シリウス日記

そうだ、本当のことを言おう。

その後の状況報告・1

2020-02-24 12:02:59 | 日記

スケジュール
次の重要なイベントタイミングは今年の「千曲川・犀川災害大規模氾濫に関する減災対策協議会」(4月末、あるいは5月上旬開催予定)であり、そこで今回の飯山水害に対して飯山市や河川事務所からどのような報告が行われるのか、という事の確認となる。
http://www.hrr.mlit.go.jp/chikuma/bousai/gensai/index.html

避難行動や発災時の初動対応についてアンケートを実施〜長野市被災した住民や市職員を対象に、
http://archive.md/pVYrG
長野市はこうして今回の水害について反省し、今後に生かすための行動をとり始めました。
しかしながら多大な被害を出したにもかかわらず、飯山市にはまったくその様な動きは見られません。

長野市対応の今後のスケジュール(案)
12月6日 「情報提供検討部会」の開催、設置
1月頃 避難実態の住民アンケート実施(長野市長沼地区等)
1~3月頃 課題の抽出、対応方針(案)の検討
3月頃 「千曲川・犀川大規模氾濫に関する減災対策協議会」にて報告を予定

PS(2020/2/24)
「千曲川逃げ遅れゼロを目指した情報提供検討部会」
http://www.hrr.mlit.go.jp/chikuma/news/kisha/pdf/r11209jyouhou_kentoubukai.pdf
『部会での検討内容
・住民への伝わり方(住民の受けとめ、理解、行動実態)住民アンケート調査

今後のスケジュール
3月頃 「千曲川・犀川大規模氾濫に関する減災対策協議会」にて報告を予定』

飯山市もメンバーになっている自治体で作る新しい部会で今回水害の「住民アンケート調査」を行う事が決まりました。

3月に発表会があります。

したがって、本来は聞きたくもないのですが、飯山市も住民の声とやらを聞く事になりました。

台風19号に伴う飯山地区の浸水状況等把握調査〜飯山市の台風19号調査〜2月29日まで
https://archive.fo/MyHGP

さて皆さん、一番大事な事を市役所に要求しましょう。
「市役所は今回水害に関連して、持っている情報を隠すことなくすべて公開すること」全てはここから始まります。

ちなみに、市役所が一番隠したがっている情報は「いつ、だれから 皿川樋門を閉めた という連絡を受けたのか?」という事です。
それが公開されると市役所と河川事務所のウソが見え始めます。
市役所が隠しているウソ(水害の原因)

飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧

PS(2020/3/2)
横丁大家さんブログの今日の記事
「家屋被害630件・事業所浸水被害147件〜未だ避難生活をしている人多数〜台風19号被害!」
https://ameblo.jp/mto193914/entry-12578948399.html

http://archive.fo/RwfVp

2枚目の写真に、皿川樋門が開いていた為、千曲川の水が皿川をJR鉄橋をこえて逆流しそこで水面に垂れ下がった木の枝にふれて白濁している様子が写っています。
そして、この写真は今回が初めての公開になります。<--逆流の証拠写真!!
これで6時5分から9時44分の間は「千曲川の水は皿川を逆流していた」という事が証明されました。<--このシリーズの「その9」を参照願います。
そうして、逆流が起きる、という事はつまり「皿川樋門は開いていた」という事です。

飯山市と河川事務所の大嘘があばかれました!!

追伸(5/3日)

待てど暮らせど
「千曲川・犀川大規模氾濫に関する減災対策協議会」が開かれた、という報告がありません。

そのかわりに多くの委員会が設立、運営されている様です。住民アンケートの結果報告はどうなったのでしょうか?またしても「不都合な事実が多いため」「闇から闇に葬られた」のでしょうか?

追伸の2

千曲川・犀川大規模氾濫に関する減災対策協議会が6月11日に、WEB会議形式=開催場所=千曲川河川事務所で開催されました。

上記記事より:『今回の会議は、令和2年度の本格的な出水期を前に、令和元年台風第19号出水を踏まえ、各機関における課題と今後の対応及び減災に関する取組の進捗状況や今年度の取組実施予定などを共有し、今後の洪水等に備えていくために開かれたもので、「台風19号の千曲川堤防決壊により大きな被害が発生した長野市住民の避難行動に関するアンケート調査の結果報告」などがありました。

このアンケート結果は、6月12日付の信濃毎日新聞でも報道されました。 

この会議の構成メンバーには飯山市も入っています。

・・・飯山市の「台風19号災害対応に対する検証」はどうなっているのででしょうか?

