ぽせいどんの今日の一枚

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パラオ共和国(ベラウ共和国) 1993年  その5

2021-08-05 12:21:58 | 写真 海

 四月九日 

 寒さで目が覚めた.。クーラーが働いている。辰也のタイマー設定ミスだ。
 顔を覗き込んだ。『ボケ!』惰眠を貪っている。起こさないように静かにスィッチを切った。 外はまだ暗い。
 ・・・・・・
 六時。起床。ポットをコンセントに繋ぎ、バスルームへ。寝汗を流す。
 朝食。珈琲を一人で飲んでいるとその香につられて辰也が目を覚ました。
 「先に済ましたぞ」
 「・・・・・・ハイ」まだ半覚醒状態だ。

 コロールの風景も撮っておきたい。F4を持って外に出た。

 まずはパラオホテル。

 辰也がテラスに顔を出した。ポーズを取っている。



 高島屋。

お決まりのハイビスカス。



 通りを走る車は九割が日本製。パトロールカーも同様だった。
 ナンバーが面白い。黄色のプレート。絵入りだ。撮影。(※見出し画像)
 ・・・・・・
 お隣さんのお目覚めだ。
 「お早うございます」まだ眠そうなフィジーがテラスに顔を出した。
 「お早う。朝食は?」
 「まだです」
 「ちゃんと摂った方がいい。空腹も船酔いを促進させますよ」
 「分かりました」

 ・・・・・・

 マリーナ。
 「ぽせいどんさんは一番先の船に乗ってください」
 「了解」さて本日の組み合わせは?」
 ピンクとSASが続いて乗り込んで来た。
 隣の艇は団体さん御一行。
 「別の船になっちゃった」岸壁でフィジーが叫んだ。
 「浮気するんじゃないぞー」周囲に笑い声があがった。

 艇が走り出した。乗客は我々二組のみ。
 『ラッキーかな?』が、バウデッキにはメッシュバッグが十以上も積んであった。
 昨日と同様にどこかに寄るのだろう。
 岬を廻った。十分ほど走るとオーシャンフロントのホテル(マラカルセントラル)が見えた。
 パラオホテルよりもかなり高級そう。接岸。
 期待は見事に裏切られた。
 乗艇してきたのは綺麗どころでは無く、平均年齢五十歳を越えるオバサン軍団五人組だった。
 それに三十歳くらいのホストのごときインストラクターらしき男。
 『うーん』
 外洋に出た。今日は多少波がある。スプラッシュ。いきなりずぶ濡れになった。

 ピンク&SASもオバサン軍団と同様にフードを被っている。
 会話は途切れたまま、沈黙の一時間だった。

  三本目 タートルコープ

 エンジン停止。
 「スーツに着替えてください」ジャイアンが昨日と同様に我々を促した。素早く着用。
 辰也の背のファスナーをオバサンの一人が無言のうちに手伝って引き上げた。
 「おっ、辰也、もてているな」
 「そんなんじゃないですよ」
 「気をつけてくださいね。そいつ、後家殺しと呼ばれてますから」・・・『滑った』

 エントリー。
 20mほど水面移動。穴の中央に来た。
 ガイドのハルに続いて潜行。
 途中の棚で一休み。ニコノスのフラッシュ設定。
 SASが隣に降りて来た。スキルはまだ初心者の範疇だ。
 ピンクは四十本ほど潜っていると言っていたから差があってしかるべきだろう。中性浮力も綺麗に取れている。
 タートルコープと言うから海亀との遭遇を期待していた。が、それらしきものは影も形もない。

  ・・・・・・

 ハルに続いて、辰也、ピンクは横穴を抜けようとしていた。

 頭上を見上げた。オバサン軍団はなかなか沈めない。団子状態になっている。だいぶ手がかかりそうだ。
 ホストとジャイアンが付き切りで世話をしている。

 

 横穴を抜けて壁伝いに移動。海底からカスミチョウチョウウオの群れが湧いてきた。
 黄色の地に雪の富士山。『白昼夢。否、水中夢』我々はその幻想の内懐に抱かれていた。
 何処までも続く垂直の壁。色鮮やかなソフトコーラルが繁茂(と、言っても植物ではなく腔腸動物です)していた。
 そして、その陰には原色のコーラルフィッシュが潜んでいる。
 深淵には不気味に動く大きな影。ホワイトチップだ。それが数匹・・・・・・。

