ゆうき野菜は難しい

ガーデニングから本格農業・家庭菜園など安全な栽培方法について、営農指導員が質問・疑問にお答えするブログ

ナスが育たない…

2005-05-22 00:27:30 | TB21で安全な病気対策
今日、お店に「ナスの育ちが悪くて…」というお客さんが来ました。

よくよく話を聞いてみると、最初は順調に育っているのですが、だんだん樹勢がなくなり、最終的には病気になってしまうらしいのです。
ナスは肥料をたくさん吸収すると聞いて、堆肥と鶏糞をたっぷりいれているんだけど、もう数年同じ減少が続いているそうです。

原因はなんでしょう?

答えはたぶん鶏糞です。

鶏糞は、それをきちっと完熟発酵させれば大変良い肥料になるのですが、発酵が充分ではない場合、実は病原菌が残留する可能性があるんです。

鶏糞などの中に含まれる窒素分を餌にした有効微生物が、窒素分を分解する過程で熱を発っして発酵します。熱で雑菌や病原菌を殺してしまうため、安全な堆肥ができあがるのです。

しかし、この発酵に必要なものがもうひとつあります。それは「空気」です。

有効菌は酸素を必要とする好気性菌が多いため、空気を必要とします。
そのため、切り替えし(混ぜる行為)が必要となり、完熟堆肥(ほとんど雑菌がいない状態)となるまでには、約7-8回の切り替えしが必要です。

実はこの作業が結構手間で、結局鶏糞などは山にしておいて、1回発酵させて終了させてしまっていることが多いのです。
パッと見は乾いていて完熟しているように見えるのですが、実は中には雑菌が残っており、それが畑の中に持ち込まれると、結果として作物が病気になってしまいます。

今回のケースは、完熟していない鶏糞を数年にわたって入れてしまった結果、病原菌がたくさんいる畑になってしまったと考えられます。

こういう場合、うちではTB21エースを使って病原菌を抑制する措置をとります。


TB21エースの主成分である『MS-01菌』が、畑の中に残留している雑菌を抑制してくれます。

今回は、もう畑にナスを植え付けてしまっていたので、畝に直接TB21エースを撒きましたが、本当は畝を作る際に混ぜ込んでしまったほうが効果が高いです。

来年は、最初からTB21を投入するそうなので、徐々に病気の少ない畑に変わっていくと思います。


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