シリウス日記

そうだ、本当のことを言おう。

その44-2・委託樋門操作員について思う事

2023-09-29 01:00:11 | 日記

今回、水害でひどい目に遭った飯山市街地に関係する樋門・樋管で河川事務所から飯山在住の消防団員にその樋門・樋管の操作を依頼されていた場所は3つあった。

以下は飯山市から公開された資料である。

・樋門操作記録1(飯山市公開) : https://archive.fo/4Llh6

・樋門操作記録2(飯山市公開) : https://archive.fo/PeSqm

飯山市が自分でゲート操作を行うのが

・城南樋管

・雨水排水ポンプ場

飯山市が消防団に操作を委託していたもの

・静間樋管(管理担当課:道路河川課)

・有尾樋管(管理担当課:農林課)

そうして河川事務所が飯山在住の消防団員と個別に給与契約をして樋門・樋管の操作を委託していたもの

・飯山樋管

・栄川樋管

・皿川樋門

さてそれで、少なくとも今回の台風19号襲来の折に予定通りにゲート操作がされたのは

・城南樋管

・雨水排水ポンプ場

だけである。

この部分はさすがに市役所が直接、ゲート操作をするのでまあ間違いがない。

しかしながら市役所から消防団に操作依頼をされていた2つの樋管はゲートが開けっ放しで、そこから千曲川の泥水が逆流してそのあたり一面を泥水の中に沈めた。

その2つの樋管は

・静間樋管(管理担当課:道路河川課)

・有尾樋管(管理担当課:農林課)

である。

そうしてそれら2つの樋管の管理担当課は「ゲート閉めたよね?」の確認もせず、ただただ消防団に任せっぱなしであった。

まあ消防団がちゃんと自分達がやるべきことを分かっていればいいのだが、飯山の消防団第一分団はそうではなかった。(注1

そうしてまた、そのダメな消防団に対応するかのように「市役所の管理担当課」も「ゲート閉めたよね?」の確認すらしない課なのである。

さてそうであればその2つの樋管が開いていた場合に千曲川からの逆流泥水で被害をうける住民は台風襲来の折には自分達で樋管ゲートが閉まっているかどうか、確認をしなくてはならない。

この事は本当に情けない状況なのであるが、上記の2つの組織の信頼性が無いのでこのエリアの住民は区長を始めとして自分達の生活は自分達で守る」という「自衛の精神が必要」となるのです。

 

さてそれで次は河川事務所からゲート操作を依頼されていた2つの樋管・1つの樋門についてです。

飯山市の資料ではただ単に「消防団員との個人契約」とだけなっている。: ・樋門操作記録1(飯山市公開) : https://archive.fo/4Llh6 :

だがこの2名については飯山樋管で待機中の状況を市民に目撃されている。

そうして注意すべきは「2つの樋管・1つの樋門」に対して2名しか割り振られていない、という所にある。

 

地図で「2つの樋管・1つの樋門」の位置を確認しておこう。

https://archive.md/1vHzj

千曲川と書かれた時の横に飯山という字がある。

その場所から千曲川に流れ込んでいる支流がある。

そこにあるのが飯山樋管。

つぎに栄川樋管。

地図を上の方に見ていくともう一つの支流が現れる。

その場所が栄川樋管であり堤防の反対側に「雨水排水ポンプ場」がある。

同様にして上にいくと皿川にぶつかる。

そこにあるのが皿川樋門。

 

さて飯山樋管から皿川樋門まで何メートルあるのか?

答えは1162m。

1キロ以上もはなれて存在する2つの樋管と1つの樋門をどうやってたった2人の委託操作員でカバーできるのか?

答えは簡単。

飯山樋管は閉める必要がない。

栄川樋管も基本的に閉める必要がない。

そうであれば台風襲来の折、その2名は皿川樋門のゲート操作を行えばそれでよかったのであった。

 

しかしながら今回も「皿川樋門は台風が襲来しても開けっ放しでよい」と言うのが飯山市の方針でした。

その方針に従って今回も皿川にはポンプ車の事前配置はなく、皿川樋門のゲート操作室に明かりが灯る事もなかったのです。

つまり「その2名の樋門操作員は皿川の監視業務はしていなかった」のです。

さてそれではその2名はどこで何をしていたのか?

飯山水位観測所で1時間に一回の水位観測を飯山市から言われてやっていたのです。(注2

おまけに12日の午後8時頃、これも飯山市から言われて雨水排水ポンプ場の稼動準備を手伝って「ポンプ場の内水ゲートを操作していた」のです。(注3

 

さてこれは飯山市が犯した間違いが2つあった事を示しています。

一つ目はもちろん「19号台風襲来時にも皿川樋門は開けっ放しでよい」とした事です。

この決定に基づいて皿川にはポンプ車の事前配置も監視員も置かれる事はなかった。

 

さて2つ目は「国と契約していた樋門操作員を、本来の国との契約以外の飯山市の仕事を、国との契約の仕事を放りださせて飯山市は自分の所の仕事をさせていた」という所にあります。

本来は河川事務所との契約によって皿川を監視すべき2名の監視員を飯山市は飯山水位観測所での水位観測の仕事をさせていたのです。(注4

さてこれは実は「飯山市が国と契約した樋門操作員の本来やるべき仕事の邪魔をしていた」という事になります。

そうしてその結果が「皿川氾濫~堤防決壊~飯山市内が泥水の中」という事になったのです。

 

さて台風19号襲来までは以上のような「正規のやり方ではない変則的な仕事のやり方」でもなんとか通用してきました。

しかしながら台風19号は飯山市の事前想定をこえた大きな台風でした。

飯山市が想定した「皿川樋門は台風が襲来しても開けっ放しでよい」の前提が崩れたのです。

そのために「本来は皿川を監視し、必要であればゲートをおろして千曲川の水が皿川に逆流するのを防ぐ」という「本来、委託樋門操作員がしなくてはならない仕事」がなされないままで「皿川氾濫~右岸堤防決壊」という大惨事を招く事になりました。

