英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

個性を殺さず癖を生かす

2009-05-29 | 日常

母親から珍しくと言うか、初めてメールが来た。
文面は、
「木のいのち木のこころ、おすすめです」 だけ。
あいさつ文も何も付いていないシンプルな文面。
一瞬詐欺かも?なんて勘ぐっちゃう私・・・。
検索かけると新潮文庫の題名ということが分かった。
せっかくだから購入。

「木のいのち木のこころ―天・地・人」

法隆寺金堂、法輪寺三重塔、薬師寺金堂などの再興、復興を果たした宮大工西岡常一の仕事に対する揺ぎ無い自信、人の育て方が語られます。1300年保たれた建造物に対して、それを支える「木」に対しての深い想いに感動します。そしてその西岡棟梁唯一の弟子「小川三夫」の情熱も凄い。修学旅行で見た法隆寺に感動して西岡棟梁の門を叩く。最初は弟子に取らない、と言いながらも何かと面倒を見る棟梁。
棟梁となった小川三夫が設立した宮大工集団「鵤工舎」に集まる若者達。境遇も色々、動機も色々な彼らが現代の徒弟制度の中で自ら伝統的な建築技法を学んでいく。ひたすら道具を「研ぐ」ということ。研いでも研いでも終わりがないということ。
ビジネス書なんか読んでるんだったら、この本のほうが遥かに有益。

それにしても母は何でこれを私に薦めたのだろうか・・・。
我家の教育方針への干渉?かいな・・・

信じることの素晴らしさ

2009-05-22 | イギリス

ポール・トーディ「イエメンで鮭釣りを」

イエメンのある大富豪から、イエメンの河で鮭釣りを可能にしたいという申し出がイギリスの不動産コンサル会社にもたらされる。顧客のリクエストに応えようとコンサル会社は、国立水産研究所に勤務するジョーンズ博士に白羽の矢を。砂漠の大地に、冷たい水でしか生きられない鮭を移すだなんて検討する価値もないと、博士はつれない返事を出すのですが・・・。このプロジェクトの話をダウニング街10番地の広報官が嗅ぎ付けたもんだから、話は一転あれよあれよと誰も止められないステージへと。
生真面目なジョーンズ博士が最初は拒絶し疑いを抱きながらも、コンサル会社の美人担当、そして同じく釣りを愛する大富豪との交流の中で、徐々にそのプロジェクトの中に積極的に係わり合う過程が描かれていくのですが・・・・。プロジェクトに係われば係わるほどジョーンズ博士と奥さんの関係は険悪になってくるし、首相官邸からの干渉も日増しに強くなってきます。
莫大な資金が当てられた巨大プロジェクトの顛末は?鮭は遡上するのか?イエメンの高地でフライフィッシングは実現するのか?・・・・・・ ジョーンズ博士の日記、関係者で交わされるeメール、手紙、プロジェクトを報じる記事、問題を追及する下院議事録、事情聴取記録、お蔵入りした自伝等々という体裁で語られる物語は、大真面目で、最高に可笑しく、そしてちょっと哀しい。
「釣りの前には階級も身分もない・・・・」
「釣りというのは信じることなんだよ」
この作品、ボランジェ・エブリマン・ウッドハウス賞受賞作とのこと。受賞者にはウッドハウス全集とブタ1頭が贈られたとか・・・
翻訳も読みやすく読後感も心地いい。今年前半で1番というのが個人的な感想です。
白水社の「エクス・リブリス」シリーズ。これからも楽しみです。





マスク

2009-05-21 | 日常
新幹線で博多出張。
大阪方面からの下り列車の中は6割以上がマスク着用。
上りは1割ぐらいか。
博多駅ではだれもマスクは着用していませんでした。
でも、薬局では完売の表示が。

考えると、マスクって昔はそれこそ風邪でゴホゴホやってる人だけが着けていたような。最近の花粉症対策と新型インフル騒ぎでいっきに予防の観点からの普及ですね。これだけ生活の必需品なったにしては何か物足りないのは私だけでしょうか。もっとお洒落なマスク、クールなマスクが発売されていても・・。それより広告媒体としての魅力もありますね。通勤通学途上での露出度は抜群ですし、必ず視線の先にあるのもグッドです。媒体化し無料で配れば家計にも助かります。
問題は広告を出す勇気のあるクライアントと、広告を顔にぶら下げる勇気のある人々がいるかということ・・・・・。

「NIKE」のロゴ入りマスク・・・・・いいかも
「Paul Smith」の縞々マスク・・・・・前に立たれると目がチラチラ
こういうブランドだと意外と商品化できるかも

でも美容整形外科の広告マスクはシャレにならないような・・・・




このポスターかっこいい

2009-05-18 | 日常

このポスター・・・
昨年の日仏交流150周年のものなのですが、
知らなかったな、こんなポスター作ってたなんて・・・・。
なかなかいい仕事していますね。
夕暮れ迫る凪いだ海に浮かぶ2つの世界遺産。モン・サン・ミシェルと宮島・厳島神社の大鳥居です。そうか気にもしてなかったけど、2つにはこのイメージが伝える共通点があったのですね。信仰の中心として、潮の満ち引きにより姿を変える点、そして片や島に架けた橋の影響で砂が蓄積し湾内の自然が壊され復旧工事が待たれる日々、片や温暖化の影響か高潮の被害に怯える日々。片やオムレツが名物、片や紅葉饅頭とアナゴ飯が名物・・・・・。
このポスターでの出会いをきかっけにして、モン・サン・ミシェルと宮島を抱える廿日市市との観光友好都市の調印がこの度行われました。
調べてみると、昨年の150周年記念のイベントとして、フランスでは数多くの日本文化の紹介が精力的に行われていました。その中には宮島の紹介も数多くあったとか。フランス人観光客が多く宮島を訪れるのはミシュランだけの影響ではなかったのですね。

