英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

鞆の浦

2009-06-28 | 日常
鞆の浦に行ってきました。
ポニョの舞台として、また架橋による景観破壊問題と騒がれておりましたので、さぞかし混雑してるのかと思っておりましたが、いつもの静かな鞆でした。


雁木が今も残る船着場


常夜灯側からみた景色


一筋入ると狭い路地が迷路のように
ベネチアに似ています(行ったことないけど・・・)


重要文化財指定の大田家住宅
名物「保命酒」を造っていた酒屋跡です


なんともレトロな喫茶店
もとは床屋さんだったということ


浪速千栄子さん
オロナインの宣伝に起用された理由が、
本名が「なんこう きくの」だったからということ・・・


悲恋伝説のささやき橋
(車高の低い車はお腹を擦ります)


「ボケ」にも「有髪」にもちょっと引かれるものが・・・


坂道も魅力的


「暮らし」が感じられる路 でもすごく静か


江戸時代、朝鮮通信使から日東第一景勝と言われた
「対潮楼」からの眺めです
向うの弁天島を望む景色が額の中に納まって良い感じ





どこか猫バスに似ているボンネットバス
もちろん現役です



今度は秋にでも行ってみましょうか。








マイケル・ジャクソン

2009-06-27 | イギリス

ロンドン公演、幻になりました。
マイケルは・・・・ これが一番好き。
クィンシージョーンズの臭いプンプンなのがいい。



ダブルジャケットの表紙を広げると全身が・・・・
足首が光ってますね。


この後の「スリラー」は飽きるほどMTV見せられたから・・・・


思い出しました。
マイケルのパロディビデオを。
やってたのはヤンコビック。





朝顔から元気をもらう!

2009-06-23 | 日常

我家の狭いベランダで朝顔が育っています。小学一年生がいる家ではお馴染みの風景。
芽が出てしばらくは娘も観察していましたが、今ではメダカといっしょで水やりはもっぱら私が・・・・・。
立てた棒につるも巻きつき、ぐんぐん育っているなあ・・・と、時々見ていましたら・・・・。とうとう育ちの一番早い先端が棒の先頭まで登りつめちゃって20センチちかくが横に垂れ下がっています。
数日そのままにしていたのですが、もっと上に行きたいのかな?と棒の先に荷造り紐を結んで上にある物干し竿に紐を渡してみました。そうしたら!上への道が開けた途端、ぶらぶらしていたツルの先端が明らかに意志を持って動き出すのです。一見すると風に揺られている様なのですが、だんだんと紐の方向に自分を摺り寄せていくのがわかります。
「みんな見てごらん!」と家族でしばし凝視。「どうしてひもがついたのがわかるの?」と娘。「眼があるみたい」と家内。
約30分でまきつけるポジションまで角度を変えてしまいました。その2時間後の状態がこの写真。夕方なので暗いですが、完全に巻きついています。
やっぱ植物には不思議なパワーがありますね。
ちょっと上昇志向に疲れていた毎日だったので、少しだけエネルギーをもらった出来事でした。





アイルランド移民

2009-06-20 | 日常
たくさん生まれたメダカたちですが、移民計画が着々と進んでおります。これまでに7家族が受入れを表明していただき、5匹~20匹それぞれもらわれていきました。いつも食卓に置いてお父さんがビールを飲みながら楽しんでるとか、おばあちゃんが昔飼っていたらしくとても喜んでいるとか、嬉しい便りも届いています。
我家の水槽は突然水コケが大量発生したりしましたが、今は比較的落ち着いています。
気温が上がって来たので、もうちょっと数を減らせないかなあ。



本日の水槽の様子です。
水草がかなり弱って来ていますね。
手前の虫眼鏡は観察用。歯ブラシはコケ取りに使っているものです。

あれ?!上のほうに何かがいますよ。



釣りをしているやつがいますよ。
どこから入ってきたのでしょうか。
油断も隙もありません。







哀しいけど、心地よい・・・

2009-06-17 | イギリス

カズオ・イシグロ「夜想曲集」

カズオ・イシグロの珍しい短篇集。副題の「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」の通り、音楽と男女が絡むお話が集められてます。
出てくる男女はどれも微妙な緊張感を漂わせています。突然豹変する女に戸惑う男ども・・・・。
どの作品も派手さはなくどちらかというと地味な部類ですが、その分しっとりとした、(時にコミカルですが)、こなれた文体でそれぞれの「夕暮れ」を映し出していきます。

・ 「老歌手」
 舞台はベネチア
・ 「降っても晴れても」
 ロンドンのフラット
・ 「モールバンヒルズ」
 エルガーゆかりの美しい丘陵地帯
・ 「夜想曲」
 ハリウッド超高級ホテルの秘密のフロア
・ 「チェリスト」
 アドリア海に面する某イタリア都市