この事に関しての飯山市の責任は重大であります。

委託樋門操作員に対する変則的な仕事のやり方の指示、これは国との契約を無視したものであり、かつまたそれが原因で皿川の監視が行われていなかったのです。

その結果は「皿川右岸堤防決壊~千曲川逆流泥水の飯山市街地への流れだし」となったのですから。

 

さてこの時に「委託樋門操作員には何の責任もないのか」という話があります。

たしかに飯山市と河川事務所との暗黙の了解のもとで「指示されていた仕事をそれなりにこなしていただけ」という主張もできます。

そうしてその様にしていた2人の消防団員に対しては「頑張った」とほめている市会議員さんもいます。

しかしながらやはり「委託樋門操作員には皿川の状況を判断し、樋門ゲートを降ろしてよい」という権限が与えられているのです。

そうであればやはり「飯山市街地を泥水の中に沈めた」という事に対しては「相応の責任がある」という事になります。(注5

 

注1:より正確には「消防団第一分団長」という消防団幹部が担当する仕事をさぼったのである。

注2:飯山水位観測所: https://archive.md/9bXFC :と: https://archive.md/piplW :2本の水位標が立っている。台風の夜の水位観測は堤防の上からライトで水位標を照らす人が一人。もう一人は望遠鏡で水位標のどこに水面があるのかを読み取る。まあ夜中の雨風の中でこの仕事をやるのは大変。

場所は: https://archive.md/QpBDY :地図の十字クロスの位置の千曲川の河川敷にある。

注3情報発信<--リンク

Yおちゃん「市役所には城山下の水門は閉めました。揚水ポンプは正常に作動してますって建設省から報告があったから見に行ってきたけど水は流れてたよ」
・・・
Yおちゃん「ポンプ場見てから中央橋の上から川見たけど、河川敷から川へ水が流れてたよ」
・・・
Yおちゃん「本流はそんなに上昇してなかった」

(市議会議員のYおちゃんは「建設省」と言いますが、今の名称は「国土交通省」=河川事務所となります。

そうしてここでYおちゃん言う所の「建設省」とは河川事務所と契約している委託樋門操作員の事です。)

ちなみにここで述べられている「城山下の水門」というのはポンプ場に設けられている「内水ゲートの事」です。:https://archive.md/whxFk :この画像右側に写っているのが「ポンプ場の内水ゲート」です。

「内水ゲートの拡大写真」 : https://archive.md/s5Ph5 :

あるいは: https://archive.md/yR1D9 :改修中の建屋の右にあるのが内水ゲート。画像からゲートそのものが少し上げられているのがわかる。

・樋門操作記録2(飯山市公開) : https://archive.fo/PeSqm

『20時45分 城山雨水排水ポンプ場内水ゲート閉』の記述あり。

注4:この件については河川事務所は「黙認していた」とは決して認めないでありましょう。

河川事務所に聞いても「契約通り樋門操作員は皿川を含めた2つの樋管と皿川を監視していた」と言います。

事実「飯山市の公開情報ではそうなっていました。」:・樋門操作記録2(飯山市公開) : https://archive.fo/PeSqm :

しかしながら事実は「黙認していた」という事になるのです。

ちなみにこの辺りの状況についての考察は: ・2年前の台風21号の時にも栄川樋管は開きっぱなしであった。 :の「1、飯山市の水位観測員について」にあります。

注5:とはいえこの国と契約して有給の仕事を得た2名は、飯山市の推薦で河川事務所と契約が出来たのですから、その紹介主である飯山市の依頼「市の仕事もやってよ」をむげに断る訳にもいかなかったものと思われます。

さてそうなりますと、飯山市は「優位に立つものの立場を使い、その力を乱用していた」という事になります。

つまり「その分飯山市の責任は重い」のです。

 

以下、飯山市と河川事務所の関係、それから飯山市から河川事務所に推薦・紹介されて採用されたのが当時の「皿川樋門の委託操作員である」という事がわかる資料となります。

楽農家さん投稿第二弾
千曲川河川事務所と電話した。
https://minkara.carview.co.jp/userid/2158429/blog/43577225/  : https://archive.fo/AdVsE :

書かれている内容については読者各位のご判断で取捨選択をよろしくお願い致します。
当方の取捨選択で残った部分を以下に示します。
『・・・・
「ウチの捜査員」(話の内容からして操作員じゃないかな?)

「誰だそれ?それが判断したんか?閉めるって決めたのは誰だ?」
「こちらの」

「誰が閉めたんだ」
「こちらの」

「立ヶ花の事務所でお茶飲んでて見に行ってないだろ?」
こちらが委託した近所の方

「それってどうやって選定してんだ?一般公募じゃないだろ?」
飯山市から紹介された近所に住んでて樋門に近い方です

(365日24時間体制で樋門の開閉の為に待機できる人って居るか?どこかの団体へ委託する以外無理だろ?)

「そいつの判断で、そいつが閉めるのか?」
「こちらの」

「じゃ、過去に閉めた時、地元の消防団員が樋門に出入りしてたのは何でだ?誰でもホイホイ出入りできる施設なのか?」
こちらが委託した方がたまたま消防団の方だったのかもしれません
・・・・』
この電話でのやり取りのおかげで、
飯山市が消防団関係者らしき「近所に住んでて樋門に近い方」を千曲川河川事務所に紹介し、その方が皿川樋門の操作担当者である
と言う事実が明確になったのです。

しかしながら、このようないきさつについては飯山市からは一切の報告、公表はなく、「皿川樋門は千曲川河川事務所・中野出張所の管理・監督下にあり飯山市の管轄外である」という態度を取ります。

つまり「委託樋門操作員は河川事務所と個人として契約している」のであって「市役所はそのことについて関知していない」と言うのです。

そういいながら実は「委託樋門操作員と飯山市はツーカーの仲である」というのは、さてこれはどう表現したらよろしいのでしょうかねえ。

「表向きは知らんぷりで裏ではしっかりと手を握っている」とでも言っておきましょうか。

 