多方面からの検証を行い、その検証結果について早急に市民に公表し、その結果を市民と共有しつつ、新たな事態に対応しなければいけないのではないかと思います。』

飯山市の住民アンケート結果はどうなっているのでしょうか?区長さん達とお茶を飲んでそれで話は終わりですか?飯山市のやり方には失望するばかりであります。

追伸の3(2020/7/2 記)

第六回 千曲川・犀川大規模氾濫に関する減災対策協議会 の詳細が公開されました。
内容詳細は前記リンク先にてご確認ねがいます。
それにしても、飯山市の発表内容の貧弱な事。
「本当にやる気がある」のでしょうか?
大いに疑問であります。

 

・台風19号時の流量 千曲川2カ所 過去最大 (信毎Web)

国が千曲川の流量を調べるため県内3カ所に設けている観測所のうち、上田市生田と中野市立ケ花で昨年10月の台風19号災害時、過去最大の流量を記録したことが10日、国土交通省千曲川河川事務所(長野市)の調査で分かった。千曲市杭瀬下の観測所は川の流速を正確に計測できず、流量を計算できなかった。

 同事務所は、川の断面や流速などから1時間ごとの流量を算定。一部の観測所では暫定値を示していたが、同日までに確定値をまとめた。

 3カ所の観測所で最も上流の生田では、昨年10月12日午後9時に最大の毎秒7267トンを記録。立ケ花では同13日午前4時が最大で、同8387トンだった。計算できなかった杭瀬下は生田より下流にあるため、生田よりも流量が多かったとみられている。

 国が2014年に作成した「信濃川水系河川整備計画」は千曲川の氾濫を防ぐため、おおむね44年度までに立ケ花で毎秒7300トンの流量に対応するとしているが、台風19号の流量はこれを同約1千トン上回った。杭瀬下は同4千トンが目標で、実際の流量の方が上回った可能性が高い。生田は目標の流量が設定されていない。

 国や県、流域自治体が進める「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」は27年度までに、台風19号と同程度の雨が降っても千曲川で越水しないことを目指す。同事務所は今後、遊水地の新設や河道掘削で流量を確保できるようにする方針だ。(2020年6月11日)

 

飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧

 


飯山市の水害(台風19号)に見る問題点の検討・一覧

2020-02-21 05:17:43 | 日記

1・シリウス日記2:台風19号 飯山水害の研究 :

・・・それ以外にもこれほどの衆人監視の中で起こった水害、というのもまためずらしく、そのためにネット上には多くの情報が寄せられている。だが飯山市はまったくそれらを無視しており、自分たちに都合の良い、小さな視点でまとめた報告書を提示して「これで十分だ」としている。

さてそんなことはない、これらの貴重な情報を後日の為にまとめて整理しておくとはまことに大事な仕事であるはずだが、飯山市はそのような事を言うだけで何もしない。・・・

2・毎秒9000トン、流れてきていたらどうなっていたか? :

・・・台風19号の際の立ケ花観測所(中野市)の流量は、決壊した千曲川堤防(長野市穂保)からの流出分も含めて最大で毎秒9000トンに達していたとみられる。だが、現行の整備計画は被災前にまとめたものだったため、当時は戦後最大とされた1983年の台風10号を念頭に置いた毎秒約7300トンの流量で目標設定していた。・・・

3・台風19号 長野市 穂保地区の状況 :

・・・千曲川の堤防が決壊したらどういう事になるのか、という事がよく分かる動画資料です。そうしてこれは他人事ではなく、飯山でも千曲川堤防決壊で起こりうる姿なのです。ちなみに穂保では最大時、毎秒900トンの水が流れ出した、とされています。・・・

4・台風19号 飯山での千曲川の状況 :

・・・台風19号襲来時、飯山での千曲川の状況といえば川面地区およびその下流域での千曲川氾濫、そうして静間バイパスでの千曲川の氾濫である。いずれの場所についても飯山市は避難勧告を出していないのであり、大変なミスをしているのである。・・・

5・台風19号 飯山 千曲川避難勧告発令の1 :

飯山市が避難勧告を出すのが遅かった場所が2つ、避難勧告を出せなかった場所が3つある。 これら5つの内、4つの場所では実際に千曲川からの越水による浸水被害が発生した。

6・台風19号 飯山 千曲川避難勧告発令の2 :

千曲川からの逆流が樋管・樋門のゲートの閉め忘れ、故障により閉まらなかった、閉めるのが遅れた事により堤内に流れ込んだ場所が4か所ある。これらの場所については明らかに人災である。

7・台風19号 飯山 千曲川避難勧告発令の3 :

飯山市市街地に避難勧告を出せなかった市長の「理由にならない」「非常識な」言い訳け。樋門操作員について回る不可思議な事実。

8・飯山水害「なぜ皿川は氾濫したのか」の1 :

