シリウス日記

そうだ、本当のことを言おう。

その36・皿川上流からの流入量についての新たな証言

2022-04-29 16:42:14 | 日記

19号台風の時に皿川上流がどの様であったのかについての新たな証言が得られました。

飯山市によれば「記録的な豪雨が皿川上流域の山に降った為皿川が氾濫し、皿川堤防が決壊して皿川の水が市内に流れ出した」とそういう説明をしています。

しかしながら下記に示す皿川上流にある橋の近所に住んでいる方によれば「台風19号の折には、そんなにこの場所では川の水量は増加していなかった」という事でした。(注1

それで、「何に比べてそんなに増えていなかった」と言ったかと言いますと「この証言が得られた時は4月の雪解けで皿川の水が増水してた、その状況に比べて」という事です。

 

下記にそう証言していただいた方が住んでおられる場所の近くにある皿川にかかっている橋を示します。

それでこの時のグーグルの画像では橋の下を流れている川の水がよく見えない程の水量になっています。

田植えが終わった田んぼの稲もそれなりに伸びていますので、季節は「春の終わり~夏の初めあたり」でしょうか。

しかし雪解けピークの時にはそこからははっきりと相当な量の水が流れているのを目視確認できました。

ここから山の中に入る、と言う場所の橋から下流をみる。
http://archive.md/7mfH5
奥の景色右側に「長峰」がみえる。したがってここから見える奥の景色が広井川上流域である。

ちなみに橋の名前は「旭橋」。皿川上流においては重要な観測点である。

その橋から上流をみる。
http://archive.md/rtxZC

ここから山道。この道の左側を皿川が流れている。
http://archive.md/FSNpv

 

さてそれで、皿川上流がそのような状況の時に皿川樋門のある場所ではどうであったのか、という事になります。

皿川樋門のある場所の川幅は8m、水位は50センチ、流速については毎秒1.5m程という所でした。

 【24時間履歴】皿川樋門 外水位
 -2022/04/15-
 16時     0.52↑
 15時     0.51↓
 14時     0.52→
 13時     0.52↑

そうしますと流量は毎秒6m^3、毎秒6立方メートル程度という事になります。

最大でもその程度の水が台風19号の流量ピークの時に皿川上流から流れ込んでいたと考える事ができます。

 

さて雪解け増水の時には台風19号の襲来時よりも上流では多量の水が流れていた、しかしその水が順調に千曲川に自然流下している状況では皿川の水深は50センチ程度なのです。

それがなぜ皿川堤防を破壊して飯山の市街地に流れ出したのか、といえば「皿川上流からの水が千曲川の水位上昇で千曲川に自然流下できなくなった為」であります。

それで皿川樋門を起点としてその上流域、英岩寺橋あたりまで満水になる程に水が溜まってしまった、皿川ダム湖が出来上がってしまった訳です。

 

それで、本来であれば皿川の水が千曲川に流れ込まなくなった時点で皿川樋門のゲートを降ろして排水ポンプで皿川の水を千曲川に排出する、それが常とう手段のはずでした。

しかしながらその様な「内水処理の常とう手段=治水の常識的な対応をせず」に「皿川は自然流下させておけばそれでよい=皿川樋門は開けっ放しでよい」と飯山市も河川事務所もその様に考えていました。

 

その結果は皿川ダム湖から水があふれだし、右岸堤防を破壊して市内に皿川の水があふれ出しました。

そうやって皿川ダム湖の水位が下がりましたので、皿川樋門のゲートが開けっ放しだった為に、今度は千曲川の泥水が皿川ダム湖に向かって流れ込み、そうして飯山市街地に堤防決壊場所から流れ出していきました。

その結果、飯山が千曲川の泥水の中に沈む事になったのです。

 

さてそうであれば「直近10年間ほどは皿川樋門は開けっ放しでも、台風の時には何も起こらなかった」という「数値の裏付けのない、単なる経験則による判断」で今回台風19号の時にも「皿川樋門は開けっ放しでよい」と飯山市も河川事務所もそう判断して排水ポンプ車の事前配置なしで皿川に対する監視人も置かずにその様に実行した、という所に今回飯山水害の原因となる大きな人為的な判断ミスがあったと断定する事が出来ます。