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飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧

台風19号 飯山水害の研究・一覧

 

 


その44-1・台風19号の時、皿川で起きていた本当の事

2023-09-26 08:05:00 | 日記

1、皿川で起こっていたバックウオーター現象について

まずはういき「背水(バックウォーター)」: https://archive.md/dAQlG :からの引用です。

『背水(はいすい)またはバックウォーター(英: backwater)は、河川や用水路などの開水路において、下流側の水位変化の影響が上流側に及ぶ現象のことである』

洪水の際、本川の水位が高い場合、支川から本川への流入が起こらず、そのために支川の水位が上昇することを指す場合もある。
堤防決壊の一因が、バックウォーター現象である可能性を指摘された事例として、以下のものがある。

・・・

・2019年10月、令和元年東日本台風、多摩川支流の多摩川水系平瀬川、利根川水系渡良瀬川支流の秋山川、阿武隈川支流の阿武隈川水系新川、千曲川支流の信濃川水系皿川・浅川[6]。また、荒川水系入間川流域の都幾川、越辺川においても同様にバックウォーター現象が起きていたとされる。』

 

あるいは次の記事「河川のバックウォーター現象のモデル化」: https://archive.md/9X7vq :

ここでは本流に接続している2本の支流の水位が計算で示されています。

記事によれば「支流が本流に合流する場所の水位は上昇する」とされ、またその影響を支流側がうけて「支流が本来持つべき水位の勾配、つまりは本流に流れ込むべき水の流れが起こらずに、その場所でダムを作ってしまう」という計算結果が示されています。

特に注目すべきは「支川2」と記された断面図です。

「支川2」には相当な勾配があるにも関わらずその水は本流に流れ込めず、ダムを作っています。

以上は本流と支流との合流地点に樋門がない場合の話です。

そうであれば「以上はフルバック堤の話」となります。(注1

 

それに対して樋門構造が合流地点にあると状況はもっと複雑になります。

それはつまり「樋門構造がある事で本流の水の流れが影響を受け、その影響が支流側に及ぶ」という事です。

さてその影響とは何でしょうか?

「本流の水が支流側に逆流する」という事です。

それは「本流側の水位が支流側に出来たダムの水位よりも低い」にもかかわらず「本流側の水が支流側に流れ込む」のです。(注2

それは又「本流側の水位よりも支流にできたダム側の水位が高いにも関わらず、支流側の水が本流側に流れ込まなくなる」と言う事でもあります。

そうなってしまった支流側の水は支流側の堤防を越えてその場所で氾濫を引き起こします。

それが台風19号襲来時に皿川で起きていた事です。

 

以下、皿川にできていたダム湖の画像

皿川ダムが満杯になってあふれる直前の画像。橋の横を通してあるパイプのすぐ下に水面が来ている。パイプに取り付けられた矢羽根が左端に一部写っている。 : https://archive.fo/8BoDL :右側に写っているのが縁石で、これを超えれば氾濫発生となる。

同じ場所の昼間の画像、上の画像は皿川橋の歩道の上からパイプごしにダム湖水面を写したものと思われる。 : https://archive.fo/UIiXi

 

『右岸堤防中ごろから千曲川方向、皿川橋方面をみたものですが、左側の屋上に看板がでているあたりがM建設前道路となり、ここから左岸には越水~氾濫しました。

・午前6時30分頃 千曲川堤防方向 : https://archive.fo/6PpWP :堤防上で排水ポンプ車が排水作業中 画面左、軽トラが止まっている駐車場の前あたりの道路から左岸越水 左端の赤い屋根の後ろの建物が有尾中継ポンプ場』(注3

ただしこの排水ポンプ車+照明車各1台は飯山市が「皿川が氾濫した」という市民からの情報を2時15分に入手してから1時間10分後に河川事務所に依頼してようやく出動してもらったもの。

つまり「19号台風襲来の折、皿川樋門には事前配置されたポンプ車は1台もいなかった」というのが事実です。(注4)』

 

このように支流側にできてしまうダム湖の水を満水~氾濫させないためにセミバック堤では「洪水時には樋門のゲートを下して支流側の水は排水ポンプによって本流側に排水する」のが正規の運用手順となっているのです。(注5

しかしながら台風19号襲来の折、皿川樋門には排水ポンプ車の事前準備は無く、委託樋門操作員は皿川を監視しておらず(つまり樋門操作員は皿川にはおらず別の所で飯山市から言われた別の仕事をしていました:注6)、従って樋門ゲートが閉じられる事はなかったため、そこで「最悪のバックウオーター現象」が起きていました。

それはつまり「千曲川の泥水が皿川方向に逆流していた」のです。

この為に皿川ダム湖の水位は急激に上昇し、右岸と左岸に越水~氾濫しました。

そうして右岸に在った堤防の弱点部分をダム湖の水が洗掘し右岸堤防決壊に至ったのでした。

 

・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/gIso6  :  流れ出す泥水が決壊場所でJR線路側に流れ出し、線路下の土台を削り込んでいる写真。泥水はその反動で反時計回りに渦を巻きながら線路の反対側にあたる堤防の土を丸く削り取っている。

・その場所で少し左側を見る : https://archive.fo/mWE0a :左側から線路方向に向かって泥水が勢いよく流れ込んでいるのがよく分かる。

・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/wSUAB :JR線路を越えた西側の状況。これは西側の右岸堤防がやはりJR線路との接続部がひくくなっており、そこから満水時の皿川ダム湖の水が右岸田んぼへあふれ出したのである。そして線路東側の堤防決壊によって皿川ダム湖の水位がさがり、その時点で右岸田んぼへの越水は終了した。

