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英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

ジャック・ルーシェの平均律

2010-03-03 | 日常

今でこそクラシックをJAZZのアレンジで演奏することは珍しくありませんが、おそらくこのジャック・ルーシェはバッハをJAZZアレンジで取り上げた先駆けであり、商業的にも一番成功した演奏家でしょう。フランス人というのは、このように古典的なものを品を落とさずに、お洒落にリユースするのが上手いですね。
そもそもバッハの作品はJAZZに向いています。楽器指定が無い曲もざらだし、即興や装飾もやりたい放題ですから。その奥深さ、寛容性がバッハの大きな魅力だと思います。どんな下手くそが演奏しても立派にバッハになります。

私としてはイタリア協奏曲が一番のお気に入り。




「スイッチト・オン・バッハ」の平均律

2010-03-02 | 日常

ワルター・カーロスがモーグⅢというシンセサイザーでバッハ作品を録音した「スイッチト・オン・バッハ」です。1968年の発売で当時の年間ベストセラーとなっています。カーロスはこのシンセサイザーを使いキューブリックの「時計じかけのオレンジ」の音楽を担当したことでも有名です。このレコードを聴いた冨田勲がいたく感動して、即このモーグⅢを個人輸入し「展覧会の絵」や「惑星」などを大ヒットさせたことも有名なお話・・・。
大バッハがマシンから聴こえる音楽に驚愕している、というジャケットの絵もコミカルですが、バッハが持つ宇宙感、そして2声、3声と多重に進行する構造がシンセサイザー音でうまく増幅され、バッハ好きにはけっこうウケル内容となっています。(今となっては、何てアナログ的なシンセサイザー音だろうと思っちゃいますが、当時としては最先端の音なのです。)
平均律クラーヴィア曲集からは第1巻の7番と2番が入っています。

子供時代、我が家の日曜日はちょっぴりお寝坊が許されていました。すっかり陽が登りカーテンが明るくなったころ、隣の居間(狭い社宅だったなあ・・・)から大音量でよく聞こえてきたのがこの「スイッチ・ト・オン・バッハ」でした。オーディオ・マニアだった父は、これをオープンリールのデッキ(TEAC)で聴いていたのです。無くなりましたねえ、オープンリールの音楽ソフト。そして、このオープンリールを手軽に楽しめると売り出したのが「エルカセット」→絶滅。ビクターが出していた4チャンネルステレオCD-4何て規格も死滅しました。
でも、居間の中央に鎮座したTEACのテープデッキはいかにもマシン、マシンしていて、最近のデジタルオーディオなんかには絶対にない存在感がそこにはありました。



これがTEACの同型機







レオンハルトの平均律

2010-03-01 | 日常

チェンバロでの定盤と言えばこれでしょうか。
ピアノほど感情移入がし辛いチェンバロですので、バッハ本来が持つ精神世界が際立つ演奏だと思います。

映画の中で、バッハの平均律がうまく使われてたのは・・・・、やっぱり「バクダットカフェ」でしょうか。ジェヴェッタ・スティールが歌う「コーリング・ユー」も素晴らしいですが、太ったおばさん「ジャスミン」の滞在によって次第に癒されていくカフェが、だんだんと上手く弾けるようになる平均律第1巻第1曲プレリュードで表されています。







