英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

豆田町散策

2010-11-24 | 日常


この日は出不精な家族を諦め一人でドライブに。
目指したのは一度行きたかった日田市にある豆田町。
昔の町並みが残る懐かしいエリアをぶらぶらして来ました。

豆田町のイラストマップはこちら→



車はもちろん通れますが、ここでは人が最優先



重要文化財に指定されている草野本家



レトロな軒先でレトロなお店が



3階建ての洋館は歯医者さん



路地の奥はお蕎麦屋さん



ここは羊羹屋さん



ここは饅頭屋さん



喫茶店の外壁には町の地図が描かれている



この堂々とした建物は薫長酒造



酒蔵見学や試飲ができます



美味しそうなものも沢山見つけたので
今度は家族で来てみよう




お袋さんは気づいていた?

2010-11-10 | イギリス

ポール・アルテ「殺す手紙」

戦後間もないロンドンが舞台。主人公ラルフのもとへ昨夜飲んだばかりの友人から手紙が届きます。読むと奇妙な依頼が。それは指定された小屋に、指定された時間に出向きランプを灯すというもの。その後の行動も詳しく指示されています。冗談かと思ってみたものの、文面に何か切迫したものを感じたラルフは急ぎ小屋へと車を走らせます。何とか指示通りに行動すると、ある屋敷で催されているパーティで著名な諜報部員として紹介されるはめに・・・。
この主人公、何か素人っぽくありません。銃も手馴れているし、身のこなしも結構機敏です。それに胆もすわっています。
テンポ良い展開と明かされる過去。小粒な作品ですが疲れることなく楽しめます。

ハヤカワ・ポケットミステリーの表紙が変わりましたね。この作品は全面ブラック。段組も2段組から1段に。






毎日が行き詰ったら・・・

2010-11-01 | イギリス

ジェイン・オースティン「ノーサンガー・アビー」


オースティンが最初に手がけた長編小説。出版社が原稿を買い上げたにも係わらずすぐには出版されず、彼女の死後になって刊行された作品です。
当時流行しオースティン自身も読みふけったというゴシック小説のパロディと言われるこの作品。冒頭、主人公キャサリンが、そのゴシック小説にありがちである特異な生い立ちや、秘密めいた境遇をまったく持ち合わせてはおらず、ごくごく平凡な女の子であると紹介されます。ここに若きオースティンの並々ならぬ自信が感じられて微笑ましくなります。どんな普通の女の子でも、自分が描けばちゃんとした面白い小説になるんだ!という自信ですね。そして「たかが小説」とよく言われる風潮に反発し、「小説」を書く作家の地位向上をこの作品の中でも強く訴えかけています。
物語は大きく前半後半に分けられています。前半はキャサリンがバースを訪問し、そこの社交界に顔を出し始め、ヘンリーと出会い恋に落ちるまで。後半はヘンリーの実家(ノーサンガー・アビー)に招かれ、そのアビー(僧院)という名前から空想たくましく屋敷に隠された秘密にドギマギしちゃう日々が描かれます。そしてラストは急転直下キャサリンは奈落の底に落とされることとなるのですが・・・・


ゲゲゲの鬼太郎の歌詞じゃないけれど、
学校も試験も、会社も仕事もないオースティンの世界は、病んだ現代人をちょっとだけ癒してくれるのです。と、言うか、オースティンが読みたくなったら、その人は相当毒素がたまっている証拠ですよ。ご自愛ください。