・・・ちなみに上記の説明のなかで「排水ポンプ車の事前準備なしで」とありますが、この事前準備をする主体は飯山市なのです。そうして飯山市がその様に排水ポンプ車を事前準備・事前に依頼していなかった理由は飯山市がたてた水防計画にあります。「今回の台風19号を迎えるにあたっては従来通り皿川樋門は開けっ放し対応とする」とそこには書かれていたはずです。

しかしそのような内容は上記のマスコミ発表の中には出てきません。あのマスコミ発表は「悪いのは河川事務所で、飯山市にはおちどがない」と主張するのが目的だったからです。・・・

9・飯山水害「なぜ皿川は氾濫したのか」の2 :

・・・皿川もまた千曲川の水位上昇にしたがってバックウオーターの影響がでてきて皿川の水位が上昇します。問題はその次の状況です。皿川の水位が上昇し、樋門入口のトンネル上端をこえてそれをふさぐほどになった時に、今までは千曲川に流れ出していた皿川の水が流れださなくなりました。

そうして急速に皿川の水位が上昇し始めたのでした。皿川上流からはそれなりの流量で水が流れ込みますから、千曲川に排出されない水はどんどんとその場所に溜まりこみ、皿川ダム湖を作り出していきます。・・・

10・飯山水害 皿川堤防決壊の前と後の皿川氾濫状況 :

1、皿川堤防決壊前  最初の越水は左岸M建設前の道路で確認されました。場所の確認用として以下の画像を上げておきます。右岸堤防中ごろから千曲川方向、皿川橋をみたものですが、左側の屋上に看板がでているあたりがM建設前道路となります。

・午前6時30分頃 千曲川堤防方向 : https://archive.fo/6PpWP :堤防上で排水ポンプ車が排水作業中 画面左、軽トラが止まっている駐車場の前あたりの道路から左岸越水 左端の赤い屋根の後ろの建物が有尾中継ポンプ場・・・

11・飯山水害「なぜ皿川堤防は決壊したのか」の1 :

前述したように千曲川の水位上昇に伴って皿川の水が千曲川へ流れ出さなくなりました。その理由として流出が人為的に遮断されたのか、それとも自然に遮断されたのか、2つの可能性がありますが今はその真偽を問わずに話を進めます。

いずれにせよ流出できなくなった皿川の水は樋門の前に溜まりはじめ、皿川ダム湖を作りはじめます。そうしてついには満水に至り、左岸M建設側の道路へと越水し始めました。・・・

12・飯山水害「なぜ皿川堤防は決壊したのか」の2 :

・・・皿川右岸堤防はJR線路を堤防の一部として組み込んでいた、不完全堤防であった、という事になる。線路と言うものは堤防の代替えにはならず、堤防の上を線路は走る、と言うのが基本であるからである。(注1)

これは今回水害の前の皿川堤防かさ上げ、それから法面の耐水化や幅の拡充などの対応がとられてきてはいるが、それでもその弱点は残ったままであった。ちなみに残念な事には今回の決壊した場所の法面の耐水化は行われてはいなかった。・・・この点は堤防を管理・メンテナンスする責任をもつ長野県のミスであろう。この事については長野県は責任を免れない。・・・

13・飯山水害 皿川樋門は開いていた :

・・・皿川樋門のゲートが降りていなかった、という決定的な、直接的な画像がありました。・水門の閉鎖、国伝えず 長野・飯山の皿川、堤防決壊 (中日) : https://www.chunichi.co.jp/article/39265 <-写真をクリックすると拡大できる。皿川で排水作業中のポンプ車1台、確認可能。ちなみにこの画像は昼ごろ飯山市がとばしたドローンによるもの。

拡大画像で皿川樋門を見てください。ゲートが降りていない事が確認できます。分かりにくい時は150%に拡大しましょう。はい、お疲れ様でした。貴重な画像を提供していただいた飯山市には感謝する次第であります。・・・

14・「河川事務所の報告は成立していない」の1  :

前のページでは「皿川樋門が開いていた」という「実際に起こった事」の状況を見ていただいた。さてそうなると「河川事務所が出してきた報告書はどうなるんだ?」という事になる。

・情報公開請求によって河川事務所から提示された皿川樋門操作記録:https://archive.fo/NOD6b  : https://archive.fo/ffrn2

ここに挙げた樋門操作記録なる「一枚の紙きれ」が「皿川樋門が閉まっていた証拠だ」と河川事務所も飯山市もそう主張する。そうして本当にそれ以外の証拠は何もない。・・・

15・「河川事務所の報告は成立していない」の2 :

・・・ここにも、千曲川水位上昇によるバックウォーター(逆流)が発生。
と明記されています。』これが17日発表のプレス発表 第一報になると「皿川樋門が閉まっていた為」と変化します。

さて14日以降17日プレス発表までの間に飯山市と河川事務所、そうして委託樋門操作員との間でどのような会話がかわされたのでしょうか?分かる事はその結果、「千曲川水位上昇によるバックウォーター(逆流)が発生した為」という理由は取り下げられ代わりに「操作員が樋門を閉めた為」となりました。・・・

16・「河川事務所の報告は成立していない」の3 :

・・・報告によれば樋門操作員が再びその場所に出動したのは13日の14時とされる。その時には皿川樋門の前では排水ポンプ車が一台、排水作業にあたっていた。

13日9時頃の皿川樋門前の状況: https://archive.fo/8RpSJ 

14時であれば周囲はもっと明るくなっていた事であろう。そうして排水ポンプ車を操作している作業員はそこにいた。だがその作業員は再出動した樋門操作員を見る事はなかった。そのかわりにもっと不思議な光景を目にしていた。樋門操作員が現れた形跡がないのにもかかわらず、樋門のゲートがすでに上がっているのを確認していたのである。・・・

17・皿川氾濫「飯山市の主張は成立していない」 :

・・・飯山市はここで事実と異なる事をマスコミに伝えている。「基準はなかった」のではなく「基準はあった」。それを書いたマニュアルは存在したのである。以下に現物を示す。

・「避難勧告等の判断・伝達マニアル」変更履歴 : https://archive.fo/Hr34x

・「避難勧告等の判断・伝達マニアル」内水氾濫発令基準 : https://archive.fo/Ge9M7

さて現物によれば「判断基準」も「避難区域」も決められている。という事は「存在していた基準」を「存在しない」とマスコミに伝えていた訳だな、飯山市は。そういうのは世間では「ウソつき」と呼ばれるのだよ、市役所の諸君。(注1)・・・

18・飯山市と河川事務所の芝居は成立していない :

・・・河川事務所が出してきた報告書にも「操作員はゲートを降ろした後で飯山市に連絡した」という記載がある。

・情報公開請求によって河川事務所から提示された皿川樋門操作記録:https://archive.fo/NOD6b  : https://archive.fo/ffrn2

そうであればもともと河川事務所は信毎を呼んで「我々が飯山市に連絡をしなかったのが悪いのだ」などという様な事を言う必要などどこにもないのである。なんとなれば委託契約をしている樋門操作員が河川事務所が定めた手順に従ってちゃんと市役所に連絡している事になっているからである。

19・「皿川氾濫・決壊に対する避難勧告発令」の1 :

・・・1、事前準備  10月11日~12日にかけて 「台風19号襲来に備えて皿川樋門を閉める」という水防計画を立てなかった。(飯山市がしなかった事の1)(注1)

これは「皿川樋門を閉める必要がある程の千曲川の水位上昇が起こりうる」という事を飯山市が理解していなかった為である。あるいは言い換えれば「どのような台風がきても皿川樋門は開きっぱなしで大丈夫である」と勘違いしていた、という事でもある。

そうしてまた、それゆえに皿川に対しては今井川、日光川に対して行った様な「事前の排水ポンプ車の手配」を行わなかった。(飯山市がしなかった事の2)(注2)・・・

20・「皿川氾濫・決壊に対する避難勧告発令」の2 :

・・・有尾区への避難勧告は市役所職員が左岸越水を現地確認・報告した2時半直後には何の問題もなく発令可能であり、またそうすべきであった。しかし対策本部はそのようにしなかった。

これは有尾区区長と懇意にしているその地区の消防団員にして委託樋門操作員、M氏が「皿川が氾濫しそうだから避難した方がいい」と2時10分に「私的に連絡を区長に入れたから」である。そうしてこのM氏が今回の皿川氾濫の真実を証言できる唯一の方なのである。ちなみにこのM氏の自宅も皿川が氾濫した場合には浸水する事になる場所にあった。(注6)

その連絡に応じて区長は有尾区民を避難させ始めた。そうして、その事を知った対策本部は「避難勧告は市長にしか出せない」という事を忘れていて「ああ、それなら有尾区は避難連絡済み」とした。・・・

21・「皿川氾濫・決壊に対する避難勧告発令」の3 :

・・・このページで検討するべき内容は「城山雨水排水ポンプ場が動いていたら」つまり「ポンプ場が耐水化されていて、ポンプ場外に氾濫水が水位1m程も押し寄せてもポンプ場内に氾濫水が浸入する事はなく、従ってポンプが異常停止する事が無かった」としたら、飯山市の主張は本当に成立していたのか、という事になります。

勿論この場合の飯山市の主張は「避難勧告を出すエリアは有尾区、北町区、そうして田町区で十分であった。」という事ですね。

つまり「それ以外の場所には氾濫水は押し寄せる事はなかった」と飯山市は主張しているのであります。・・・

22・「城山の雨水排水ポンプ場は能力不足」の1 :

2、ポンプ場に流入する雨水が増えてもいないのに、何故3台目のポンプを動かす必要があったのか?