・同上場所の時間がもっと後(10/13 午前9時44分 )の写真 : https://archive.fo/COn7j :右岸堤防のJR線路に向かって低くなり始める手前に通行禁止のポールが4本、たっているのが分かる。決壊場所にももちろんこのポールはあったが、流されてなくなっている。

 

さて、最後に上げた画像で注意しなくてはならない事は、線路の向こう側にある木の枝が水面に接しておりその枝から上流側に白くにごった水の流れが伸びている事が確認できる事です。

つまり(10/13 午前9時44分 )には本来は下流に向かって水が流れなくてはならない皿川の水が上流に向かって流れていたのです。

さてこれは何を意味しているのか、といえば「この時には皿川樋門のゲートは上がっており、そうして千曲川の水位が皿川ダム湖の水位よりも高かったので千曲川の泥水が皿川に向かって逆流していた」という事を示しています。(注7

 

そうして又その逆流画像の意味する所は「河川事務所からの報告が間違っている」という事です。

河川事務所によれば「10月13日の1時44分にゲートを下した」と報告されていますが「その報告は事実ではない」という事になります。(注8

つまりは台風襲来時、10月13日の午前9時44分までは皿川樋門のゲートは開いていたのです。

そうしてその時間まで開いていたのであれば、「台風19号襲来のときには皿川樋門は閉じられる事はなく、開けっぱなしだった」という事になるのです。

 

さてそれで話は最初に戻るのですが以上の事より台風19号襲来の折、皿川樋門はそれまで飯山市が10年間やってきたのと同じ対応、つまりは「樋門ゲートは開けっ放し対応だった」という事が分かるのです。

こうして台風19号襲来の折「飯山市には皿川樋門ゲートを降ろす意思がありません」から「今井川に対して行っていたような排水ポンプ車の事前配置は皿川にはしなかった」のです。(注9

 

さてではそのように「樋門ゲートが開けっ放しだった皿川樋門では実際に一体何が起こっていたのか」というのが次の話になります。

 

注1:(フル)バック堤とは : https://archive.md/6UFqT :

緩流河川で本川の洪水が支川に逆流して氾濫するのを防止するため、支川の堤防で影響の及ぶ範囲を本堤と同一の構造、強度とするもの。

注2:千曲川に対してどのように樋門が設置されているのか、によってこの逆流の起こる程度は相当に違うと思われます。

たとえば「宮沢川樋門」のように「本流の流れに沿う形で支流が流れ込む場合」は本流からの逆流の状況は皿川樋門に比べて相当に少ないものとなるでしょう。

注3:この時間にはすでに右岸堤防から越水~堤防決壊が起きており、従って左岸への越水は止まっている。

画像から分かる様に右岸堤防の高さは左岸よりも相当程度(公称50センチ程)高くなっている。

だが右岸堤防にあった弱点部分からは越水が始まっており越水開始2時間後に右岸堤防決壊に至ったのです。

注4:「令和元年台風19号関連災害経過報告【第2報】」: https://www.city.iiyama.nagano.jp/assets/files/senryaku/press/1028iiyama.pdf :

『2:20 皿川の左岸(前沢建設前のみ)からあふれたとの連絡あり。

3:30 皿川へ排水ポンプ車の配備を千曲川河川事務所へ要請。』

何故ポンプ車出動依頼に1時間10分も検討時間が必要だったのか、市役所は説明していない。

そうしてそのように対応の遅い対策本部の副本部長が「水防の専門家を自称するにいのみ氏であった事」を思えば、「対策本部は足立本部長を始めとしてまことに救いようがないダメな組織であった」という事になるのです。

しかしながら市会議員によってはこのような「ダメダメ対策本部の状況」を評して「十分であった」などと発言するのですから本当に驚きであります。

ちなみにポンプ車の事前配置については「各自治体が国=河川事務所や県に依頼してポンプ車に事前出動してもらう」という手順になっています。: https://archive.md/aO0Sf :

そのような手順にしたがって今井川には国と県から1台づつポンプ車を事前配置してもらっていました。

あわせて飯山市手持ちのポンプ車1台もそこに出ていました。

しかしながら「皿川は何もしなくても大丈夫」と判断した飯山市は皿川を監視対象からはずし、本当に何もしなかったのです。

注5:セミバック堤とは「樋門・樋管構造を持つ支流の堤防形態を指す」コトバです。

そうであれば「樋門・樋管に置いてゲートを下したならば排水ポンプによる排水作業は必ず行う事が必要」になります。

しかしながら飯山市は皿川にはポンプ車の事前配置はしていなかった

さて、それはどうしてですか、市役所さん?

台風19号の時にも皿川樋門、閉めるつもりはなかった」という飯山市の台風19号対応方針を「皿川に対してはポンプ車の事前配置はしていなかった」という事が示しているのです。

それはまた「委託樋門操作員は皿川にはいなかった」、つまり「だれも皿川を監視していなかった」という事でもあります。

注6:別の所で飯山市から言われた別の仕事をしていた国と契約した委託樋門操作員については、ページを改めて説明する事と致します。

注7:千曲川からの逆流圧力が大きいため、水の流れがJR線路側に流れ出し線路下の土台を削り込んでいるのが画像からよく分かります。

そうして水はJR側に流れ出した勢いが強いのでその場所で反時計回りに渦をまき、JR側とは反対側の堤防を丸く削り込んでいます。

・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/uIwKu :同上シーンのより決壊場所に近づいた写真

注8:情報公開請求によって河川事務所から提示された皿川樋門操作記録:https://archive.fo/NOD6b ゲートを降ろした時の内水位は6.43m、外水位は6.23m 。

時間は13日の1時44分

ちなみに河川事務所によれば「この閉めてないゲートを再び持ち上げたのは」

13日の15時30分  内水位は6.40m、外水位は6.38m 。

となっています。

さて世の中には不思議な事があるもので河川事務所によれば「下げていないゲートを持ち上げることが出来る」という事になるのです。

注9:台風19号が来る前の10年間、それまでは台風が来ても皿川樋門は開けっ放しで大丈夫だった。

それは排水ポンプ車の事前配置があって樋門操作員が皿川の状況を判断しながら「これならば今回はゲートを下げなくても大丈夫だ」と判断した結果であるならばよろしいのです。