花のスケッチ大会

2009-06-16 | 日常

ちょっと前になりますが、
地元新聞社が主催するスケッチ大会に娘が参加しました。
会場は植物公園。例によってなかなか描く物が決められない娘ですから、あっちをうろうろ、こっちをうろうろ・・・・。で、ようやく決めたのが、よりによって難しそうな大温室に咲くカトレアです。



私だったらこういうシンプルなモチーフにするのですが・・



なかなか描き上がらないので、ちょっとバラ園を見学に・・・

こうやってじっくり眺めると
バラって複雑な構造をしていますね


アイスクリームみたいだね





だってロンドンって書いてあったじゃん・・・

2009-06-14 | イギリス

リチャード・フラナガン「姿なきテロリスト」

うーん・・・・。久方ぶりに完全失敗の読書でした。
冒頭の一節で
「愛が十全ではないことを理解し、周囲の人々の未来を拓くために自らの命を犠牲にすることを受け入れた点において、イエスは歴史上初の、しかし最後ではない、自爆テロリストの一例なのだ。」
とくれば、タイトルからもテロの本源に踏み込む新たな世界観を与えてくれると期待したのですが・・・、違いました、私が悪うございました。
9.11以降、より日常のものとなったテロリズムの恐怖。いつ自分が、家族が巻きこまれるのかという不安感をもっと進めて、あるひ突然自分がテロリストとされてしまったら!というのが本書の筋書き。主人公はストリップバーで働くダンサー。夜を共にした男が、テロの容疑者だったもんだから・・・・。その日から始まる逃避行。追い討ちをかけるTVレポーター、責任を絶えず回避しそのくせ点数稼ぎがしたい治安当局・・・・・。唯一この事件に疑問を抱くギリシャ人警察官の声は無視され、彼女は最後の手段に出る・・・・。
あらすじだけ見ると、「逃亡者」や「二キータ」みたいな映像化が期待できそうなのですが、とにかくページを繰るのが億劫、億劫・・。風光明媚なシドニーの街の陰の部分や、今だはびこる人種差別などをまぶして単なるエンターテイメントじゃない!と言うのは分かるのですが・・・・。
面白くないから読了にやたら時間がかかってしまいました。なにか美味しいチラシ寿司に仁丹が入っているような読後感です。完敗!
そもそも帯びに入ってた「ロンドン」という文字に騙された私が悪いのです。





1984年に戻ってみたい?

2009-06-08 | 日常

めずらしく朝会社へ行く電車で座れた。ラッキーな始まりじゃわい、とカバンから読みかけの本を取り出そうとして、ふと隣の女性をうかがうと・・・・、やっぱり同じ本です。隣同士同じ本を読むのは、ちょっと照れくさいので、そのまま本を引っ込めたのですが・・・・・・・・。その女性を観察していると、何ともイライラするのです。1ページ読んだかと思えば、携帯をもてあそんでみるし、また1ページ読んだかと思うとバッグに仕舞って・・・・次の瞬間また出して読み始めて・・・・。「姉ちゃん、どっちかにせんかい!」と叫んでしまいそうでした。

村上春樹「1Q84」

冒頭から村上節が炸裂します。いきなりタクシーの中で流れる音楽はヤナーチェクの「シンフォニエッタ」。「羊をめぐる冒険」では、車の中ではバッハの無伴奏チェロ組曲が静かに・・・・だったのに。ヤナーチェクとは、いきなりの先頭打者バントヒットです。天国のヤナーチェクさんも突然2009年の日本で注目されるとは、可笑しいでしょうに。でもこのヤナーチェクの音楽テーマが一つのライトモチーフとなり、繰り返し再現されるのですね。そのテーマとは「解放」。
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」以来お得意のパラレルな進行で紐解かれる2つの物語は、どこかでシンクロするはず、という期待を読者に抱かせながらも、そう簡単にはネタを明かしてはくれません。必殺仕事人にオウムにヤマギシ、文学賞捏造にDVに怯える女性達・・・。
後半、ホテルオークラのスイートルームで語られる展開は難解。カラマーゾフの兄弟よりも・・・難解・・。事件はよりミステリアスに刺激度を増し、セックスはより大胆に飽きることをしない。かつてのあの牧歌的な1984年は、何物にも無感動となった2009年というメガネを通して新たな意味を吹き込まれていくようである。
再生なのか、はたまた長い自分探しの旅の始まりなのか・・・・。
取り残される多くの登場人物と、それに比例する残像のような読後感です。
「カラマーゾフの兄弟」と同様、「続き」の存在が「ある」のか「ない」のか。