パンデミック小説

2009-05-17 | イギリス

神戸、大阪と拡がっています。新型インフル。
一番体力がありそうな高校生主体というところが気がかりです。
こうなるとさすがに新幹線での出張なんかが怖くなります。
家に引きこもって読書三昧とはいきませんからね。

パンデミックといえばこれを再読しましょうか。

そういえば彼の「犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」が文庫化されてますね。いやにかわいい表紙でびっくりです。




出来ちゃった小説

2009-05-14 | イギリス

トニー パーソンズ「三人姉妹」

「人生の初めの半分は親にめちゃめちゃにされるけど、あとの半分は子供のせいでめちゃめちゃにされるもんなの」
これまでの「情けないダメ男」路線からがらっと視点を変えて、今回は女性、それも三姉妹を主人公にしたお話です。この姉妹、幼い時に女優である母親が家出をするという辛い体験を持っています。キャリア志向の強い長女、唯一結婚して専業主婦している次女、医者の卵としてがんばる三女。それぞれのバラバラな生き方を持つ彼女達ですが、ある自然現象、つまり「妊娠」によって翻弄されつつもしっかりとした「母」となっていく・・・・・・。妊娠ですから、それぞれ相手の男性たちがいるわけですが、まあ今回もどうしようもない男が目白押しです。
それにしても、これまでの作品に比べちょっとモヤモヤ感が多いのは何故?「ビューティフル・ボーイ」の息子のような「救い」がこのお話には欠けているような。彼女達を捨てた母親との距離間も最後まで埋まらず物足りなさとゴチャゴチャ感の強い読後感でした。
前にも書いたけど、トニー パーソンズの奥さんは日本人。「犬のおまわりさん」が作中で歌われます。

GW雑感

2009-05-09 | 日常
GWの記録

29日・・


世羅高原農場にチューリップを観に。
とっても人が多かった。
1本100円で分けてもらえるチューリップを3本持って帰って、
ベランダのプランターに植えたのですが・・・
花が終わると、とっとと引っこ抜いてるじゃない!
球根取っておけば秋の植え付けが出来たのに・・・。

2日・・
帰省です。
小倉の東洋軒でラーメンを。
久留米ラーメン系のパンチのあるスープ。
美味しかった!
愛想のない接客も昔のまま。

3日
陶芸をやってる弟の作品展を見に門司のギャラリーへ。

4日
九州国立博物館へ
あいにくの雨でしたが、駐車場は既に1時間半待ちの状態。
大宰府天満宮側に降りると難なく駐車できました。


せっかくなので天満宮へお参り。

天満宮と博物館とはエスカレーターと動く歩道でつながっています。
その入り口の前には
昔からある大宰府遊園地が。


娘の希望で寄り道です。
谷間にある細長い遊園地は入園料が500円。
のりもの券(200円or300円)を買って利用するなつかしいスタイルです。
娘にはここがすごく楽しかったようです。
3月に行ったディズニーランド&シーより「よかった」だそうです。

博物館では「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」を鑑賞。
インドの影響を色濃く受けた仏教文化はなかなか興味深かったです。


仲良きことはよいことなり・・ですか?


5日
実家の近くの「山田緑地」へ。


ここは、戦前は旧日本軍の弾薬庫として使われていた場所。
極東一の規模をほこり、戦後は米軍の弾薬庫としても利用されていました。
核の存在疑惑もありましたね。
それだけに手付かずの自然が残されているエリアです。


こんな標石が歴史を感じさせます。

この公園のゲート前には大きなお屋敷が。
これは九州一の親分さんの御住まい。
よく警察が検問をやっています。
勇気のある方は記念撮影などいかがでしょうか。


広島への帰路。
予想はしてましたが、2箇所で30キロ以上の渋滞につかまってしまいました。


雨で夜の渋滞は疲れますね。



いってらっしゃい!

2009-05-07 | 日常


ごそごそと押入れの中のダンボールをかき回してみる。
いました。我が家にも。

彼の曲を聴いていると、
下宿屋の窓から眺める青空を
その青空に溶け込むタバコの煙を思い出してしまう。
どこかオープンエアなロックンロール。
なぜか人恋しいロックンロール。


CDショップではエバーグリーン棚にならべられてるけど
僕らにとっては今でもカッコイイ兄貴・・・。


ダーリン・ミシン・・・・
部屋中が揺れている・・・・
赤いコールテンのズボンが出来上がる・・・






おっぱいバレー

2009-05-01 | 日常

近所にシネコンが出来たので、
行ってきました「おっぱいバレー」。
1人でチケット買うのが恥ずかしいから、
娘もさそってお出掛けです。
小学1年生に見せてもいいの?!と家内も何故か付いてくる・・・

映画版は1979年の北九州が舞台。
多少時代考証がずれてますが、
ロケ地がばらばらで、ちょっと落ち着きませんが、
懐かしい故郷と、「そうだったよね」が心地良い映画でした。
チューリップの「夢中さ君に」が流れると、
娘も「知ってる!」といっしょに歌ってました。(謎・・)
(この曲は「心の旅」のB面だったとか・・)

娘曰く、「今まで観た映画の中で、一番怖くなかった映画」ですって。