しかしながら単に「前の10年間、皿川樋門は開けっ放しでも大丈夫だったから、どんな台風が来ても皿川樋門は開けっ放しでよい」という判断は誤りです。

そうであるにもかかわらず市役所は「今回も皿川樋門は開けっ放しで大丈夫だろう」と判断しました。

皿川は監視していなくてもよい」と判断したのです。

その市役所の「ポンプ車事前配置なしの皿川樋門開けっ放しで大丈夫だろう想定」が飯山市街地を泥水の中に沈めた大きな原因の1つであります。

 

そうして又「皿川が氾濫した」という情報を市役所から伝えられても皿川樋門を閉めなかった国=河川事務所の責任は重大なものです。

その為に皿川右岸堤防決壊場所を通じて千曲川の逆流泥水が無尽蔵に飯山市街地に流れだし市民に大変な苦痛と大きな被害を与えたのです。

「皿川が氾濫するまで皿川樋門を開けっ放しにしてポンプ車も監視員もそこに置かず皿川を放置していた責任」は飯山市にあります。

飯山市は「皿川は監視対象から外し、皿川樋門は開けっ放しでよい」としていたのですから。

しかしながら「皿川が氾濫した」という情報を飯山市から聞いた河川事務所は「皿川樋門を閉めろ」と樋門委託操作員に指示すべきでした。

その様な指示をしなかったのは河川事務所の落ち度です。

その結果は「右岸堤防決壊~大量の千曲川泥水の市街地流出」という事につながりました。

したがってこの事についての相当部分の責任は河川事務所にあります。

(3:15 『千曲川河川事務所より「立ヶ花で12mを超える水位となり、越水が各所で発生している。これからピークが飯山へ向かうので、飯山市でも最高水位に備えるよう」連絡が入る。』このときの飯山市とのやりとりの中で河川事務所は皿川氾濫の事実を知る。)

 

加えてこの2つの組織はお互いに相手のミスを隠すことに協力しあい、自分たちがやらかした失敗を公表しその責任をとる、という事はしませんでした。

あまつさえ、飯山市は自分たちがやらかした失敗について市民に対して説明し謝罪する、という事はなくそれどころか「自分達の対応には何のミスもなく、自分たちも水害の被害者である」という立場を取り続けました。

このような市役所の在り方は飯山市民の信頼をあきらかにうらぎるものであります。

 

それから3つ目の重大なミスは県=北信建設事務所の怠慢です。

建設事務所は皿川の右岸堤防とJR線路との接合部にあった皿川堤防の弱点を知りながら、長年に渡り何の対応もせずに放置していたのです。

実際、皿川の堤防はその部分で決壊しました。

そうしてその北信建設事務所の前の所長がにいのみ氏=前の副市長、その人であります。

 

・今回の堤防決壊を受けて建設事務所が行った決壊場所の修復完了の姿を示す。:・現状完成形 <--2020年3月25日現在

今回の災害が発生する前までにこの姿まで堤防の完成度を上げていなかったのは、建設事務所の怠慢、落ち度である。 

・補修前の決壊現場の状況

決壊場所にコンクリートブロックを投入した状況を示す: https://archive.md/93ysb :

この画像から分かる様に、決壊場所の左側までは堤防の法面がコンクリートで耐水化されていた。

だが決壊場所は単に土を入れて固めただけで、法面の耐水化は行われてはいなかった

北信建設事務所はそのような状態で皿川堤防を放置していたのである。

 

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飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧

台風19号 飯山水害の研究・一覧

https://archive.ph/1cLCg

https://archive.fo/dbxgV

 


その43・皿川は改修で安全な川になるのか?

2023-09-23 02:00:22 | 日記

1、飯山市の説明では「皿川堤防は改修によって千曲川本堤防と同等になる」。

つまり「幅、高さともに同じになる」と。

従って「千曲川本堤防が決壊するような事が無ければ、皿川堤防も大丈夫だ」と説明しています。

そうしてまた「皿川はフルバック堤になる」と前の市長は言っていました。(注1

つまり「斑尾川の様に樋門構造がない川になるのだ」と言うことです。

そうなれば今度は台風19号の水害状況を検証した市民から「皿川樋門が開いていた」などと「市役所の秘密を暴くようなクレーム」を言われる事も無くなり、「監視員不要の川になる」と言うのです。

さてこれが前の市長と、そうしてまた飯山市の主張でもありましたが、それは本当の事でしょうか?

皿川は斑尾川の様に「安全な川になる」のでしょうか?

 

今やっている皿川堤防の改修状況、そうしてまた新聞報道などを併せ考えますと「皿川堤防は90センチ、かさ上げされる」という事になっています。(注2

そうしてまた「幅も堤防天端を車が2台、ぎりぎりですれ違えるくらいにはする」様です。(注3)

くわえて川の流れも変更され、今回問題になった皿川堤防とJR鉄橋の接続部分は確かに斑尾川に見るような構造、鉄橋本体を堤防で囲みこむ様な構造に本気で改修する計画の様です。(注4)

ただしフルバック堤で必要となるような樋門構造の撤去とそれに伴う千曲川本堤防の構造変更は今回は行われない模様です。(注5

つまり「今回の改修では皿川樋門は相変わらず残る」のです。

 

さてそれで次は堤防高さの件です。

堤防幅については、堤防側面の耐水化と天端部分の舗装によって相当に問題はなくなると思われます。(注6)

しかしながら堤防高さについては「長野県の計画の90センチかさ上げ」では千曲川本堤防の高さには到達しません。

皿川樋門部分での千曲川本堤防の実際の標高は319.5mです。(注7

その数字は次に示す地図のコピーでは標高部分の表示が長い余白を挟んでページの一番下に表示されています。: https://archive.md/zvevc :

