紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

『黒後家蜘蛛の会2』アイザック・アシモフ

2005年08月30日 | あ行の作家
オンライン書店ビーケーワン:黒後家蜘蛛の会 2黒後家蜘蛛の会2』アイザック・アシモフ(創元推理文庫)

黒後家蜘蛛の会1』を読んだ後、随分間が空いてしまいましたが、
楽しく読みました。結局、『黒後家蜘蛛の会』というのは“お約束”の
宝庫だと思うのです。その“お約束”をいかに楽しむか、
いかに楽しませてくれるか、という、その辺を楽しみにして読みました。

基本的に、モノを知らない私なので(笑)、どういう方面の話が出ても
ホントに分からないのですよ(^^;)。だから逆に、真っ白な心で
楽しめる、という利点はあるかもしれないのですがね。でも、
こんな私でも、心底楽しめるように語ってくれるアシモフという人は、
やはり優れたストーリーテラーだと思うのです。しかも、どれも
こんなに短いのに!(笑)。こんなに短い物語の中に、魅力的な謎と、
そしてこれまた鮮やかな謎解きが盛り込まれているなんて、
ホント、素敵な作品だなあ。また、作品それぞれに作者の簡単な
あとがきがあるのですが、それも面白いのです(^-^)。

今回も12の謎が鮮やかに解かれていくわけですが、中でも
面白かったのは、「鉄の宝玉」。宝石商のゲストが語る祖父の宝物の
話なのですが、このネタはですね(ネタというかトリックというか(笑))、
違うところで見たことがあったので、逆に私にはとても面白かったです。
そして何より「終局的犯罪」。シャーロキアンが何を題材にして論文を
書こうか悩んでいる、というところから始まるのですが、
ものすごいオチ(オチというか解決というか^^;)が待ってます。
最近気づいたのですが、暗号系と理論が勝ちすぎる謎解きというのが
苦手なのですね、私(笑)。なので暗号(のようなもの)を解く
「東は東」はちょっぴり楽しめなかったのですが、こういうお話が
好きな方も多いかと思います。それにしてもこの1冊には、いろーんな
タイプのミステリーが詰め込まれているんだなと、改めて驚いてます。