紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「妖魔の森の家」ジョン・ディクスン・カー

2005年01月24日 | さ行の作家
ポアロは大丈夫なのに、なぜH・M卿はダメなのかが謎(笑)。

「妖魔の森の家」「軽率だった夜盗」「ある密室」
「赤いカツラの手がかり」「第三の銃弾」の5編収録。
どれも、“以外な真実”という点で共通していると言えますが、
謎やそのトリックはすべて違う。それが素晴らしいですよね。

お気に入りは「軽率だった夜盗」。フェル博士ものです。
富豪ハント氏の家に集い、ポーカーに興じるのは美術商のロルフ氏と
美術評論家のヘンダーソン氏。1階にあり、大きく窓の取られた
その部屋には、本物の名画が飾られている。そしてその夜、
夜盗が忍び込むのだが、倒された犯人はなんとハント氏!

今振り返ってみても、なぜこれがお気に入りなのか分からない(笑)。
だって、すぐにトリックは分かってしまうし、
フェル博士は初めて読むのでキャラ萌えでもないし、
でも、とてもこの雰囲気が好きなのです。
「妖魔の森の家」のおどろおどろしい雰囲気も嫌いではないのですが、
あれは、その雰囲気と謎とトリックがあまりしっくりこなかった
ような気がします。H・M卿も原因の1つかと(笑)。
もう1つのフェル博士ものは「ある密室」。こっち謎は、
内容はそれほどでもなかったけれども、とても楽しめました。
なんだか自分でもよく分かっていないのですが、
どうやら私はフェル博士が好きなようです(笑)。


「妖魔の森の家」ジョン・ディクスン・カー