「文化遺産シリーズ」の一環として、「明治の光輝を訪ねて」をテーマに令和5年11月9日(木)、靖国神社、遊就館、明治神宮、聖徳記念絵画館を訪ねてきました。明治維新前後に国家のために尊い命をささげられた人々の御霊を拝し、明治維新以降の近代日本国家の興隆の中心として国民をリードされた明治天皇の遺徳を偲びました。
1 靖国神社
明治2年(1869)6月29日に明治天皇の思し召しにより建てられた「招魂社」に始まります。その位置は、皇居より高い九段層の台地であり、ここに明治天皇が御祭神である御霊を仰ぐ御心を拝すことができます。同7年1月27日、明治天皇が初めて御親拝になられ、「我国の為をつくせる人々の名もむさし野にとむる玉かき」の御製を残されています。同12年6月4日に社号が「靖国神社」と改称されました。
御祭神は、246万6千余柱におよびます。幕末殉難者関係では、天狗党を含む水戸藩出身者が1480余柱と、2位長州藩の700余柱を大きく超えていることに驚きました。遊就館では、大東亜戦争で戦死された若き兵士たちの凛々しい顔の写真群に身を正されました。境内には、軍馬、軍犬、通信鳩などの銅像も建てられ、慰霊されていました。
2 明治神宮
明治神宮は、明治天皇崩御後の大正9年(1920)11月1日に創建され、御祭神は明治天皇と昭憲皇太后です。資料として、明治神宮の社誌『代々木』が配られ、その中で元東大教授平泉澄博士の一文の高杉晉作東行が唱えた「強兵の本は、人心を一にするにあり」が印象的でした。平素は万民異なるところ有ってよいが、非常時には、全国民一致団結してこれに当たることが明治の精神であり、国家存立の基であることを再認識しました。
明治天皇の御製
実をすてていさををたてし人の名はくにのほまれとともにのこらむ
昭憲皇太后の御製
かくばかりみ国のためにつくすかとおもふにむねもいためけるかな
百年後の森として計画された人工の森ではありますが、その深淵さに身も心を清められた思いでした。
3 聖徳記念絵画館
明治神宮外苑のいちょう並木正面に見える近代西洋風の美術館が聖徳絵画記念館です。明治天皇の御生涯を軸に、幕末から明治の輝かしい時代の歴史的光景が80枚絵画に納められています。注目の絵画一点は、木村武山が描いた明治天皇が隅田の水戸小梅邸に行幸された絵です。勝海舟と西郷隆盛の江戸城明け渡しに関する会談の場面、水戸藩出身者で唯一明治政府の中で活躍された皇后・皇太后宮大夫香川敬三の雄姿なども印象的でした。
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