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英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

Don't panic!

2006-05-19 | イギリス
「SOSタイタニック~忘れえぬ夜~」(1958 イギリス映画)

昨晩BSで放映されたこの映画を不覚にも鑑賞してしまいました。故に眠いです。
たぶん子供時代に一度観た記憶はあるのですが、あらためて感動しました。
ストーリーはドキュメントタッチで淡々と進み、短時間の内に静かに沈んでいった惨事が史実として伝わる数々のエピソードを交えて語られます。
衝突で砕けた氷山の欠片で遊ぶ3等船室の乗客、沈むと宣告する設計技師、届かない無線、電力を最後まで供給しようとする機関員、初めて使われたSOS、5分ごとに上げられる信号弾、目視できる近くにいながら信号を無視するカリフォルニア号、無線を受けながらも「遠すぎる」カルパチア号、絶望的に足りない救命ボート、女性・子供の優先を徹底する左舷担当ライトナー2等航海士、死を静かに受け入れる紳士たち、最後まで演奏を続ける楽団員、誘導すらされない3等船室の乗客達、浮かべられなかった折り畳みボート、「遅すぎた」カルパチア号の到着・・・・。

イギリスのパブリックスクールでは昔から、どんな時でも「パニックにならない」という教育がなされていると聞きます。船上で悠然と最後の時を迎えるイギリス紳士と最後までサービスをやめない従者たち・・・。私だったらどうなるでしょう。
最近、会社でも若い人達で、ちょっとしたトラブルや仕事の重なりでパニックに陥る人が多くみられます。カルシウム不足だけの問題じゃないと思うのですが・・。

CGなんてない時代、船の外観は模型丸見えですが、ディカプリオくんのかったるい恋物語がない分、むしろキャメロン版よりもこの惨劇がリアルに胸にせまってきた映画でした。