同様にして右岸堤防の標高318.0mを地図から読み取ります。: https://archive.md/xrko3 :

 

さてそうであればその差分は1.5m。

0.9mのかさ上げでは実際は0.6m、改修後の皿川堤防の高さが足りないのです。

ちなみに皿川堤防と千曲川本堤防の接続部分を示しておきます。

https://archive.md/Vc9HS  ・・・皿川堤防と千曲川本堤防の接続部を見る。

 

さてそうであればこれは単純計算で分かる事ですが「千曲川本堤防を水が超える前に皿川では堤防を水が超える」のです。(注8)

つまり「今回の改修で皿川堤防の高さは千曲川本堤防の高さと同じになるので安全になる」という「市役所の説明は事実とは異なりウソである」という事になります。

そうして「その結果は」といいますれば市役所や前の市長が言った事は実現されず、つまりは「皿川堤防は改修が終わっても斑尾川の様にフルバック堤にはならず、相変わらず氾濫~決壊する危険な川のままであり続ける」という事なのです。

 

:足立前市長です。

:但し、有尾橋上流の改修された堤防を見る限りその部分では「高さは目視で60㎝ほど上げてお終い」の様に見えます。

ちなみに公称ではかさ上げ後の堤防の標高は318.9m程になる予定です。

注3:従来、有尾橋上流右岸堤防はほとんど「あぜ道程度のもの」でしたが、この部分の幅は大幅に変更されました。

https://archive.md/hMnzc  ・・・有尾橋上流右岸の工事現場をみる1

https://archive.md/eJEwB  ・・・有尾橋上流右岸の工事現場をみる2

しかしながら実際は台風19号襲来のおり、この部分の堤防は全く無傷でしたので、今回の堤防高さのアップは少しは有効でしょうが、堤防幅の大幅な増加は「見た目だけの安全効果」であって事実上は「幅を広げた効果はほとんど無い」ように見えます。

注4:・その30-3・斑尾川の例に倣う事になる皿川堤防かさ上げ :

JR鉄橋と堤防の接続部分の構造は斑尾川に倣う模様です。

:樋門構造を残して、ただ単に「樋門ゲートを下さない」と言うだけでは「フルバック堤にはならない」のです。

フルバック堤にするためには皿川樋門を撤去し、そこで堤防を切断して皿川と千曲川を直結しその部分に橋を掛けなくてはなりません。

そうしてこれは「国の仕事となる」のですが、国は「皿川樋門を撤去して皿川をフルバック堤にする」とは一言も言っていません。

注6:さすがにここまでやって天端を舗装しない、などという事はありえないとは思いますが、この件、まだ確認はできていません。

:これは電子地図の読みで地図のアドレスは「電子地図」でググれば出てきます。: https://maps.gsi.go.jp/#18/36.860284/138.369245/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1 :

それで十字クロスの位置の標高が常に画面左下に表示されます。

それを確認してみてください。

注8:このあたりの詳細な検討結果は: ・その40・「皿川堤防90センチかさ上げ」では皿川氾濫は防げない :にあります。

ただし「その40」の説明ではこれからここで説明する事になる「皿川樋門で発生するバックウオーター現象」を含んだ内容になっています。

それはつまり「より現実に即した検討になっている」という事です。

「そうしてその検討結果は」といいますれば「状況は単純計算よりも相当にひどいものになる」というものです。

 

追伸:2023/10月の飯山市報: https://www.city.iiyama.nagano.jp/assets/files/kikakuzaisei/koho/r05.10/2-21.pdf :のトップページに今回の皿川堤防改修についての記述があります。

そこに「皿川堤防高さを千曲川計画高水位+1.5mにする」というイラストがあります。

これはつまり「実際は皿川の堤防は千曲川本堤防と実際は同じ高さにはならないが、それに近いものにはなる」と言い訳をしているのです。

細かく見ていきますと「千曲川本堤防の皿川地点での計画高水位は317.41mである」と長野県=北信建設事務所は公表している資料の中で言っています。

「そこに余裕高1.5mを足すと318.91mとなる。」と。

そうして「千曲川本堤防も計画高水位に余裕高1.5mを足した高さ以上で出来ている」と。

そうであれば少なくとも「現状皿川堤防の公称標高は318.0mだから90センチかさ上げで千曲川本堤防と計算上=計画上は同じ高さになる」と。

しかしながら「実際に同じ高さになるかどうかは知らない」と北信建設事務所は暗に言っているのです

そうであれば実際には上記で指摘したように「皿川ポイントでは千曲川堤防を水が超える前に皿川堤防を水が超える」のです。

 

加えてそのような「素人には分かりにくい、ごまかすような説明をする」飯山市のやり方は「市民に対して誠実な態度である」とはとても言えないものであります。

あるいはそれは前の市長が言っていた事、それはまた飯山市の公式見解でもあったはずですが、「皿川堤防と千曲川本堤防を同じ高さにして樋門は取り払ってフルバック堤にする」という宣言=約束と「現実に出来上がるもの違うものである」という申し開きでもあります。

ちなみにもう一つのせこいごまかしを指摘しておきましょう。

イラストでは千曲川の計画高水位と皿川の計画高水位が随分と違う様に描かれていますが、実際はほとんど同じです。

それを「さも千曲川の計画高水位が高いように描き、今度の堤防改修で皿川堤防は安全になった」と市民に思わせる、ミスリードするようなやり方は前の市長の得意とするところでしたが、江沢さん、あなたも又そのような「市民に対して不誠実な情報の出し方をする」のでしょうか?

