PLANET LULU GALAXY!

ルルの日記

秘密の花園 〈THE SECRET GARDEN〉ー人間と自然を信じるすべての人に捧げますー

2006-06-28 07:34:38 | 映画
コマドリが案内してくれた花園。
子供たちは、子供たちだけで花園に咲く植物、木々の世話をして、死んでしまっていたかのようだった花園は少しずつ息吹を取り戻し、それとともにそれぞれ孤独を抱えていた子供たちは明るい笑顔を取り戻していく。
自然の持つ魔法が子供たちの祈りと共に空間を超え、最愛の妻を失って息子をかえりみず放浪の旅を続ける悲しい父親の元に響く・・・。


私は、23歳で、それまでの疾走してきた無茶をやってきた人生にストップがかかり、自己崩壊。(←ちと大げさですが・・まさにそんな感じでした・・・。)
家に籠った最初の目的だったはずの小説を書くことも諦め、24歳の時に実家でしていたことは、膨大な量のパンを焼くこと。
そして、毎日毎日、来る日も来る日もパーフェクTVの映画チャンネルで、映画を見続けました。
(映画の中に生きることの起伏とトキメキを見出していました。)
復活の兆しは見えてこず、外の光も見えてこない・・・。
そんな真空状態で観た映画がこの映画です。


「秘密の花園」'93 アニエスカ・ホランド監督


監督のアニエスカ・ホランドは、ポーランドに生まれた女性監督。祖国ポーランドでユダヤ人の若者がナチ党員になりすまし、ヒットラーに忠誠を誓うという複雑なテーマを描いた社会派映画「ぼくを愛したふたつの国/ヨーロッパ・ヨーロッパ('90)を撮り、映画界で物議を呼びました。
彼女は「太陽と月に背いて」('96)では、当時のアイドル的俳優レオナルド・ディカプリオ、イギリスの演技派俳優デヴィッド・シューリス共演で、ランボーとヴェルレーヌ、詩人同士の愛憎の物語を描きました。

そんな社会に対してシニカルな視点を持った一筋縄ではいかない女性監督アニエスカ・ホランドが、フランシス・フォード・コッポラに呼ばれてハリウッドで撮った作品が「秘密の花園」です。総指揮に当たったコッポラは「人間の豊かな愛を信じるすべての人にこの映画は贈られる」と語ったそうです。

「秘密の花園」に出演した子役たちは大人が子役に期待する“子供らしい可愛らしさ”というステレオタイプなイメージを打ち壊してしまうような、しごくナチュラルでリアリティ溢れる“実に子供らしい実に可愛らしくない”子供たちが選ばれたようです(^_^;)

このことが、子供たちが内面に抱える孤独を伝えるのに成功していて、淡々と演技を続ける中、時々見せる笑顔が本当に極上の笑顔で、心に響いてくるのです・・・。

インドで両親を失って、母の兄が住む、イギリス・ヨークシャーに住む母の兄のお屋敷に引き取られることになった主人公メアリー。彼女は、ヨークシャーに来て、初めて仲良くなった相手であるコマドリを追っていくうちに、閉鎖された門を見つける。

案内役のコマドリ。イギリスの国鳥で、「マザーグース」にも登場しますね・・・!

ある日錆び付いた鍵をお屋敷の中で見付け、メアリーは門を開く・・・。
門を開くと荒れ果てた花園が・・・。
母を失い、父は妻を失った心の傷から旅を繰り返し彼に触れようともしない、孤独の中、病気によって死んでしまうことを恐れるメアリーの従兄弟コリン。メアリーの心を素朴な思いやりと“ある程度ほおっておく”お世話によって少し開かせることのできたお手伝いマーサ(←可愛い!大好き☆)の弟で、馬を乗りこなし、メアリーの前で芋虫を鳥のマネして食べたりする野生児のディゴン。

あまりにも可愛いすぎるのでマーサを載せさせてください♪メアリーとマーサです。

花園に集まった子供たちは花園の世話をすることで心を通わせていく。
物語の中では、子供らしい(人間らしい)相手へのヤキモチなんてエピソードもあって、可愛くないはずだった(何度もゴメンナサイ・汗 作品での設定もそうなのデス・・・。愛情を与えられず、ひねてやさぐれてしまった子供たち・・・。)子供たちが本当に可愛らしく愛おしく見えてくる・・・。
花園が癒えるように人間の心も癒されていきます・・・。

冒頭の、主人公メアリーが両親を地震で失った場所インドでの見ているこちらも汗ばんでしまうようなシーンも、引き取られた先のヨークシャーでの大地の向こうからヒースの叫びが聞こえてくるような寒々しいシーンも、すごく上手な描写だと思います。(それは、バーネットによる原作を忠実に再現しているようです。)そのシーンとのコントラストで、植物がめきめきと育っていく感動的なシーン(早送りで見る植物の成長ってほんと感動&興奮しますよね・・・!子供の頃、理科の番組とかでよく見ませんでしたか~?)と、子供たちの力で生き返った〈鳥が歌い、色とりどりの花が咲き、愛情と笑顔で溢れた花園〉のシーンが際立ってくるのです。

「秘密の花園」の原作者は、私がエイミー・マンの記事で名前を挙げた女性作家、フランシス・ホジスン・バーネットです。彼女の世の中、子供たちを見つめる視点はおしなべてビター(厳しめ)なのですが、それだからこそ絶望の中にあっても希望を忘れないで欲しいという彼女のメッセージが力強く伝わってきます。

私が「秘密の花園」を初めて見た時から、10年の時が経ちました。
傷付き、挫折した心は、時間と心優しい人たち(動物たちも・・)、あらゆる森羅万象に癒され、(あと、音楽を始めとする文化もそうかな・・?)ここに、なんとか元気に生きてます・・・
そして、今、自然が持つ、治癒力と、はかりしれない大きな力を信じたい気持ちです・・・


この記事を書くきっかけ&ヒントを下さったguitarbirdさま、guitarbirdさまと共に自然を愛するみなさま、本当にありがとうございました


秘密の花園ワーナー・ホーム・ビデオこのアイテムの詳細を見る


P.S.画像がちとばかり大きすぎるので、後で直します~!汗 
コメント (11)
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