川有栖

2005年09月27日 | あ行の作家
オンライン書店ビーケーワン:マレー鉄道の謎マレー鉄道の謎』有栖川有栖(講談社文庫)


久しぶりの火村センセ!(笑)、いや、国名シリーズ!
今度は長編です。長編の火村センセも久しぶりなのです。

カバー裏にあらすじが書いてあるのですが、今回のあれは
ちょっといただけない。終盤にならないと出てこない事柄が
書かれてあるので、読みながら「あれ? まだ出てこない」と、
気にしながら読んでしまうのですね。それが残念。
まあでも、私にそんなことは関係なく、最初っから最後まで、
たっぷり火村センセを堪能させていただきました(^-^)。

内容に関してはですね、一言で言うならば、トリックは御手洗級?(笑)。
今回、火村センセとアリスは、大学時代の友人でマレー人の大龍(タイロン)に
誘われて、マレーの楽園、キャメロン・ハイランドを訪れます。
そこで事件に巻き込まれるわけですが、前半は、ゆーったり旅を楽しんでます。
しかも2人っきりで!(笑)。もう、読みながらヨダレが出ます(嘘)。

何がいいんだろうなあ。改めて考えてみると、火村センセのどこに惹かれるのか、
自分でもよく分かってなかったりします。ただ、火村センセにはアリスが
欠かせない。口を開くと、どんなに深刻な場面でもほんわかさせてしまう
アリスですが(笑/だから最後の謎解きのときには口を開かないのでは?)、
そういった不思議な優しさ・柔らかさが、頑なになりがちな火村センセの心を
いい具合に解きほぐしたりするんでしょうね。随分身勝手な解釈ですが(笑)。
そういうアリスがいつも必ず側にいてくれることを知っているから、
火村センセだって、“悪”と、そして“心の闇”と戦うことができる…。
そんな気がします(^-^)。まあ、本格ファンにとっては、この2人の関係、
2人の掛け合い漫才(笑)は、おまけでしかないのでしょうが、私にとっては、
最後の最後にならないと解かれない謎の方がおまけだったりして!(暴言!)。
まあ、このシリーズに関してはとくにそうかもしれません(にっこり)。