 

少々話がそれましたか。

それで何を言いたかったか、といいますと「皿川上流からの流入量を確認するのであれば英岩寺橋あたりではなくもっと上流の橋で確認する事が必要である」という事です。(注2

なんとなれば、皿川ダム湖が発生する状況下では英岩寺橋あたりまではダム湖になってしまうために皿川本来の上流からの水の流れ込みによる水位は分からなくなってしまうのです。

従って皿川上流からの水の流れ込み量を観測するには英岩寺橋ではだめなのです。

さて、その様にして上流からの流れ込みを正しく観測すれば今回、長野県がいう様な数字、毎秒110m^3(毎秒110立方メートル」などという「数字」がまったく現実離れしてしている「とんでもない数字である事」がよく分かるのです。(注3

 

追記:発表されていた「皿川のハザードマップ」について

詳細は:新着情報の1(2023/11~:にあります。

そうしてそのハザードマップを見ますと「台風19号で飯山市街地にあふれ出した泥水は皿川上流からのものだけである」とする飯山市の説明のウソがわかります。

さて、こうしてみますと「その場限りの当面のウソの言い訳」と言うものは「結局はばれる事になる」という事が分かるのでした。

 

注1:飯山市と足立市長の説明では「今までにない降水量が皿川上流にあったため、皿川が氾濫し堤防が決壊した」と言うものでした。

しかしながら、上記の証言にあります様に「そんなに上流では大量の水は流れていなかった」となっています。

そうして気象庁が過去30年に渡ってレーダー観測してきたデータからの雨量推計から皿川の流量を計算した値に比較しても「今回の皿川上流からの流量は警戒レベルでしかなかった」となっています。

つまり「今回の上流からの流れ込み流量では堤防決壊は起らない」と言っているのですよ、気象庁は。

その事についての気象庁のまとめは以下の資料になります。

台風第19号の事例における雨量等の予測と実際の状況等について(速報)
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jirei/sokuhou/R011012.pdf

10ページに注目すべき表があります。

今回、台風19号で堤防が決壊した支流河川をまとめたものです。

そのまとめの中で唯一、皿川のみが「警戒レベルでしかない上流からの流れ込みで堤防が決壊している」のです。

そうしてこれは「異常な事が皿川で起きていた事」を示しています。

その「異常な事」とは「降水量が多かった」という事ではありません。

それ以外の「異常な事態が皿川で起きていた」という事を示しているのです。

さてでは飯山市と足立市長が「歴代最高の雨量であった」と言うのはまちがいなのでしょうか?

いやそれは単に「飯山市が持っている短い観測記録から見るとそうであった」という事に過ぎないのであります。

気象庁が持っているより長い観測記録からみれば「警戒すべき雨量であるがその程度であって、すぐに堤防決壊に結びつく様な雨量ではなかった」のです。

 

注2:・英岩寺橋と・もっと上流の橋

ここの橋は有尾橋、その橋から一つ上に英岩寺橋がある。画像を200倍に拡大すると皿川左岸にある英岩寺の山門とそこにかかっている英岩寺橋の状況が分かる。

橋から上流側をみる
http://archive.md/Uionf

それで上流にもう一つの橋がかかっているが、この橋をわたって参拝者は英岩寺に入る事になる。

・もっと上流の橋=上記本文で示した橋もそれにあたる。

あるいは英岩寺橋のもう一つ上流にある以下に示す橋の場所での流量観測でも良い。

・英岩寺橋のもう一つ上流にある橋 : https://archive.ph/HXr8S

 

注3:今回長野県が皿川堤防のかさ上げにあたってそれまでは毎秒50.2m^3としていた皿川の最大流量を毎秒110m^3に変更しました。

それで上記に示した様に実際の皿川最大流量は毎秒6m^3程度であり、それまで長野県が設定していた毎秒50.2m^3でも十分に大きな値でした。

しかし今回の飯山水害=皿川堤防決壊を受けての堤防かさ上げにあたって、その理由付けの一環として上記の様な「とんでもない流量設定が行われた」という次第であります。

さてそれで何故そんな「とんでもない数字を持ってくる必要が長野県にあったのか」という事になります。

それは「今回の飯山水害が皿川上流からの想定を超えた水の流れ込みが原因である」という「飯山市の主張に沿った対応をする為」であります。

何故、飯山市の主張に沿った対応を長野県がしたのか?

