英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

時をかける少女

2009-07-28 | 日常

竹原、尾道を復習しよう!と思って借りちゃいました。
尾道3部作の一つですが、竹原の町の方がメインで取り上げられています。



この西方寺の階段が頻繁に出てきます。
階段を下りて突き当りが実際今もあるお醤油蔵。

それにしても
原田知世はやっぱり演技が下手だったんだなあ・・・
笑っちゃうような大胆な画像合成が使われてる・・・
竹原の町並み保存地区に当時は電柱が立ってたんだ・・・
エンドロールでみんながテーマ曲を歌いだしちゃうんだ・・・
などなど妙に感心しきりでした。




著者の風貌が、LCC

2009-07-26 | イギリス

下川裕治「格安エアラインで世界一周」

近年台頭著しいLCC(ローコストキャリア)を乗り継いでいかに安く世界一周が出来るか?!というチープな企画です。LCCとは、日本だとジェットスターなどが知名度がありますが、世界のLCCはなかなか半端ではありません。低コストでの採算を求めるため、機内食、飲み物は有料、新聞雑誌のサービスも無し、チケットはネットのみの取り扱い、座席のピッチも極端に狭い、空港からして辺鄙な場所を利用する、もちろん予約の変更は不可・・・等々・・・。

旅の行程は・・・
→フィリピン→マレーシア→シンガポール→インド→シャルジャ首長国→エジプト→ギリシャ→イギリス→アイルランド→アメリカ合衆国→

この企画、そもそも手段としての搭乗記ではなく、目的としての搭乗記ですから、途中の経由地はあくまで添え物です。

チープな企画なだけに読後感もチープで軽いスナック感覚。

そう、LCC機内で無料配布すれば喜ばれる本かも・・・。











資金繰りにはご注意あれ

2009-07-23 | イギリス

F.W.クロフツ「クロイドン初12時30分」

「100年に一度」の経済不況。一つ前の「100年に一度」と言えば、1929年に始まったご存知世界大恐慌。この作品はイギリス経済に立ち込めるこの暗雲の中を舞台としています。工場を経営するチャールズも厳しい環境下に置かれています。在庫過剰の中、価格は一層下落し、従業員の給料等資金繰りは次第に悪化する一方。加えてチャールズの工場は危ない!という風評までたってしまい、親しい友人達も資金を引き上げ始める中、とうとう最後の手段に手を出すことに。
倒叙形式を取るこの作品。犯人は最初に明らかになり、彼が企てる完全犯罪の計画、準備、実行の過程、そして一件完全犯罪と見える事件が、いとも簡単に見破られ解決する過程が、犯人の心理構成の変化とともに描かれるのですが・・・。トリックの解明は、ちょっと平凡。まあ、犯行過程を読者は最初から知っているわけですから、仕方がないのですが・・・。
12時30分初というタイトルから時間を使ったトリック?かと思ってましたが、まったく関係ありませんでした。その点ではみごとに騙されたかな?
面白さとしては「樽」の方が良かったと思います。

冒頭、ロンドンからパリまでの旅客機での旅がとても緻密に描かれています。調べてみると、たぶん出てくる航空会社は英国航空の前身であるインペリアル航空。飛行機は1930年就航のハンドレページH.P.41でしょう。当時旅客機はオールファーストクラスの豪華な旅。作中にも出てきますが、ちゃんと暖かい機内食が銀の食器とともに供されたということです。でも巡航速度160キロ、低空で飛ぶ当時の旅客機は相当揺れたはず。そんな中で豪華な食事を出されてもねえ。


これがハンドレページH.P.41
複葉機で機首が大きく上がっているのが特長です


60年後のロンドン~パリのフライトはこちら→






竹原と尾道(後半)

2009-07-20 | 日常
「島」の朝はウグイスの合唱で目が覚めました。

ちょっと一人で海まで散歩を。


祭りで使う櫂伝馬船が保管されています


今度は釣竿を忘れずに持ってこよう


「島」の主要産業は造船です


もどると昨日採ってきた貝殻でお店屋さんごっこが始まっていました

お土産にあげようと裏庭で夏みかんをとっていると
お隣のおばあさんが畑でとれたピーマンとブロッコリーを持って来てくださいました。
ここで暮らせたら本当にいいなあ。
仕事があればなあ・・・・・・・。

