紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「水車館の殺人」綾辻行人

2005年01月20日 | あ行の作家
館シリーズの第2作目。
やっぱり、「十角館」ほどのインパクトはなく(笑)、
途中でなんとなく分かってしまった部分もありました。
でも、それで面白さが半減するとかいうわけではなく、
解説で有栖川有栖が書いてあるんですが、このシリーズの
魅力のひとつは、やっぱりあの“雰囲気”なんだと思います。
中村青司という人の得体の知れなさ。
それに対抗するのは、かの島田潔。なんか軽いぞ(笑)。
余談ですが、島田潔という名前を見る度に、
必ず思い浮かぶ人物がいるのですが…(笑)。
みんな多分、同じ人を思い浮かべるんじゃないかと思いますが。

古城を思わせる「水車館」には、仮面を被ったまま生活する主がいる。
1年に1度だけ、訪れることを許された人たち。
1年前に起こった事故以来、初めて他人を迎える“館”で、
再び、惨劇の幕が開こうとしていた……。

どこかのサイトに書いてあったんですけど、
「平面図は、トリックの解明に役立ちません」と(笑)。
ま、建築家・中村青司設計の館、ですからねえ。
ただ、今回の平面図、どこかで同じようなモノを見た気がします。
丸いのと四角いのとで、形が違うんだけど、
「六人の超音波科学者」森博嗣の土井超音波研究所。
これはとくに、登場人物に似た境遇の人がいたから
余計に印象強く残っているのかもしれません。

それにしても、アリスの解説は熱かった(笑)。


「水車館の殺人」綾辻行人