それは飯山水害の本当の原因の一つに「皿川堤防は不完全堤防であった」=「JRの線路を堤防に組み込んでいた為などによって満水状態に耐えられる堤防ではなっかた」という事実があります。

そうしてその様な不完全堤防のままで放置していた長野県の責任がここにあります。

そうであれば長野県としては「そのような事実は隠したい」=「責任を追及されたくはない」と思う事は当然でありましょう。

従って「堤防が壊れたのは、堤防に不備があったから」ではなくて、「堤防が壊れたのは皿川上流からの想定を超えた水の流れ込みが原因である」とした方が都合が良かったのであります。

 

飯山市の皿川氾濫に見る問題点の検討・一覧

 

追伸:西大滝ダムの水位コントロール状況についての記録

上部

5・2日~8にち、9日~16日 

市川橋の水位計 (-5.07m~-4.46m):2021:8月大雨:

0.11(黒)(2021/8/16
-3.16(キ)(2021/8/17
-3.37(黄)(5/22
-3.68(2021/8/18
ー3.83(4.27
-3.85(2021/8/19
-4.14(2022.9.25
-4.15(黄)(5/23
-4.02(4・30
-4.06(2021/8/14
ー4.09(4・28
-4.20(7/7
-4.26(き)(7/6
-4.32(9/10
-4.34(2021/8/20
-4.36(5・1
-4.43(4/
-4.44(キ)(7/4:11/08/22
-4.45(11/09/22:
-4.46(黄)(2・7/11  <--観測開始水位

-4.47(青)(2・11/10
-4.48(1 -4.49(7/8:(11/07・22年
-4.49(5/2・
-4.50(9/1・4/17・4/29・8/21
-4.51(7/12・4/15
-4.52(1・5/19
-4.53(3:9/6:6/7・9・26
-4.54(9/5
-4.56(1  <--水位-10センチ
-4.57(5/18
-4.58(1
-4.59(11/9 
-4.60(7/13・4/18・8/19・3/27
-4.61(12
-4.62(3
-4.63(4 
-4.64(6
-4.65(5
-4.66(5   <--水位-20センチ

今、-4.64、-4.77、-4.73、-4.71、-4.66、、、、

27日16↑→28日5↓→29日2↓→30日4↓→5・1日13↑

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

市川橋の水位計 (-5.07m~-4.46m):2021:8月大雨:-4.97(B):-4.90(A)<-通常

>>601

上部記録
・・・
-4.65(5
(-4.66(5   <--水位-20センチ)
-4.67(6
-4.68(8
-4.69(9
-4.70(8
-4.71(17  <--水位-25センチ
-4.72(20
-4.73(8
-4.74(13
-4.75(12
-4.76(23
-4.77(16
-4.78(7
-4.79(19
-4.80(15
-4.81(25
-4.82(22
-4.83(16
-4.84(30
-4.85(30
-4.86(31
-4.87(26 
-4.88(29
-4.89(29
-4.90(23
-4.91(31
-4.92(36
-4.93(30
-4.94(22
-4.95(32
-4.96(31  <--水位-50センチ
-4.97(29
-4.98(21
-4.99(15
-5.00(25
-5.01(24
-5.02(13
-5.03(16
-5.04(7
-5.05(9
-5.06(9  <--水位-60センチ
-5.07(5
-5.08(1
-5.09(1

-5.13(1・1/24
-5.24(5・20)
-5.25(1・6/29
-5.34(1・7/2

-5.83(11・15
-5.88(11・17
-5.91(11・16

今、-4.93、-4.92、-4.88、-4.83、-4.64、-4.77、、、、、

30日4↓→5・1日13↑→2日19↓→3日5↓→4日4↓→5日1↓

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#608 2023/05/09 12:17
大滝ダムは大雨の時には 下流への流量制限は実行出来ている模様

ダムの貯水量は危険水位を一応の限界水位として目安にしている。