実は1時50分の時点ではそれまでよりもポンプ場に流入する雨水の量は減っていました。にもかかわらずポンプ場貯水池の水位は上昇を続け、つまりは2台の排水ポンプを稼働させただけでは排水量が足りず、したがってポンプ場の担当者は3台目のポンプを稼働させることになったのです。

ほほう、何故そんな事になるのですか?千曲川の水位が上昇した為です。・・・

23・「城山の雨水排水ポンプ場は能力不足」の2 :

・・・当初我々は「それはどこからかは知らないが雨水のほかに排水ポンプが排除しなくてはならない水が貯水池に流れ込んできたためだ」と推測しました。(注3)これは市長の「1台あたり1分間に110トンの排水能力をもつ排水ポンプだ」という主張を鵜呑みにした結果でした。

しかしながら市長のこの発言・主張は千曲川の水位上昇の影響を排水ポンプが受ける事を無視した「お話にならない主張だった」のです。

事実はと言えば「1時50分のタイミングでは2台の排水ポンプが動いていたにも関わらず貯水池の水位は上昇し続け、あふれ出すまであと50センチを残すほどにまでなっていた」のです。・・・

 

 


その11-1・飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討

2020-02-15 16:18:57 | 日記

以下「横丁大家さんブログ」から引用
http://archive.md/Ggpn4

『皿川樋門の台風19号の樋門操作記録が明らかになりました。
樋門操作記録は、日立市にお住いのMさんが、情報公開により入手されたものです。
その資料は「操作に関する記録」
皿川樋門
出水時操作 操作人数2名
操作の開始 10月12日20時55分
操作の終了 10月13日22時20分
操作時の気象・水象情報  10月12日雨 10月13日くもり 
開始時 外水位 3・05m  内水位3・05m(注5)
終了時 外水位 4・61m  内水位4・74m
退避時の状況 外水位6・23m  内水位6・43m
退避指示日時 10月13日  1時29
退避開始日時 10月13日  1時30分
退避完了日時 10月13日 1時44分
再出動日時  10月13日 14時
特例操作の理由 台風19号による出水
操作の際に行った通知の状況 飯山市役所および樋門周辺区の区長へ連絡
ゲートの操作状況等 10月13日1時44分 1号ゲート・2号ゲート閉操作
          外水位 6・23m 内水位 6・43m 
10月13日15時30分 1号ゲート・2号ゲート開操作
          外水位 6・38m 内水位 6・40m 
なお、令和1年10月28日報告   報告受理年月日 令和1年11月 1日
となっています。』

いろいろと興味深い情報が入っています。
樋門は2人の操作員によって操作された、と。

第一章
その2名によって『操作の際に行った通知の状況 飯山市役所および樋門周辺区の区長へ連絡』とされていますが、1時45分あたりに飯山市にこの連絡が入った、という情報はありません。
実際、第一通報者が2時15分に飯山市に「水があふれた」という電話をした際の飯山市の受け答えは「えっ、あふれた?」でありました。(注1)

この第一通報者より前に樋門操作員から飯山市に「樋門を閉めた」という連絡が入っていれば、電話の受け答えは「えっ、あふれた?」というような、「不意をつかれた、予想外の出来事に驚いた」と言うようなものではなかったと思われます。
その場合の受け答えは「分かりました。早急に避難してください。」とかなんとか、そういうものであったはずです。

どうしてかといいますと、皿川には排水ポンプ車は事前に配置されてはおらず、その状態で樋門を閉めれば水があふれる事は少なくともその時に市役所に詰めていた「対策本部構成員の方々」にとっては「常識であったから」であります。
そうであれば「樋門を閉めた」という連絡を受けた市役所はすでにその対応を始めており、したがって住民からの「水があふれた」と言う連絡に対しては「その件は想定済である」という反応をしたでありましょう。

それから『区長への連絡』とありますが、有尾地区区長へ消防団から連絡が入ったのは水があふれた後であった模様で、区長の皿川左岸住民への避難指示連絡が遅れて、そのために避難できずに家に取り残された住民の方々が発生しました。(注2)
つまり樋門操作員は1時44分に樋門を閉めた後に「区長に連絡をしていない」、という事になります。(注6)

