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再びの沖縄 その4  1992 October

2021-09-07 12:48:08 | 写真 海

              十月二十三日

 午前七時。早々とバイキングスタイルの朝食。
 ポケットにパン数枚と茹で卵を忍ばせた。餌付け用だ。

 八時十五分。車が迎えに来た。
 なんでも夕方の便で帰る客がいるために早い船出となったそうだ。
 『いいのか、体内の残留窒素は。排出しないうちに飛行機に乗って』

 九時出航。本日の船は真新しいヤマハ製のプロダクションボート50フィートだ。
 器材を積み込むとフライブリッジに陣取った。H島と学生四人も昇って来た。
 眼鏡の男。我々と一緒のダイビングサービスのファンダイバーだ。線が細い。何か不安を感じさせるような男だ。
 港湾を出た。船速が上った。空は晴れ渡っていた。海は穏やかだった。
 「ホォォーッー!」とH田が声をあげた。 無邪気な顔をしている。リゾート気分に十二分に浸っている顔だ。
 「来てよかっただろう?」
 「はい」何も言うことは無いようだ。

 エンジン停止。安室奈美恵の生誕地、安室島の東側へアンカーを落とした。

 

   益田岩

 ウェットスーツに着替える。ふと振り返った。眼鏡の男。ウェットスーツを後ろ前に着ている。
 『本当に大丈夫なのか?』器材のセッティングもできなかったようだし。

 ポイント名は 益田岩 生物学者の益田一氏が新種のウオ(ケラマハナダイ)を発見したためにこの名がついたそうだ。
 本日のバディは三十路を少々廻った男(昨日とは別人)
 例によって妹達は三人一組。
 眼鏡はKAZUが引き取った。

 KOとともに、まず学生四人がエントリーした。
 妹たちを送り出した。眼鏡がそれに続いた。

 私はゆっくりとエントリー。BCのエアを抜いた。しかし、沈んで行かない。
 ウェイトの量を極限まで減らしたのが原因か?。
 計算上は支障は無いはずなのだが?。何らかの・・・僅かな影響でこういう事態が生じたのだろう。
 ヘッドファースト。水深10m。魚影は豊富だった。
 妹達と合流。KAZUと眼鏡はまだ見えない。

 BCのポケットから用意してきたパンを袋ごと出した。妹に渡しカメラを構えた。魚が群がって来た。閃光。



 妹がYKに袋を渡した。閃光。

 H島が袋を受け取った。中身をいきなりぶちまけた。

 ※集まって来た魚の数が他の画よりもはるかに多い。

 思わず妹と顔を合わせた。『少しは考えろ』私の分が無くなった。

 ・・・・・・

 眼鏡は潜行もままならぬようだ。KAZUに付き添われて漸く合流した。
 KAZUの後について移動。
 まずはガーデンイール。28mmレンズでは遠すぎる。他の魚にカメラを向けた。

 ※トゲチョウチョウウオ 雌雄は不明だがカップルに見えるので何組かの新婚さんにその都度差し上げた。かなり喜ばれた。

 ハンドサイン。KAZUが水中ノートに何か書いている。覗き込んだ。
 『流れが速いので岩に掴まりながら移動します』と記されていた。
 KAZUを先頭に全員が匍匐状態。
 しかし、私はカメラで片手が塞がっているのでどうも動き辛い。カメラを岩にぶつけたくもない。
 流れが速いと言っても勝手知ったる御宿の海と比べるとそれほどではない。
 フィンキック。推進力は充分だった。
 グループの1m上方を水中移動。
 テーブル珊瑚。デバスズメ。撮影・・・・・・。

 妹達と合流。KAZUと眼鏡がいない?。
 ハンドサインで「二人はどうした?」
 妹が後方を指さした。KAZUが眼鏡を引き摺るように運んできた。
 水中での眼鏡の力量はあまりにもお粗末だった。私はKAZUが早々と浮上させたのかと思っていた。
 彼がCカードを取得できたのなら落ちる者は皆無でも不思議は無い。
 『J子、君も諦めるな』

 KAZUが私を手招きした。近寄り指さす方向を視た。
 ほぼボートの真下。KOと学生が四人。講習の真っ最中だった。
 グループと離れ五人に近寄って行った。KOに片手をあげて挨拶。講習風景の撮影。四人にはいい記念だろう。

 暫くすると大部分が集まって来た。エアの残量が少なくなってきた所為である。
 学生が浮上を始めた。エキジット時の混みあいを避けるためのKOの配慮だろう。
 私も残圧計を視た。けっして多くは無い。学生たちに続いてエキジットすることにした。
 KAZUを探した。先にエキジットする旨を告げた。
 目の前をウミヘビが泳いでいる。フィルムを使い切ってしまったことが残念だった。
 艇が動き出した。風と波を避けて島陰にアンカーリングするためだ。
 そこで昼食を摂ることとなるのだが学生たち四人は我慢できないのか移動中だというのに早くも弁当の蓋を開けている。 
 フライブリッジ。風圧と振動。飯を喰らうのも楽じゃないはずだが。
 まあその元気があれば大丈夫だろう。

 アンカーリング。妹達も昇って来た。
 昼食。本日のメニューは?。何だろうこれは?。沖縄風牛丼か?。
 エキジットしてから胸のあたりに違和感がある。船酔いに似た症状。だがそれとは異なる。エアの所為か?。
 半分ほど無理矢理、胃に詰め込んで残りはパンの袋に。


 左から YK H島 妹 まだ頭髪が充分にある私



 KOが学生四人を連れて海の中へ。スキンダイビングの練習だ。こいつらは泳ぐのは慣れている。まず問題は無い。
 もう一組海に入った。他店の同様の講習だ。
 
 日差しは充分だった。10mの深さの海底が白く輝いている。
 上半身裸になった。フライブリッジの端に立ち上がった。
 ジャンプ。・・・・・・飛沫。沖縄の海を肌に直に感じた。



 ※ 安室島は安室奈美恵の生まれた島 と言うのは嘘です。無人島です。

 つ づ く

   ※掲載順位がランダムなのでダイビング記事の目次を作りました。
  年代順となってます。

  ダイビング編目次

 


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