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飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧

台風19号 飯山水害の研究・一覧

 


その42・皿川画像・台風19号襲来前・後・とりあえず補修・本格改修中・

2023-09-10 02:00:41 | 日記

フォトアルバム

1、台風19号襲来前の皿川状況

その25-1・飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討

2、皿川堤防に在った2つの弱点

その16・飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討

3、台風19号襲来時の皿川状況

飯山水害 皿川堤防決壊の前と後の皿川氾濫状況

飯山水害「なぜ皿川堤防は決壊したのか」の1

4、とりあえず堤防補修

・今回の堤防決壊を受けて長野県が行った決壊場所の修復完了の姿を示す。:・現状完成形 <--2020年3月25日現在

今回の災害が発生する前までにこの姿まで堤防の完成度を上げていなかったのは、長野県の怠慢、北信建設事務所の落ち度です。 

・補修前の決壊現場の状況

決壊場所にコンクリートブロックを投入した状況を示す: https://archive.md/93ysb :(注1

この画像から分かる様に、決壊場所の左側までは堤防の法面がコンクリートで耐水化されていた。

だが決壊場所は単に土を入れて固めただけで法面の耐水化は行われてはいなかった。

北信建設事務所はそのような状態で皿川堤防を放置していたのである。

・補修中の決壊場所: https://archive.md/C331M :

堤防の法面はこの画像からも分かる様に「単に土を入れて固めただけで、法面の耐水化は行われてはいなかった」のです。

そうしてまたこの画像から分かる様に「皿川堤防はそのままの高さではJR線路には接続できない」のです。

堤防は線路の下に敷かれた砕石を覆ってはいけないのです。

理由は線路に降った雨水が砕石を通して排水される必要があるからです。

そうであればこの後堤防は左から線路に向かって斜面を作って接続が完了となります。(斜面の程度は: 現状完成形 :を参照の事。)

そうして皿川堤防で最初に越水し始めたのは左岸ではなく、右岸堤防のまさにその高さが低くなった接続部からなのです。

加えてその部分は「単に土を固めただけの構造」でしたから、「流れ出す水によって簡単に洗掘され決壊に至った」のであります。

5、本格改修中(2023年5月時点)

https://archive.md/Vc9HS  ・・・皿川堤防と千曲川本堤防の接続部を見る

https://archive.md/DpEKm  ・・・皿川橋から工事現場を見る

https://archive.md/ZAvAb  ・・・工事のお知らせ看板1

https://archive.md/s43Sf  ・・・皿川橋をみる

https://archive.md/EHvTd  ・・・工事現場を見る1

https://archive.md/fk847  ・・・工事現場を見る2

https://archive.md/7zxFb  ・・・工事現場を見る3

https://archive.md/Y30iU  ・・・決壊場所を見る

https://archive.md/NgeDP  ・・・踏切を超えて決壊場所方向をみる

https://archive.md/9BkKn  ・・・同上位置から有尾橋方向を見る

https://archive.md/hMnzc  ・・・有尾橋上流右岸の工事現場をみる1

・https://archive.md/44qG3 ・・・有尾橋下流右岸・堤防工事により壊された家を見る

https://archive.md/zKOS9  ・・・工事の看板2

https://archive.md/eJEwB  ・・・有尾橋上流右岸の工事現場をみる2

https://archive.md/jlcjj   ・・・取り壊された家の記録ショット2

https://archive.md/tiP5a  ・・・有尾橋方向を見る1

https://archive.md/NTpPP ・・・皿川氾濫によって浸水被害を受け、公費解体され新築された家を見る 

https://archive.md/qelzt ・・・有尾橋方向を見る2

 

注1:この画像を拡大表示してみるとJR鉄橋の横に付いている歩道橋の上に洪水によるゴミが大量に残っているのがわかります。

さてこのごみは一体何であるのか?

答えは「千曲川から逆流してきた泥水の上に乗ってその場所に流されてきたゴミ」です。

それがその場所に引っかかっているのです。

つまり「そこにゴミが残っている」ということは「千曲川からの逆流があった」という事を証明しているのです。

皿川ダム湖の最高水位は右岸決壊場所が決壊するまでの時にはこの歩道橋の高さを超えていました。

しかしながら右岸堤防決壊によって皿川ダム湖の水位が下がった為、ごみはそこに取り残されたのです。

「いや、そのごみは皿川上流から流されてきたのでは?」という声が聞こえます。

それについては「皿川ダム湖の最高水位はJR線路を超えていない」が答えになっています。

最高水位がJR線路を超えていたなら、上流から流れてきたゴミはその場所に残る事が可能です。

しかしながら「最高水位はJR線路を超えてはいない」のです。

上流からのゴミは下流に流れる流れに乗って下流に流されるだけです。

従って「その場所には上流から流れてきただけのごみは決して乗る事はできない」のです。

しかしながら「千曲川からの逆流があればその場所に乗れる」のです。

しかも「最高水位がJR線路を超えてはいない」ので下流から逆流してきたゴミはそこで吹き溜まるのです。

それが上記の画像が示している内容です。

ちなみにそのごみの割合は千曲川逆流に従って皿川樋門を通じて千曲川から皿川に流れ込んだものが大方のものとなっています。

以上の話は次の画像でも同様に確認する事ができます。: https://archive.md/MJYHS :

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飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧

台風19号 飯山水害の研究・一覧

 

 

 

 

 

 

 

 


その38・緊急治水対策プロジェクト 進捗状況 

2023-09-04 12:56:41 | 日記

緊急治水対策プロジェクト HP : http://www.hrr.mlit.go.jp/river/sinanogawakinkyutisuitaisaku/sinanogawakinkyutisuitaisaku_top.htm :

1、2020年10月1日時点

 

2、2022年5月6日時点

飯山関連は8ページ

番号26~34+109:皿川

26 遊水地整備(はちす)→(調査・設計中)

27 堤防強化(越水対策)静間バイパス→(調査・設計中)

28 堤防整備 静間バイパス→(調査・設計中)

29 河道掘削 戸狩 狭さく部→(工事実施中)

30 堤防強化(越水対策)川面→(調査・設計中)→(用地買収中)

31 堤防整備 川面→(調査・設計中)→(用地買収中)

32 堤防整備 上境→(整備済)