グールドの平均律

2010-02-26 | 日常

かつての異端児、かつての先駆者も今となってはきちんと殿堂入り・・・。狛犬さん「あ」のリヒテルに対し、狛犬さん「うん」のグールドといったところでしょうか。
でも、よい子のみんなは真似しちゃいけませんよ。そんな弾き方したら音大に通りませんから・・・。
私はバッハが大好きです。特にこの平均律が大好き。最初のプレリュードが自分で弾けたらどんなに素晴らしいだろう、といつも思っていました。でも、自分は小学校2年生でピアノレッスンを挫折した身・・・。そんな人間が平均律を弾くなど、神をも恐れぬ罰当たりな考え、と永らくその考えを封印しておりました。
・・・・・・・・、ある日(昨年)、娘が癇癪を起こしながら(娘はピアノが大嫌いです)ピアノの練習をしているのを眺めていると、ふと「弾いてみようかな」って思っちゃったのです。楽譜を買ってきました。メヌエットすら満足に弾けない人間が平均律にチャレンジです。まあ、第1巻、第1曲ハ長調の前奏曲は確かに1番易しい曲ではあるのですが、赤錆だらけの自分にとっては難曲です。指はツル、首は痛くなる、何故か左ふくらはぎもツッてしまう練習を独学で土曜と日曜に少しずつ・・・・。でも、人間ってすごいですね。土曜よりも日曜日は上手くなる、で、また次の土曜日は下手になる。この繰り返しで約半年、テンポはめちゃくちゃですが、何とか楽譜を見ながら間違えずに弾けるようになりました。(えっへん!)
弾けるようになってこのグールド盤を聞いてみると、曲の構成と音の一つ一つがすごく分かりやすいのでびっくりします。リヒテル盤だとまったくわからない(ただ美しいだけ)のですが・・・・。で、最近はこのグールドといっしょに時々プレリュードを弾いています。彼の鼻歌も真似しながら・・・。私の限界はここまでですが。

ずいぶん昔に打ち上げられた惑星探査船「ボイジャー1号」。今は太陽系を離れてはるか彼方を飛行していると聞きます。このボイジャーには地球外知的生命体に出会った時を想定してメッセージと地球の色々な音楽が金色のレコードとして載せられています。その内の1曲はグールドの弾く平均律第2巻の第1曲プレリュードだそうです。


これがレコードが収められた円盤です。




リヒテルの平均律

2010-02-26 | 日常

LP・BOXセットとCDセット・・・・。LPセットは当時1万円(高い!)もした。
一生持っていて繰り返し聴くにたえうる演奏・・・吉田秀和氏のコメント通り、永らく平均律クラヴィーア曲集の定盤として、信頼のTOYOTAブランドのごとく君臨してきた名盤です。
朝靄の中、薄明かりとともに響いてくるプレリュードは「音楽が始まる純粋な喜び」であり、最後24曲のプレリュードでは音、そして時間までが永遠の彼方に吸い込まれていく様に感じられます。古城を使って録音されたらしいですが、残響音の多いその音色はいつ聞いてもやはり一生もの。

私はこのCDをかけながら夜の都市高速(空港が見える)をドライブするのが好きです。



ポリーニの平均律

2010-02-25 | 日常

ポリーニの平均律である。
あのポリーニのバッハ初録音である。
ショパンやシューマン・・・ロマン派以降現代までが守備範囲であったはずのポリーニが平均律を弾いているのである。
正確無比なタッチ、時に機械的とさえ言われたポリーニ。その彼が弾く「平均律」・・・・・、キム・ヨナの3回転ルッツ+3回転トーループみたいに憎たらしい演奏だったらどうしよう?誰だって興味が湧きますね。はたして・・・・・
冒頭のプレリュード・・・・・・、「憎たらしくない」です。思わず正座しちゃいます。派手さは無いですが、でも決して枯れても無い。むしろ適度にリリカルでもある。聴き入っちゃいますよ。
そして・・・・、あっ・・・・、歌ってます。キム・ヨナ、じゃなくってポリーニがかすかに歌ってます。ちょっとニンマリしちゃいます。
やっぱ、ポリーニは上手いや。と感じるとともに、平均律の音楽としての奥深さと、寛容性というか、純粋な音楽の喜びというか、良く言い表せないのですが・・・、をあらためて認識いたしました。