樋門操作直後に河川事務所の主張する様な「操作員から区長への連絡」があったならば、2時15分に水が左岸を越水する前の周辺住民の避難は可能であったと思われるからであります。

以上の事から、河川事務所が返答してきた報告
『操作の際に行った通知の状況 飯山市役所および樋門周辺区の区長へ連絡』
というのは事実ではない、という事が分かります。

そうしてまたこの報告は河川事務所自らが行った新聞発表「信毎ニュース・ウェブ版」の内容とも矛盾しています。
・皿川の水門閉鎖、国交省が飯山市に通知せず 30分後越水し中心部浸水
http://archive.md/jBxn9

それともこれは「樋門操作員は飯山市に連絡したが、河川事務所は飯山市には連絡しなかった」という「訳のわからないお詫び会見の記事」なのでしょうか?
しかしこの記事を受けた飯山市長の反応は「河川事務所からの連絡がなかったのは遺憾である」というものでした。

飯山市長は「樋門操作員からは連絡を受けたが、河川事務所から連絡がなかったのは遺憾である」と言っているのでしょうか?
それで避難勧告や飯山市のその後の対応が後手に回った、と。

そうだとしたらこれは本当に「おかしな市長の主張」であります。
それに輪をかけて飯山市は今までの所「いったい何時、皿川樋門が閉められた、という連絡を受けたのか」、それから「誰からその連絡を受けたのか」、それらの事に関しては一切の情報を公開していないのであります。

ちなみにそのような飯山市の態度というものは、残る2つの国管理の樋管、飯山樋管と栄川樋管についても同様であります。

注1
皿川の水門を閉めたのは…
https://minkara.carview.co.jp/userid/2158429/blog/43438514/
http://archive.md/F45JX
『・・・
だから「溢れたよ」の第一報(しかないけど)を入れた時、電話の相手が「え!溢れた?」って反応だったのか』

注2
情報発信
https://minkara.carview.co.jp/userid/2158429/blog/43435860/
http://archive.md/sn0Nj
『・・・「皿川の水門を閉めたので、皿川溢れるからって2時頃?過ぎ頃?有尾の区長へ消防団から連絡があったから、区長は皿川の周りに住む人に電話して公民館へ避難しろって言ったって」
「でもね俺んち(GARAGE)側の住民はもう逃げ遅れてたんだよね」』

注5
開始時 外水位 3・05m  内水位3・05m

この記述は引用したブログからのコピーですが、後日、以下の様に修正が入りました。

開始時 外水位 3・05m  内水位3・19m

注6
つまり樋門操作員は1時44分に樋門を閉めた後に「区長に連絡をしていない」、という事になります。

この部分の記述は後日報道された信濃毎日新聞の記事により以下の様に変更されます。
http://archive.fo/Q7J1l
『13日2時10分ころ
樋門操作員が地元区長に「樋門を閉めた。避難した方がいい。」と連絡。』
ちなみにこの記事は「その3」で示した「ウエブ記事」に追加取材し、加筆して印刷された模様です。

そうして、残念ながらこの樋門操作員氏の連絡でも皿川周辺の方々の避難には十分ではなく、逃げ遅れた方が発生したのでした。

さてその上でこの辺りの状況を整理いたしますと
1、皿川樋門は開いていた。
2、しかしバックウオーター現象の為に皿川で越水が発生した。
3、皿川が満水に近い事を知った樋門操作員は周辺住民の避難が必要であると判断し顔見知りの区長に「俺が樋門を閉めたから、避難した方がいい」と電話した
4、閉めてもいない樋門を「閉めた」と説明したのは、その説明が区長や周辺住民に分かりやすかったからである。
5、したがって樋門操作員はこの時点で皿川に「本当は何が起きていたのかは知らなかった」。
6、実際には皿川樋門は閉めていないので市役所への報告は「河川事務所から指示されたルールに従って」行わなかった。
(指示されているルールでは「樋門を閉めたら市役所と区長に連絡」である。)
7、それではなぜ河川事務所のルールを無視してまで、区長にはウソの説明をして連絡をいれたのか?
8、地元で暮らす樋門操作員氏にとっては「河川事務所の指示」よりは「地元住民との関係の方が重要であったから」である。
9、しかしそのような樋門操作員氏の「男気に基づいた行為」をその後、まことに卑劣な連中が「樋門を閉めた事にしよう」と言うウソの説明、そういう言い訳に使う事にした。
10、これは「男気からでたまこと」が「その後、勝手にウソの説明に転用された」という、本当に許しがたい状況なのである。