あわただしく荷物をまとめ、今日の目的地「尾道」へ。
竹原から三原を経由しての道は、海を見ながら快適なドライブです。

ちょうどお昼に尾道に到着。


アーケードにある昔の銭湯を利用したカフェです

せっかくだからと尾道ラーメンを食べに行きましょう。
30分並んで「壱番館」という店で食べました。
ちなみに一番有名な「朱華園」は1時間以上待ちの大行列。

坂の多い尾道は、正直夏はちとキツイですね。


がんばって御袖天満宮の石段を登りました
ここは映画「転校生」で二人が転げ落ちるシーンが撮影された場所です


ロープウェイで千光寺公園に


ここからひたすら下り道
まずは文学の小道
石碑に彫られている歌を大きな声で読み上げます


階段を下りるだけなのですが、
しだいに足ががくがくしてきます


階段の交差点・・・・
やっぱ尾道は夏はいかん!


最後は必ず踏み切りに
お寺専用の踏み切りも数多くあります


気がつけばもう4時です。
ここで奈良のファミリーとお別れです。
娘はちょと泣きそうになってたけど
ちゃんとサヨナラが出来ました。

楽しかったね!






竹原と尾道(前半)

2009-07-19 | 日常
娘の幼稚園時代のお友達で奈良に転校していったファミリーが、連休を利用して遊びに来ることに。我が家の別荘?「島」にご招待しました。待ち合わせは竹原で。ここには古くからの町並みが保存されているエリアがあります。


人も車も少なくそぞろ歩くにはいい場所です


ニッカウヰスキーの創業者の生家「竹鶴酒造」です
残念ながらこの日は臨時休業でした


お店屋さんを覘くと金平糖がお弁当に
洋食弁当に幕の内弁当


赤飯弁当もあります


お寺もたくさんあります
こういう時、子供って必ず数を数えますね


ここは「時をかける少女」のロケ地としても有名です


お昼は瓦そばを


昔来たことがあったのですが、
こんなに良いところとは知りませんでした。
美味しそうな江戸そば屋も見つけたので
また行きたいです。



それでは「島」に


まずは木之江温泉からの絶景から
遠くに四国石鎚山もはっきりと見えます


ビーチで貝拾いを


夜は庭でバーべキューを
焼きマシュマロも楽しみました
でも、買ってきたマシュマロの袋裏面にはバーべミューで焼いた時は
マヨネーズにつけると美味しいと書かれています??
勇気がないので試しませんでしたが、今度チャレンジしましょう。








レイのルール

2009-07-11 | イギリス

グレアム・スウィフト「最後の注文」

バーモンジーで肉屋を営むジャックが死んだ。昔からの友人である元保険屋のレイと、葬儀屋のヴィック、元ボクサーで八百屋のレニーは故人の最後の願いをかなえるため、ジャックの義理の息子で中古車屋のヴィンスとともにベンツで出発する。ジャックの願いとは、マーゲートの海に自分の灰を撒いてほしいというもの・・・。ジャックの妻エイミーは同行を見合わせる。
それぞれの回想により明らかになる彼らの人間関係。自分の気持ちを上手に表現することが出来ない不器用な老人たちであるが、お互いは複雑で密度の高い時を過ごしている。骨壷に入ったジャックを手に彼ら一人ひとりのラストオーダーが語られていきます。
片道わずか2時間の道中のはずが、寄り道ばかりでなかなか目的地に到着しない・・・。夕闇迫る突堤の先で4人は何を感じたのでしょうか。

それにしても出てくるみなさん、パブに通いなれたロンドンの下町っ子だけあって、ビールの飲み方が半端じゃないですね。当然トイレ休憩も必要になってくる。


競馬に類まれな才能を発揮するレイの「ルール」が気に入りました。
一つの章として物語の中に挿入されています。

1, 問題はどれだけを取ったかではない。どれだけで取ったかだ。
2, 肝心なのは賭けることではない。いつ賭けないかを知ることだ。
3, 相手は馬たちではない。賭けているほかの人間たちだ。
4, 老馬も老犬と同じ。新しい芸はしない。
5, つねに耳を見ること。そして自分の耳はぴくぴくさせておくこと。
6, オッズ三倍未満の馬には賭けないこと。
7, 賭ける額は資金の5%を超えないこと。ただし一生に五回くらいはこのかぎりではない。
8, ラッキーでありさえすれば、以上のルールをすべて忘れてかまわない。

