先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

EU、35年以降もエンジン車販売容認

2023年03月27日 11時59分06秒 | 日記

日経電子版2023年3月25日号で『EU、35年以降もエンジン車販売容認 合成燃料利用で』なる記事を載せていた。そうなると、合成燃料なるものが、今の石化燃料と同じ程度で得られるなら、現在のレシプロエンジン車がそのまま使えるので、われら貧乏人にはありがたい話である。

記事の要点は、欧州連合(EU)の欧州委員会とドイツ政府は25日、2035年以降も条件付きでガソリン車など内燃機関車の新車販売を認めることで合意したと明らかにした。温暖化ガスを排出しない合成燃料を使う場合に限り販売を認める。電気自動車(EV)化で先陣を切ったEUの政策方針が大きく転換するという。

合成燃料とは、数十年も前から、CO2とHとから、メタンを合成するというもので、いわば夢の燃料であるが、メタンガスといわずに合成燃料と言っているところに問題がありそう。。さて、最近、飛行機の燃料として合成燃料が最適ではと言われ始めているようだ。石化燃料は地球温暖化を促進するのみで、今の飛行機はこのままでは地球温暖化の元凶になりつつある。それで、電池飛行機も話題になったが、2次電池の重さが大きく飛行機適用には話にならず、そこに合成燃料が再び脚光を浴びたということのようだ。また、自動車でもLi電池駆動が、上手く行くと思われていたが、むしろ欠点が露呈された。価格が下がらないし、寒さに弱く、衝撃に弱いという。そこで飛行機で検討されている合成燃料が自動車でも検討されているということであろう。

天然ガスも石油と同様、炭化水素ですが、石油に比べて、環境への影響が低いといわれています。天然ガスは、メタンを主成分としていて、有害な一酸化炭素をはじめとする不純物をほとんど含まず、燃焼したときに発生する窒素酸化物、二酸化炭素の量が石炭や石油より少なく、硫黄酸化物は発生しないためです。
天然ガスの生産地は世界各地に広く分布していて、埋蔵量も豊富です。このため、長期的な安定供給・環境負荷の小ささという点で今後もさらに利用が進んでいくと考えられています。
実際、発電燃料や都市ガスの原料として使われるだけでなく、天然ガスで走る車が開発されるなど、その利用はどんどん進んでいます。

それでは合成燃料とは何かと思い、資源エネルギー庁の出している『資料CO2とH2から製造される「合成燃料」』を見ると以下の様に解説してあった。

合成燃料は、CO2(二酸化炭素)とH2(水素)を合成して製造される燃料です。複数の炭化水素化合物の集合体で、 “人工的な原油”とも言われています。原料となるCO2は、発電所や工場などから排出されたCO2を利用します。将来的には、大気中のCO2を直接分離・回収する「DAC技術」を使って、直接回収されたCO2を再利用することが想定されています。CO2を資源として利用する「カーボンリサイクル」(サイト内リンクを開く「未来ではCO2が役に立つ?!『カーボンリサイクル』でCO2を資源に」参照)に貢献することになるため、「脱炭素燃料」とみなすことができると考えられています。

もうひとつの原料である水素は、製造過程でCO2が排出されることがない再生可能エネルギー(再エネ)などでつくった電力エネルギーを使って、水から水素をつくる「水電解」をおこなうことで調達する方法が基本となります。現在主要な水素製造方法は、石油や石炭などの化石燃料から水蒸気を使って水素を製造する方法ですが、この方法と組み合わせると、①化石燃料から水素をつくる ②その製造過程で発生したCO2を分離・貯留する ③その後別の回収したCO2と合成する…ということとなり、非効率な製造プロセスになるためです。

なお、再エネ由来の水素を用いた合成燃料は「e-fuel」とも呼ばれています。こうして製造された合成燃料は、原油にくらべて硫黄分や重金属分が少ないという特徴があり、燃焼時にもクリーンな燃料となります。

メタンガスは可燃性ガスで燃料に最適だが、上の分子模型の示すように燃焼すればCO2が出てくる。ただ、このCO2は、地中から新たに掘り起して出てくるものではなく、空気中か、色々な製造物の生産過程から出てくるもので、良しというのだろう。しかし、エネルギー資源長の開設の中に、『原油にくらべて硫黄分や重金属分が少ないという特徴があり』という文言があるが、合成過程で触媒か何かが、メタンガスに混入するということだろうか?上記解説には、合成の問題点は指摘してないが、燃料会社の解説を見ると、石化燃料並みのコストでできる目途はたっていないという。依然として夢のエネルギーということか?

安心なのは、現在のレシプロエンジン車は、使い続けてもよい事だろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 伊勢神宮参道の食堂、非エン... | トップ | 核融合発電 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事