バッハという大宇宙に、また一つ美しい小銀河が誕生しました。






柳川

2010-02-22 | 日常
土曜日はお日様に誘われて柳川へ。
せっかくだから旅行気分を盛り上げようと天神から西鉄電車・特急の一番前の席に乗り込みます。


その席からの眺め・・・・、楽しいですねえ、思わず「信号よーし!」と言ってしまいそうです。
45分で柳川に到着。この時期、柳川は「さげもん祭り」。色んな場所、お店でカラフルなさげもんとお雛さんが見ることが出来ます。駅前のミスタードーナツ店内もさげもんだらけ・・・。
「さげもん」とは→
さあ、柳川に来たら川下りでしょう、と近くの乗船場に行くと・・・。「今日は水門までの往復になります。御花には行けません」との説明です。あーーーーっ、そっかーーーー、年に1回ある「水落ち」の日にわざわざ来てしまったのです。「水落ち」とはお堀の水質維持と補修のために堀の水を抜いてしまう行事で、まあ春先の風物詩ではあるのですが・・・。急に家族の視線がきつく感じられます。嫁「どうして調べてこなかったのー」、娘「お腹が空いたーーー」(それは関係ないでしょう)
「よし!歩こう! 船で1時間ぐらいのコースだから、歩きで30分ぐらいだよ」と、いいかげんな決断です。


ある意味、この時期しか見れない水の無いお堀です。
聞けば明日には水を入れて「お堀開き」があるとのこと。
つくづく運の悪い家族です。

ようやく御花の前に到着。
さあ、うなぎを食べよう!


御花とは、旧柳川藩主立花伯爵のお屋敷です。
イギリスのマナーハウスの様に、その維持管理のために内部を公開し、ホテルや料亭としてご商売をされています。
御花とは→



さげもんも豪華です。


大広間から眺める日本庭園。
荒木経惟著「東京日和」が映画化された時に実際にロケ地として使われています。


至る所にお雛様も

資料館では立花家所有の江戸時代のお人形たちが見られます。


これはお人形遊びに使うミニチュアセット?
生活道具が丁寧に作られています。


北原白秋の生家にも「さげもん」がいっぱいでした。


お土産に買って帰った我が家の「さげもん」です。



今度は川下りでリベンジだ。










上村愛子

2010-02-15 | 日常
[CM]UEMURA Aiko - Nagano Olympic IBM


長野のときは、滑るのが楽しくてしょうがない!ってのが満ち溢れていて、こちらまで楽しくなった。
バンクーバーでは、滑るのが辛そうに思えたのは私だけだろうか・・・。

テレビのインタビューは無情だな。
コメント引き出したら、「おつかれさまでした」だ。
「おめでとうございます」と「おつかれさまでした」の間はとてつもなくい遠い・・・。




と、ここまで書いて、上村愛子のブログを何気なく覘いてみた。
思わず涙が出てしまったぞ。
彼女は本当にすごい選手だ!




これは何だ?!

2010-02-09 | 日常


イオンモール「ルクル」に行くたびに気になっていた建造物。圧倒的な存在感に誘われて訪れてみました。ただの廃墟なのか・・・・。
志免鉱業所竪坑櫓です。旧海軍が戦前運営し戦後は国鉄が引き継いでいた石炭鉱山の施設跡。
地上部分は52メートル以上、地下は垂直に竪坑道が430メートル掘られています。上部に巨大な巻き上げ機が付けられた建物で、戦時中の建設にも係わらず良質な鉄筋とコンクリートがふんだんに使われています。このタイプの竪坑櫓は世界でもこれを含めて3箇所しか現存しないということで、貴重な近代産業遺産として昨年末に国の重要文化財に指定されました。



櫓の隣には斜坑道入り口跡とボタ山も残っています。軍艦の燃料として、鉄道の燃料として、製鉄業を支えるエネルギーとして近代日本の発展を担ってきた炭鉱です。


現役時代の姿です。



バンジージャンプにも使えそうですが・・・



私はこれを連想しちゃいました・・・。

スターウォーズ 帝国の逆襲・・・