声楽家PRIMULAさんの音楽雑談

演奏会の報告・お知らせなどを主に掲載していきます。日々の音楽観なども加えていきたいと思います。

フランス歌曲の核心

2014-08-04 19:54:12 | フランス歌曲研究会
昨日は二期会のフランス歌曲研究会の例会でした。

今回初めて国立の秋山先生のご登場でした。

ショーソンとデュパルクがテーマ。

リサイタル直後で疲れていたので

聴講に回りました。

どんな感じなのかな?

と思っていましたが、心配はすぐに吹き飛び、

楽しく過ごすことができました。

先生の優先順位は、歌う方が最大限に自分を、

自分の気持ちを最大限に膨らませて表現できること。

その先に発音とか、発声の問題とかがあるのだと、いうお話でした。

そして、フランス歌曲には、政治も経済も、関係ない。

道徳さえも必要ない。ただ、“愛する心”を表現できれば良い。

というお話があり、とても心に残りました。


そうか・・・その辺がドイツ歌曲とは違うんだな・・・・と

ドイツ歌曲はとかく、深く innigな方向へ入っていくことが求められます。

人間の内面、そしてその奥へ・・・

それは、喜びとか悲しみとか、孤独とか、そういった表面的な心情を超えた、

深い深い森の奥、光の差し込まないところ。。。。


それぞれを表現するのに、どういうやり方があるか?

どちらがより効果的か?

その時々で少しずつ変わってくる。当然変更する。

そんな感じで進んでいけばいいのだ。

ということもよくわかりました。

とかく日本で勉強すると、正しい形があってそれにハマらないと。

という気持ちになってしまいます。

正しさというものは、Standpunkt によって変わるもの。

見る方向が違えば、見える景色も変わるもの。

結局、発声の問題ってそんなもんなんだ。

ということだと再認識いたしました。

ただ、のど声で歌ったら、すぐ壊れてしまうということも

現実ですから、皆様ご注意くださいね。