全国的に品薄となっているこの作品。この状況がもし演出されているとしたら・・・・。小説以上に怖い怖い・・・。それ以上に怖いのが電車で隣に座った女性が同じ本を読んでいる光景・・・。怖い怖い。







メダカの学校やってます

2009-06-03 | 日常

4月の末、GWの直前、何気なくメダカの水槽を観察していると・・・、4匹のうち2匹のお腹に卵が付いているじゃないですか。そして沈めている人工水草を見ると、そこにも卵が・・・・たくさんあるじゃないですか・・・。
すぐにネットで対処法を調べると、とにかく親から離さないと食べられてしまうと書かれています。とりあえず、釣りの時に使う発泡スチロールのクーラーに水を入れて、卵が付いた水草を移します。果たして無事に孵るのか・・・・・。
GWの帰省から我家へもどり、恐る恐るクーラーを覗いてみると・・・・・・・、ギョエー、目を凝らさないと見えないけれど、たくさんの稚魚が泳いでいるじゃないですか!それから毎日10匹単位で増えていって、たぶん100匹以上が・・・・・。生まれてみると育ててあげないといけません。発泡のクーラーで育てるのも見映えが悪いので、ペットショップ「アミーゴ」に行っちゃいました。親メダカの水槽よりはるかに大きい水槽(水を浄化するフィルター付き)、底に敷く砂利、水温系などを購入し、まずは赤ちゃんメダカが暮らせる環境づくりです。3日後、水が安定したところで100匹の赤ちゃんメダカのお引越しです。紙コップですくっては水槽に移す繰り返し・・・・、ちっちゃいのでなかなか上手くすくえません。全員移すのに1時間もかかってしまいました。
それから約1ヶ月。水槽には酸素補充のため水草を植え、水草の光合成を促すためにライトも購入(だんだん深みにはまっていく・・・)。自然淘汰と、20匹はご近所にもらっていただいたので現在約70匹程度が泳いでいます。先に生まれたメダカはだいぶ大きくなり、ちゃんと親と同じ形になってきました。でもこの水槽で大きくなったメダカ70匹はシンドイよね。里親を真剣に探さなくてはいけませんね。
親メダカはその後も産卵を続けています。(毛糸を入れると、その毛糸に産み付けます) さすがにこれ以上子供はいらないので、そのまま食べられるにまかせているのですが。
自然界だと生き残る確立はかなり低いはず。一生懸命卵を産み続ける親と、やはり一生懸命小さな身体で泳ぎ続ける子供にちょっと感動です。

最近は、水温の上昇を抑えるという「ジェットファン」が欲しいなあ・・・と思う毎日です。

お仕事さぼって・・・

2009-06-01 | イギリス

ケン・フォレット「大聖堂―果てしなき世界」


「読んだぞ!」というのが率直な言葉。
前作「大聖堂」から18年の時を経ての続編です。物語の時代はだいぶ下って14世紀に。羊毛市で賑わうキングスブリッジの大聖堂は所々傷みが目立ち始め・・・・。
教会と世俗、修道院と女子修道院、親方と弟子、兄と弟、姉と弟、夫と嫁、男と女、男と男、領主と領民、農民と労働者、イギリスとフランス・・・・。あらゆる対立軸で構成される物語は仕掛けがいっぱい。冒頭すぐに埋められる?タイムカプセルの行く末も心配ですが、これでもかと続く陰謀、野心、裏切り、憎しみ、事件、事故に、少々たじたじとなりながらも、やはりページをめくってしまうのです。全体を貫く大きなテーマは「自立する女性」。男性の所有物とならない「結婚」なんて、はたして実現できるのでしょうか。
14世紀のイングランドの王様はエドワード3世。フランスとの100年戦争が有名です。1346年のクレシーの戦いでは、イングランド軍のロングボウ部隊を逆V字型に据えた陣容が、統制の取れていないフランス軍の重騎兵隊を壊滅させたのでした。このエピソードももちろん登場。
そして、ひたひたと押し寄せるあの「疫病」。あらゆる階級の人間に平等に起こる悲劇が国中を何度も襲います。
3巻あわせて約2000ページのボリューム。若干の中だるみもありますが、下巻を読むときは会社の来客用会議室に1日立て籠もっての読了でした。(みんな、ご免!)
肝心のタイムカプセル・・ですが、ちょっと開ける時期が遅かったかな?まあ、歴史を変えるわけにはいきませんから、仕方が無いことか・・・。
ちなみに前作を読んでなくともまったく問題ございません。