うーん、ビジネスにも当てはまる金言です。


バーモンジーはテムズ南岸ロンドン橋から少し南にいった所、タワーブリッジからの通りとの合流するあたり。
マーゲートはテムズを下り海に出て到達する東の突端。ドーバーの北に位置します。昔から保養、観光の名所となっていて大きな遊園地「ドリームランド」があります。(現在はリニューアル中なのかグーグルの航空写真では空き地になっています)


グレアム・スウィフトはこの作品でブッカー賞を受賞。





夏が来ます

2009-07-08 | 日常

毎日辛い朝ですが、ちょっとだけ楽しみが出来ました。
だいたい3つ、多くて5つの花が咲いています。
手入れもしてないのでダラシナイ姿ですが、
一日だけ咲くけなげさと美しさがあります。

親メダカは早くも夏バテなのか食欲を無くしています。






村上さんを集めてみた

2009-07-03 | 日常

我家の村上春樹を並べてみました。これ以外にも1冊ぐらいあると思うのですが何が抜けているのかわかりません。
初めて「風の歌を聴け」を何気に書店で見つけ(発行後しばらくたってから)読んだ時の新鮮な驚きは今でも思い出しますね。続く「1973年のピンボール」、そしてようやくリアルタイムで読むことが出来た「羊をめぐる冒険」ら「鼠3部作」は僕らにとっての一種のスタイルブックのような存在でした。冷蔵庫の中にあるものでのサンドイッチのを作り方、缶ビールのかっこいい飲み方、レコードの選び方、アイロンの上手なかけ方(そんなのあったっけ?)・・・。
続く短篇集もかっこよかったな。特に「中国行きのスローボート」に収められた「シドニーのグリーンストリート」は今でもよく読み返すお気に入りに。資産家なのに私立探偵やっている男の話なんだけど、私も愛聴しているグールドの「インベンション」なんかが登場するので余計にね。
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」が発売された時は、本当に早く読みたくって発売日に書店に走っていった記憶が・・・。この作品がその後の村上ワールドを形作る上で、そして純粋に物語としても一番よく出来ていると思います。パラレルな世界で進行する話が交錯していくスリリングな過程と「やみくろ」の登場はなかなかに印象的でした。
赤と緑の装丁がインパクトを与えた「ノルウェーの森」ですが、このあたりから私と村上春樹の距離感が出てくるのですね。どうも手放しで礼賛できない何かが芽生えていった様です。だから「ダンス・ダンス・ダンス」は書店で手にも取っていないと思います。単に「飽きた」だけかもしれませんが。
それとも私の感受性が老いたということかもしれません。そんな中で今年出た「1Q84」は久しぶりにお互いが「帰って来た!」感のある作品だったと思います。
右端にあるのはフィッツジェラルドの翻訳本ですが、その発行年をあらためて見てちょっと驚きました。村上春樹は初期から一貫して翻訳をもう一つの軸足として取り組んで来たのですね。翻訳家としての仕事量も半端じゃないです。・・・なるほど翻訳する作品は全部アメリカンだ。




エッセイの妙味

2009-07-01 | イギリス

「たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選」


今世紀初頭にエッセイストとして活躍したガードナー、ルーカス、リンド、ミルンの作品を集めたものです。ミルンは「くまのプーさん」で有名なA・A・ミルンです。
ガードナーとリンドの作品はちょと堅苦しく理詰めでユーモアはあるんだけど退屈な印象。一方ルーカス、ミルンのは発想自体に面白さがあるのでどれも楽しめるものでした。
一番おかしかったのはルーカスによる新聞記事の誤植の話。bankerがbakerとなってしまったことによる顛末はちょっと身につまされるものが・・・。

巻末の解説で書かれているのですが、
この4人の文章はかつて受験生の間で人気のあった原仙の「英文標準問題精講」でけっこう取り上げられていたんですって。たぶん実家の押入れに今でもあるんでしょうが、持ってるだけで勉強している気になる本でしたね。