追記
さて以上の様な状況に対応した市役所内部での情報の推移は以下の様なものになる。
1、まずは「皿川があふれた」で「樋門が開けっ放し」だから「バックウオーター」だな、となった。<--13日早朝、県に報告を上げる時点。http://archive.fo/EdLrg (注7)
2、次に「水害の大きさに驚いて」「樋門開けっ放しはまずい」となった。
  なぜなら「樋門開けっ放し」だと「千曲川の水が市内に逆流した事がばれる」から。<--13日昼~14日にかけて被害状況がわかるにつれて
3、それで「実はバックウオーターではなく樋門が閉められていた」という事にした。<--17 日午後 4 時報告の第一報時点。
4、そして樋門操作員から「樋門を閉めた」という連絡を市役所が受け取った事にした。
5、しかしよく考えると、それでは市役所の対応のまずさが目立ちすぎる事に気が付いた。
6、それで「河川事務所が市役所に樋門を閉めたという連絡をするのが遅れた」と言う事にした。<--水害から1か月以上たった11月21日時点で-->「その18」に続く

注7
県への報告
https://www.pref.nagano.lg.jp/bosai/documents/dai4.pdf
P31
〇飯山処理場 ポンプ施設の機能停止
①現状
・千曲川の水位上昇によるバックウォーター(逆流)が発生。
・これにより、飯山処理場の有尾中継ポンプ場他マンホールポンプ施設3か所が機能停止。
②対応
市職員が状況を確認中。
対策を検討中

追記 その22021/6/16:その後市議会議事録を再確認する事によって17日に開かれた飯山市が市議会議員に説明をする場所で飯山市は「樋門操作員から2時頃に樋門を閉めた、という連絡をもらった」と説明した事が判明した。: ・参考資料の2 

この事実は上記注6追記で書かれた内容を補強するものである。

そうして情報の流れを整理するならば、

楽農家さんから2時15分に「皿川氾濫」の情報が市役所に入るー>
市役所は現地に「確認の為の」職員を派遣したのちに、顔見知りの樋門操作員に電話をした。ー>
樋門操作員から「有尾区長に電話をした」という情報を入手。->
有尾側には「避難勧告発令と同様の状況になっている事」を市役所が認識ー>
したがって職員から「皿川の有尾側への越水を確認した」の情報が入っても、有尾側に対してすぐに避難指示を出さなかった。->
しかし北町区側に避難指示を出した後で、有尾側に「公式な形で避難勧告を出していない事に気が付いた」。->
このままでは後日の記録の報告の時にまずい、という事になって、あわてて有尾側にも「改めて、実質上はあまり意味のない避難勧告」を発令した、のである。

以上が「北町への避難勧告よりも最初に越水を確認した有尾側への避難勧告が遅れた理由」である。 : 「令和元年台風19号台風関連災害経過報告 令和元年 10 月 17 日午後 4 時現在」 : https://www.city.iiyama.nagano.jp/assets/files/senryaku/press/1017iiyama.pdf

 

飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧


その11-2・飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討

2020-02-15 16:09:13 | 日記

以下「横丁大家さんブログ」から引用
http://archive.md/Ggpn4

『皿川樋門の台風19号の樋門操作記録が明らかになりました。
樋門操作記録は、日立市にお住いのMさんが、情報公開により入手されたものです。
その資料は「操作に関する記録」
皿川樋門
出水時操作 操作人数2名
操作の開始 10月12日20時55分
操作の終了 10月13日22時20分
操作時の気象・水象情報  10月12日雨 10月13日くもり 
開始時 外水位 3・05m  内水位3・05m(注5)
終了時 外水位 4・61m  内水位4・74m
退避時の状況 外水位6・23m  内水位6・43m
退避指示日時 10月13日  1時29
退避開始日時 10月13日  1時30分
退避完了日時 10月13日 1時44分
再出動日時  10月13日 14時
特例操作の理由 台風19号による出水
操作の際に行った通知の状況 飯山市役所および樋門周辺区の区長へ連絡
ゲートの操作状況等 10月13日1時44分 1号ゲート・2号ゲート閉操作
          外水位 6・23m 内水位 6・43m 
10月13日15時30分 1号ゲート・2号ゲート開操作
          外水位 6・38m 内水位 6・40m 
なお、令和1年10月28日報告   報告受理年月日 令和1年11月 1日
となっています。』

第二章
『ゲートの操作状況等 
10月13日1時44分 1号ゲート・2号ゲート閉操作
          外水位 6・23m 内水位 6・43m 』
栄川樋管のサイドには水位標がついています。
その水位標に外水位6.23mの位置を示したものがこれです。
http://archive.md/mFWbQ