33 堤防整備 桑名川→(工事実施中)→工事終了(多分)

34 堤防整備 東大滝→(工事実施中)→工事終了

109 皿川堤防整備 皿川→(調査・設計中)→工事中

その42・皿川画像・台風19号襲来前・後・とりあえず補修・本格改修中・

皿川状況の移り変わりがわかります。

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「台風19号レベルでもあふれない」 堤防の強化・河道掘削・遊水地  命と暮らし守る"緊急治水対策” 

https://archive.ph/N0uir

https://news.yahoo.co.jp/articles/1965d75780860514b982279d9159c2de0fcabe93

↑動画付:但し期間限定

『長野市長沼地区の千曲川の堤防が決壊してきょう10月13日で3年になりました。命・暮らしを守るハード対策も課題の一つです。国や県が取り組む「緊急治水対策プロジェクト」。主な柱は「堤防の強化」「河道掘削」「遊水地」の3つ。2027年度までに「台風19号レベルでもあふれない」ことを目指します。

千曲川の堤防は決壊箇所の復旧は終わり現在は強化工事が進んでいます。

川幅が狭くなる、下流の中野市「立ヶ花」では川底を掘り下げる「河道掘削」を実施。

1年前と比べると、右岸の川底が見えなくなり、流れる水の量が増しているということです。

河道の掘削は長野市篠ノ井と飯山市戸狩でも進んでいます。

課題は大量に出る土砂の処分。

現在は千曲市の工業団地の造成に使われていて、国は引き続き受け入れ先を探しています。

川沿いの土地に水を引き込む「遊水地」は7カ所、計画されています。

農地などが水に浸かる為地権者の理解を求めるのが最大の課題です。』

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2023年5月21日

台風19号から3年半 千曲川沿いに「遊水地」整備へ 面積約70ヘクタール 治水対策の柱

https://archive.md/pqAZC

『・・・起工式が行われたのは中野市の上今井遊水池の予定地で、関係者が鍬入れなどをしました。

台風19号災害を受けて、国や県は「緊急治水対策プロジェクト」を策定。増水時、川沿いの土地に水を引き込む遊水地は、狭窄部の掘削などと並ぶ対策の柱で、国と県は流域で7カ所整備する方針です。

国が整備する上今井遊水池の面積は約70ヘクタール。27年度の完成を目指しています。』

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5月31日:皿川堤防のかさ上げ後の標高が分かった。

現状高さは英岩寺橋たもとより低い:地図読みで317.9m

対して千曲川本堤防は319.5m

1.6m低い

このままではとてもフルバック堤防などとは呼べないしろものなのだが、この後どうなることやら。

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9月4日

河川事務所が皿川樋門を閉めなかった

おかげで皿川堤防が決壊して 飯山市街地が千曲川の逆流泥水に浸かった。

それで市長は「皿川堤防を直せ」とそれまで不完全だった皿川堤防を放置していた長野県に言った。

それで長野県=建設事務所は皿川堤防の幅を広める、と言い出した。

おかげで一軒、そのために立ち退かなくてはならない家がでた。

そうしてその家は、いま取り壊し中だ。

それもこれも、「飯山市が皿川樋門を開けっ放しで行く」と決めて、

河川事務所がそれに同意した「本当に手抜きの飯山市が立てた水防計画のおかげ」だよ。

その尻拭いに10億円必要なんだとさww

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その43・皿川は改修で安全な川になるのか?

「そうはならない」というお話です。

その42・皿川画像・台風19号襲来前・後・とりあえず補修・本格改修中・

皿川状況の移り変わりがわかります。

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2023/10月の飯山市報: https://www.city.iiyama.nagano.jp/assets/files/kikakuzaisei/koho/r05.10/2-21.pdf :のトップページに今回の皿川堤防改修についての記述があります。

そこに「皿川堤防高さを千曲川計画高水位+1.5mにする」というイラストがあります。

これはつまり「実際は皿川の堤防は千曲川本堤防と実際は同じ高さにはならないが、それに近いものにはなる」と言い訳をしているのです。

細かく見ていきますと「千曲川本堤防の皿川地点での計画高水位は317.41mである」と長野県=北信建設事務所は公表している資料の中で言っています。

「そこに余裕高1.5mを足すと318.91mとなる。」と。

そうして「千曲川本堤防も計画高水位に余裕高1.5mを足した高さ以上で出来ている」と。

そうであれば少なくとも「現状皿川堤防の公称標高は318.0mだから90センチかさ上げで千曲川本堤防と計算上=計画上は同じ高さになる」と。

しかしながら「実際に同じ高さになるかどうかは知らない」と北信建設事務所は暗に言っているのです。

そうであれば実際には「皿川ポイントでは千曲川堤防を水が超える前に皿川堤防を水が超える」のです。

なんとなれば実際の千曲川本堤防の皿川ポイントでの標高は319.5mであって皿川堤防かさ上げ後標高318.9mでは60センチ足りないのですから。

 

さてそのような「素人には分かりにくい、ごまかすような説明をする」飯山市のやり方は「市民に対して誠実な態度である」とはとても言えないものであります。

あるいはそれは前の市長が言っていた事、それはまた飯山市の公式見解でもあったはずですが、「皿川堤防と千曲川本堤防を同じ高さにして樋門は取り払ってフルバック堤にする」という宣言=約束と「現実に出来上がるもの違うものである」という申し開きでもあります。

ちなみにもう一つのせこいごまかしを指摘しておきましょう。

イラストでは千曲川の計画高水位と皿川の計画高水位が随分と違う様に描かれていますが、実際はほとんど同じです。

それを「さも千曲川の計画高水位が高いように描き、今度の堤防改修で皿川堤防は安全になった」と市民に思わせる、ミスリードするようなやり方は前の市長の得意とするところでしたが、江沢さん、あなたも又そのような「市民に対して不誠実な情報の出し方をする」のでしょうか?

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・PS 飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧//