紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「子猫探偵ニックとノラ 「ジャーロ」傑作短編アンソロジー」

2005年04月21日 | アンソロジー
春先に読んだ作品なのですが、花粉症と猫アレルギーが相まって、
(猫が出てくる物語を読むだけで症状が出るわけはないんですが)
なんだか“苦しかった”という感想を持ってしまいました(笑)。

--父親の名前はサム・スペンサー。となれば、
その子どもたちの名前はニックとノラがふさわしい--

…その辺(↑)実はよく分かってないんですけど(^^;)。
猫好きにはたまらない1冊なんじゃないでしょうか。
どれを読んでも、どこを見ても猫だらけ(笑)。
帯には“猫ミステリー”とありましたが、どちらかというと、
本格は少なく、サスペンスやミステリーじゃないものもありました。
訳者のせいもあるんでしょうが、読みづらいものもちらほら…。

そんな中で、面白く読んだのは「フランケン・キャット」ダグ・アリン。
お金持ちの奥さんを持った獣医の夫は、妻の交友関係にはまったく
目をつぶった状態。積極的に関わるつもりはなく、獣医の仕事に
精を出していたのですが、ある日、雑用係に雇い入れた男が
妙なことを言いだし…というお話。男の哀愁漂うミステリーでした。

それともう一つ「賄賂」キャロリン・ウィートは、猫にメロメロな
人たちが面白い(笑)。もともと猫にメロメロな人たちは、これ以上ない、
というくらいメロメロに、それほどでもない人だって、読みながら
メロメロになっていく、メロメロなお話(笑)。これはミステリーでも
何でもない、ただの猫好きのためのお話だと思うんですけど(^^;)。


子猫探偵ニックとノラ 「ジャーロ」傑作短編アンソロジー」(光文社文庫)