 エア温存のために(大差が無いと思うが)パーティの二メートルほど上層を進む。
 下から無数の気泡が湧いてくる。

 泡を観察した。水中で視るそれは宝石の煌めきに勝るとも劣らない。
 そしてその形状であるが小さなものは定かでは無いが一定以上の大きさの泡は画に描かれているような球体ではない。
 真横から視るとドーム状である。それとも饅頭型と言った方が分かりやすいか。
 それが上昇するにつれて、つまり水圧の束縛が緩むにつれて体積を増す。
 やがてその形状を維持できなくなり微妙に震えた方と思うと砕け散った。
 後には再び数を増したドームが・・・・・・。
 「微生物の細胞分裂に似ている」と言ったら味気ないか。

 『気泡浴』誰かのエッセイを思い出した。ダイビング中に若い女性の上層にいてその排気泡を全身に浴びるのだそうだ。
 「これで十歳は若返る」と結んであった。
 ピンク色の」ウェットスーツが目に入った。上層に移動。気泡浴。
 ファブリックスーツは薄手なので充分に刺激がある。
 最近、少々薄くなってきた頭頂部が復活して若返るかもしれない!?。
 
 二十分も過ぎた頃。棚の上に移動。残圧チェック。
 オバサン軍団はここで我々に先んじてエキジット。これは当然だろう。エアの消費量も甚だしそうだし、十余人が一度に艇の周りに浮上したならばパニック状態にもなりそうである。
 静観。浮上にもだいぶ「手間取っている。潜行と同様にホストとジャイアンが付き切りで世話をしなければ少々危ない気がする。

 昨日と同じ島。ほぼ同時刻。潮汐の周期は十二時間を少将超える。干潮までにはまだ時間がある計算だ。
 ビーチの間際まで艇が着けられた。我々と弁当を降ろして艇は深場へ移動。

 後にジャイアンに訊いたところによると、ここはカープアイランド。
 オーナーが広島カープのファンでそう名付けた星型の島だ。
 この弁当ビーチの反対側にコテージがあるはずだ。

 先ほどから頭痛がしていた。食欲は無し。
 船酔い、波酔い?。では無いはずだ。思い当たるのは疲労、そして睡眠不足。
 今朝は寒さで早々と身を覚ました・・・・・・。
 それでも弁当の蓋を開けた。一口頬張った。胃が受け付けない。ダイビングサービスが用意した缶ジュースも口にしたくない。
 持参したミネラルウォーターのみをどうにか口に含んだ。
 「大丈夫ですか?顔色が悪いですよ」早々と平らげた辰也が心配そうに訊いた。
 「ああ、たぶん疲れが出たんだ。・・・(お前の所為で)あんまり眠って無いしな。でも大丈夫だ。暫く静かにしていれば治癒るはずだ」

 辰也は昨日と同じようにナイフを手に浅瀬で遊んでいる。それをぼんやりと眺めていた。
 殆ど手つかずの弁当を持って海に入った。
 飯粒を少量撒いてみた。何処からともなくルリスズメダイ?が群がって来た。
 人を恐れる様子は全くない。その中に体長15cmくらいの魚影。スズメダイの仲間だとは判るが際立った特徴が無い。
 ムラサメモンガラもやってきた。
 少々焦げた蒲鉾。動物性蛋白質は好んで喰う。沢庵には寄っては来るが御気に召さないようだ。梅干しには洟もひっかけない。
 SASが傍に来た。この娘、もしかしたら私に気がある?。『やめておいた方がいいよ。火傷するよ』とは言わず
 「餌付けしますか?」私は弁当を箱ごと差し出した。
 SASは飯を一握り取り出して餌付けを始めた。いつの間にかピンクが合流していた。

 砂浜で小半時仮眠。頭が重いのがどうにか薄らいだ。
 午後の部は断念しようかと思ったがどうやら大丈夫なようだ。

 つ づ く



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