同様に内水位6.43mを示したものはこれになります。
http://archive.md/CTqoA

この内水位を示した水位標の最大値は8.5mであり、その高さは皿川橋の欄干の下あたりに相当します。
そうして皿川樋門での水位標の0mの標高は地図データから308.7mである事が読み取れます。(注6

さて、2時15分にM建設のまえから水があふれました。
そうして目撃証言から実は2時を越えたあたりですでに皿川堤防内は満水になっていた事がわかります。

「でさ、2時過ぎに見に行ったら満水でさ。・・・」
http://archive.md/sn0Nj

つまり2時5分頃には満水であり2時15分にはそこから越水し始めた、という事が分かります。
そして樋門を閉めた時刻が1時44分ですから、30分で水位が6.43mからM建設前の標高317.5mを越えた事にになります。

さて水位標の0mが308.7mでしたから、内水位6.43mの標高水位は315.1mとなります。
これが317.5mを超えるのに必要だった時間が30分だと千曲川河川事務所は主張しているのです。

317.5-315.1=2.4m
ふむ、2.4mの水位上昇が30分で起きました。

一時間で4.8mに達する水位上昇です。
これほどの水量が皿川上流からこの時に流れてきていた、と河川事務所はいいます。

そうして事実は「そんなことはありえない」のです。
この水量はどれくらいかと言いますと、皿川内に水がない状態からほぼ1時間で満水になる、という事を言っているからです。(注4)

さてどうしてこんなバカな事を河川事務所は主張することになったのでしょうか?
それは1時44分の時の内水位を水位標をつかって目視確認していないからです。

そうではなく、皿川樋門の上流約250mの位置にある飯山観測所の水位データを使って計算により皿川の内水位を推定しているからです。(注3)
(飯山観測所の水位データは飯山市が目視確認して公表しています。)

つまり千曲川河川事務所が主張する様な「1時44分に皿川樋門を閉めた」とする樋門操作員は実在していない、という事です。
しかしながら、河川事務所は「1時44分に樋門は閉めた」と公表していました。

そうしてその後はダンマリを決め込んでいましたが、情報公開請求をうけて「実在しない樋門操作記録」を公開せざるをえなくなり、それで机に向かって一生懸命計算し、作文したのでした。
しかしそうやって公開された情報は、皿川でその時に起きていた現実とはかけ離れたものであったという結果に終わりました。

注3
実際に飯山観測所の水位データを使って、飯山市の持っている(=千曲川河川事務所と共有している)それぞれの水位標の標高データ、千曲川河床の平均勾配数値をつかって計算すると千曲川河川事務所が公表した数値が再現できます。

注4
皿川および千曲川左岸堤防~千曲川の地図を以下に示します。
http://archive.md/R33pS

画面左上から右下に流れているのが皿川で画面の右端に千曲川左岸堤防とそこに作られた皿川樋門の操作室、それから千曲川本流が描かれています。
堤防道路から枝分かれして左下方向に市道が市街地に向かって走り、皿川をまたぐ所に皿川橋がかかっています。

左岸道路とほぼ直角にクロスしているこげ茶色の線は飯山線を示しています。
それから画面中央のクロスカーソルの位置が皿川左岸での越水場所(M建設前)となり、そこの標高値は画面左下に317.5mと示されています。

航空写真ではこうなります。
https://www.google.com/maps/@36.8609606,138.3681674,241m/data=!3m1!1e3

そうして皿川橋から皿川上流を撮影した写真が以下のページの最初の写真になります。
この川が決壊した!;皿川(長野県飯山市)
この写真は14日か15日あたり、氾濫が収まってから相当に早い時期に撮影されたものと思われます。
写っている川が皿川でその右岸堤防も写っていますが、左岸道路はフレームアウトしています。

そうしてこの堤防のなかいっぱいに皿川の水が溜まり、左岸道路に越水、右岸堤防を越水しそこを破壊、決壊させたのでした。
(右岸決壊場所は飯山線と堤防の接続部分ですが、写真からはフレームアウトしています。)

注5
開始時 外水位 3・05m  内水位3・05m

この記述は引用したブログからのコピーですが、後日、以下の様に修正が入りました。

開始時 外水位 3・05m  内水位3・19m

注6:ここでは皿川水位標のゼロ点標高を「地図読みから308.7m」としていますが、これは内水位計がある場所の標高でした。

実際の皿川水位標のゼロ点標高は公称の309.1mを使うのがより正しい事になります。

追記
これ以降の詳細な検討は「その25-4」に続きます。


飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