英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

7人のアナーキスト

2009-02-24 | イギリス

G・K・チェスタトン
「木曜日だった男  一つの悪夢」

まさに悪夢のような、白昼夢のような物語。
終末なのか、はたまた創世なのか。
スコットランドヤードの密偵として、危険極まりない無政府主義者の会合に飛び込んだサイム氏は、首尾よく木曜日となり、レスタースクエアに隣接するホテルのテラスで圧倒的な存在である「日曜日」と対峙する。
誰が味方で誰が敵・・・・。日曜日って何者なの?
どんなに走っても必ず追いてくるよぼよぼ爺さん。
平原の彼方からひたひたと迫る邪悪な集団。
動物園から飛び出し、ロンドン市街を爆走する「象さん」。
頭が痛くなる・・・でも面白いお話です。
子供は手に取らない方が賢明かも。
悪夢を楽しむ大人の読書・・・です。





お取り寄せ

2009-02-23 | 日常

お気に入りの越乃景虎です。
今回のお取り寄せは、その梅酒。
清酒ベースの梅酒は甘さ控えめで「うまい!」です。
酒が一滴も飲めない家内も、これだけは「おいしいね」だって。
いつも品薄でちょっとしか買えないのが残念なところ。

パリも素敵!

2009-02-22 | 日常

中川酔いどれ大臣のパフォーマンス。久々にツボにはまってしまいましたよ。2月がまだ終わらない内に09年度主演男優賞が決まっちゃったも同然か。いっそゲロでも会場でぶちまけていたら、100年に1度どころか世界史の逸話として人類の記憶に留めていただけたものを。でも、最終電車なんかに、けっこういますよね、ああいう人。私もショットバーを梯子して午前1時ごろの状態は同じようなものです。
さて、「グレート・ギャツビー」で有名なスコット・フィッツジェラルドも酒に弱く、醜態をさらすことが多かったようです。

ヘミングウェイ「移動祝祭日」

ヘミングウェイの遺作とも言っていいこの作品。1920年代、パリを活動の拠点としていた時代、最初の奥さんハドリーと暮らし意欲的に著作に打ち込んでいた時代の回想の物語です。もちろん30年前の思い出を書くわけですから、ヘミングウェイ自身に都合が悪い点は整理されての記述かと思いますが、パリに才能を集結させた多くの作家、画家たち、そしてパトロンたちとの交流が彼独特の好き嫌いの観点から描かれていきます。一番多くページを割いているフィッツジェラルドとの距離感のある友情の箇所は、多分発表当時物議を醸したはず。酒で豹変するフィッツジェラルドの情けない言動も面白いですが、妻ゼルダから一物が短小だと言われ自信をなくす彼を励ますために、二人してルーブル美術館の彫像を観察にいく場面もなかなかなところ。他に画家パスキンとのカフェでの出会いなどパリに息づく綺羅星の面々が詳細な訳注とともに明らかになります。
様々な文学作品を精力的に読破していった当時のヘミングウェイですが、「カラマーゾフの兄弟」だけは挫折したんですって。

巻頭のヘミングウェイの言葉です。
「もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこですごそうとも、パリはついてくる。パリは移動祝祭日だからだ。」
これだけでも読みたくなるでしょ?

バレンタイン

2009-02-15 | 日常

チョコが一つもない!と騒いでいたら、休日出勤している間にチョコケーキができていました。妙にひしゃげたパウンドケーキにホワイトチョコのコーティング。
あまりにも殺風景だったので、残っていたローソクをちょっと立ててみました。
誰かのお誕生日みたいになっちゃった。
後ろの白ワインは「サン・コム リトル・ジェームス・バスケットプレス 」

ミア・ファローのフォロー・ミー

2009-02-10 | イギリス
「フォロー・ミー」

年末に深夜BSでやっていたのを録画。インフル休暇でようやく鑑賞です。
この映画ずいぶん昔にやはりテレビで観た記憶がありますが、版権の問題でしょうかビデオやDVDには絶対にならない映画の一つです。
アメリカ人女性との格差結婚を行ったロンドンの敏腕会計士が、妻の浮気を疑い私立探偵に尾行を依頼する、ってのがお話の筋ですが。妻(ミア・ファロー)と探偵の微妙な距離感と心和むロンドンでの追いかけっこが楽しい作品です。タイトルバックに流れる景色はトラファルガー広場を眼下にテムズを眺めるアングル。そこから右にパンしてホワイトホール、国会議事堂と見えてきます。テムズの遊覧船、ナショナルギャラリー、オックスフォードストリート、キューガーデンズ、今は閉園されたウィンザー・サファリパークなどが舞台として出てきます。中でも食べ物に関係する名が付いた通りを探偵さんが無言で案内するシーンは最高です。
でも人の記憶っていい加減ですね。今回観直すまで、トラファルガー広場の噴水の周りを二人が歩くというシーンが絶対あると信じていたのですが、そんなシーンはどこにもないし、最後、よりを戻そうと会計士が探偵のアドバイスで妻を尾行するシーンももっと長くあるはずと思っていましたが、ほんのちょっとでエンディングでした。
ともかく録画出来てよかった。



表紙に秘密があるんだよ

2009-02-09 | 日常

三崎亜記「廃墟建築士」


「七階闘争」「廃墟建築士」「図書館」「蔵守」の4篇が収められた作品集。タイトルから分かる通り建物を題材にしたお話になってます。三崎亜記の本を読むのは「となり町戦争」「バスジャック」に続いて3冊目。独特な無国籍的な場面設定と、ご自身の公務員の体験を踏まえてなのか、権力と手続きの狭間で生じる可笑しさ哀しさがこの4つの作品にも引き続き溢れています。でも、どこか物足りなさが・・・。三崎ワールドがそれだけ確固たる結果なのか、ちょっと先読み出来てしまうところがちょっと残念。
「図書館」は「バスジャック」に収められていた「動物園」の続編となっています。

ちなみにこの本は完全に装丁買いでした。



カバーは厚手のトレーシングペーパーで出来ています。
ここまではよくあるカバー。



カバーを広げるとこのような状態。
反対面にもイラストが描かれており、
表紙が奥行きのある世界になるように工夫されています。
右下欄外には実際の設計図を真似て奥付情報も。




A型!

2009-02-09 | 日常

土曜の夜から急な寒気と全身のダルさ。でも熱は平熱のまま。日曜日も寝床から離れられない状況なのに平熱のまま。で、本日、会社を休んでしまいました。家族からの「ずる休み!」との非難を背に恐る恐る近所のお医者様に。よかった、インフルでした。
処方されたのが、これRELENZAです。
カートリッジに入った薬を専用吸入器にセットして使います。レバーを引くと包材に穴が開き吸引できるという仕組みです。次に使う時はトレーを入れなおすとカートリッジが回転するという優れもの。
なかなかのグッドデザインだと思います。これが手に入ってちょっと嬉しい一日です。