シリウス日記

そうだ、本当のことを言おう。

その11-2・飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討

2020-02-15 16:09:13 | 日記

以下「横丁大家さんブログ」から引用
http://archive.md/Ggpn4

『皿川樋門の台風19号の樋門操作記録が明らかになりました。
樋門操作記録は、日立市にお住いのMさんが、情報公開により入手されたものです。
その資料は「操作に関する記録」
皿川樋門
出水時操作 操作人数2名
操作の開始 10月12日20時55分
操作の終了 10月13日22時20分
操作時の気象・水象情報  10月12日雨 10月13日くもり 
開始時 外水位 3・05m  内水位3・05m(注5)
終了時 外水位 4・61m  内水位4・74m
退避時の状況 外水位6・23m  内水位6・43m
退避指示日時 10月13日  1時29
退避開始日時 10月13日  1時30分
退避完了日時 10月13日 1時44分
再出動日時  10月13日 14時
特例操作の理由 台風19号による出水
操作の際に行った通知の状況 飯山市役所および樋門周辺区の区長へ連絡
ゲートの操作状況等 10月13日1時44分 1号ゲート・2号ゲート閉操作
          外水位 6・23m 内水位 6・43m 
10月13日15時30分 1号ゲート・2号ゲート開操作
          外水位 6・38m 内水位 6・40m 
なお、令和1年10月28日報告   報告受理年月日 令和1年11月 1日
となっています。』

第二章
『ゲートの操作状況等 
10月13日1時44分 1号ゲート・2号ゲート閉操作
          外水位 6・23m 内水位 6・43m 』
栄川樋管のサイドには水位標がついています。
その水位標に外水位6.23mの位置を示したものがこれです。
http://archive.md/mFWbQ

同様に内水位6.43mを示したものはこれになります。
http://archive.md/CTqoA

この内水位を示した水位標の最大値は8.5mであり、その高さは皿川橋の欄干の下あたりに相当します。
そうして皿川樋門での水位標の0mの標高は地図データから308.7mである事が読み取れます。(注6

さて、2時15分にM建設のまえから水があふれました。
そうして目撃証言から実は2時を越えたあたりですでに皿川堤防内は満水になっていた事がわかります。

「でさ、2時過ぎに見に行ったら満水でさ。・・・」
http://archive.md/sn0Nj

つまり2時5分頃には満水であり2時15分にはそこから越水し始めた、という事が分かります。
そして樋門を閉めた時刻が1時44分ですから、30分で水位が6.43mからM建設前の標高317.5mを越えた事にになります。

さて水位標の0mが308.7mでしたから、内水位6.43mの標高水位は315.1mとなります。
これが317.5mを超えるのに必要だった時間が30分だと千曲川河川事務所は主張しているのです。

317.5-315.1=2.4m
ふむ、2.4mの水位上昇が30分で起きました。

一時間で4.8mに達する水位上昇です。
これほどの水量が皿川上流からこの時に流れてきていた、と河川事務所はいいます。

そうして事実は「そんなことはありえない」のです。
この水量はどれくらいかと言いますと、皿川内に水がない状態からほぼ1時間で満水になる、という事を言っているからです。(注4)

さてどうしてこんなバカな事を河川事務所は主張することになったのでしょうか?
それは1時44分の時の内水位を水位標をつかって目視確認していないからです。

そうではなく、皿川樋門の上流約250mの位置にある飯山観測所の水位データを使って計算により皿川の内水位を推定しているからです。(注3)
(飯山観測所の水位データは飯山市が目視確認して公表しています。)

つまり千曲川河川事務所が主張する様な「1時44分に皿川樋門を閉めた」とする樋門操作員は実在していない、という事です。
しかしながら、河川事務所は「1時44分に樋門は閉めた」と公表していました。

そうしてその後はダンマリを決め込んでいましたが、情報公開請求をうけて「実在しない樋門操作記録」を公開せざるをえなくなり、それで机に向かって一生懸命計算し、作文したのでした。
しかしそうやって公開された情報は、皿川でその時に起きていた現実とはかけ離れたものであったという結果に終わりました。

注3
実際に飯山観測所の水位データを使って、飯山市の持っている(=千曲川河川事務所と共有している)それぞれの水位標の標高データ、千曲川河床の平均勾配数値をつかって計算すると千曲川河川事務所が公表した数値が再現できます。

注4
皿川および千曲川左岸堤防~千曲川の地図を以下に示します。
http://archive.md/R33pS

画面左上から右下に流れているのが皿川で画面の右端に千曲川左岸堤防とそこに作られた皿川樋門の操作室、それから千曲川本流が描かれています。
堤防道路から枝分かれして左下方向に市道が市街地に向かって走り、皿川をまたぐ所に皿川橋がかかっています。

左岸道路とほぼ直角にクロスしているこげ茶色の線は飯山線を示しています。
それから画面中央のクロスカーソルの位置が皿川左岸での越水場所(M建設前)となり、そこの標高値は画面左下に317.5mと示されています。

航空写真ではこうなります。
https://www.google.com/maps/@36.8609606,138.3681674,241m/data=!3m1!1e3

そうして皿川橋から皿川上流を撮影した写真が以下のページの最初の写真になります。
この川が決壊した!;皿川(長野県飯山市)
この写真は14日か15日あたり、氾濫が収まってから相当に早い時期に撮影されたものと思われます。
写っている川が皿川でその右岸堤防も写っていますが、左岸道路はフレームアウトしています。

そうしてこの堤防のなかいっぱいに皿川の水が溜まり、左岸道路に越水、右岸堤防を越水しそこを破壊、決壊させたのでした。
(右岸決壊場所は飯山線と堤防の接続部分ですが、写真からはフレームアウトしています。)

注5
開始時 外水位 3・05m  内水位3・05m

この記述は引用したブログからのコピーですが、後日、以下の様に修正が入りました。

開始時 外水位 3・05m  内水位3・19m

注6:ここでは皿川水位標のゼロ点標高を「地図読みから308.7m」としていますが、これは内水位計がある場所の標高でした。

実際の皿川水位標のゼロ点標高は公称の309.1mを使うのがより正しい事になります。

追記
これ以降の詳細な検討は「その25-4」に続きます。


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