ぽせいどんの今日の一枚 +

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POHNPEI 1994 October ダイビング その8

2021-12-16 13:17:32 | 写真 海

               六本目 マントチャネルステージ

 ラストダイブはネクサスを置いてニコノスのみでのエントリー。
 水深二十五メートルの崖淵。大物を待ってしばし目を凝らす。
 シマコショウダイが鮮やかな体色を誇示するかのようにゆっくりと泳いで行く。
 ゴマモンガラ(見出し画像)のペアはやはり凶暴な顔つきをしている。

 数分してエア温存のために浅瀬へと移動。
 うねりの影響を受けて全員が揺られている。酔わなければいいのだが。


 バディ、プラス浪速シスターズのかしまし娘。『記念写真屋か私は』

 バディが手を伸ばしてきた。ニコノスを預けた。
 だがうねりの中では荷がかちすぎる。満足な画は望めない。

 ※だが、まあまあの画が撮れていた。もっとも私がすべてをセットして自らが距離を取ってシャッターを押させたのだが。

 十キロの手枷から解放されれば私はマーマン。
 水中での自由度は!!。 
 今までの鬱憤をはらすかのように転回・きりもみ旋回・座禅。ヒトデ、ナマコを浪速シスターズに放り投げる。


 
 バディは初日のエア切れ(本当は残っていたのだが)事件から時々私の残圧計を盗み視ている。
 水中での余裕が出て来た証拠だ。
 これで時々ポカをしなければ一人前なのだが・・・。

 ユキ姐アンド浪速シスターズ。両手を合わせて何かを拝んでいる。
 頭上から眺めてみるとオオナマコの両脇にマンジュウヒトデを並べている。
 『・・・・・・金精様か』この連中は下ネタギャグが本当に好きだ。
    
  ※ 流石に撮って無かった。海底にこんな風に並べてました。

       夕 食

 「何処で喰ってもそうかわりはしないよ」
 「駄目、今夜はどうしてもPCRレストランで食事をするの」
 「分かったよ。だが遅くならないうちに出掛けようぜ」
 「七時出発でいいでしょう?」
 「時間厳守なっ!」
 冷蔵庫の中から朝食の茹で卵を取り出して胃におさめた。
 暫くは胃痛を抑えられるはずだ。

 ・・・・・・・
 午後七時。バディはまだ惰眠を貪っている。
 ロビーのソファ。すでに文庫本を一冊読み終わった。

 七時半。まだ起きてくる気配は無い。
 空腹。胃が悲痛な叫びをあげ始めた。
 帰国したらすぐに病院へ行くべきだろうな。

 「どうする。やめるか?」
 「行く」
 「ならば早く支度をしろ。もう七時半を過ぎた」
 「そんな言い方をしなくてもいいじゃない」バディはヒステリックに叫んだ。

 午後八時。コロニアの夜道は暗い。だが治安は良いのが救いである。
 「昨日とコースが違うよ」
 「こっちの方が近い」
 「大丈夫?」
 「市内(と言っても非常に狭いが)の地図は頭の中にインプットしてある。大丈夫だ」
 脇道は人家が疎らにあるだけだった。街灯の類は一切ない。もっともメインストリートも商店から漏れる灯りくらいのものではあるが。

 頭上を見上げると星空が広がっている。緯度の違いだけでその星座の趣が異なることが面白い。

 パームツリーホテルの前に出た。
 「ほら」
 「本当だ。凄い」大したことでは無いのだが・・・。
 PCRレストラン。入ってすぐのテーブルに杉浦夫人がいた。
 つれは夫人のバディと男性一人。視た限りではどちらも洒落が分かるような雰囲気ではない。
 三人は殆ど食事を済ませてビールで盛り上がっている。
 その並びに席を占めた。
 メニューを広げて見た。大したものは無い。
 ダイビング雑誌から受けるイメージは趣のある高級レストランなのだが。
 「ビール飲もうよ」
 「どうぞ」
 「餃子も頼もうよ」
 「どうぞ」私は期待していない。胃痛を抑えられればなんでも良かった。
 「あと、なににする?」
 ステーキは喰いたくなかった。
 「この寿司、松(二人前)でいい。足りなかったら改めて注文しよう」 

 餃子。形が不格好なのは我慢できる。だが味は・・・?。
 寿司・・・似て非なるもの。問題外。
 雑誌の記事はまったくあてにならない。ポーンペイでの食い物は空腹を満たすだけと心得ていた方がよい。

 杉浦夫人たちのダイビングサービスはもう一つのフェニクスマリン。
 「何処へ行きました?」とバディ。
 「初日はパルキルでマンタが出ました」
 「私達もそうだったんですよ。小さなマンタでしたが」
 「それからアンツ環礁でしょう」
 「どうでした?アンツは」
 「よかったわよー。水中はそれほどでは無かったけれど砂浜が綺麗で」
 「ええっー!」
 バディと杉浦夫人の会話はとめどなく続いた。

 ・・・・・・

 この夜もロビーは宴会場と化していた。
 「いい歌、教えてやろうか」
 「なんや?」
 「♪マコ 甘えてばかりでごめんネ・・・ミキ(浪速シスターズ姉)はとっても 倖せなの・・・」愛と死をみつめてだ。
 「それ、・・・ミキだったけ?」とユキ姐。
 「この歌を知っているところをみると三十はとうにすぎているなオヌシ」
 「エッー。そんなことないもーん。ハタチだもーん。女子大生だもーん。お嬢様だもーん」

 ※バディ と 二十歳・女子大生・お嬢様のユキ姐(水底 推定三十五歳)

  つ づ く
 
  ※掲載順位がランダムなのでダイビング記事の目次を作りました。
  年代順となってます。

  ダイビング編目次

 



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