足立市長と飯山市が繰り返してきた説明、主張について。
足立市長の主張と言うものは、「俺は千曲川の事をよく知っている。したがって俺が決めた避難勧告のルールであっても、俺自身はそのルールにしばられない」という「とんでもないもの」である。
それは丁度警察が交通ルールを決めるが、白バイ隊員が「俺は運転が上手だから、交通ルールには縛られない」というのと同じことである。
そうしてまた「避難勧告は俺が全責任をもって出すもの」であれば「その結果については俺が全責任を持つ」ともいう。
だがしかし「市長の全責任の取り方」というものは「単なる言い逃れでしかない」という事は「皿川氾濫で対策本部が適切にすばやく対応出来ず、そのために被害を何倍にも大きくした」という事実に対して、いままで市長や市役所が繰り返してきた説明や実行してきた損害賠償について振り返ってみれば十分に分かる事なのである。
さて「その1」では次の様に述べた。
『6、飯山市街地に対する避難勧告の発令はなし。そうして浸水被害発生は表面上は無い事になってはいるが、実は千曲川からの浸水被害は発生していた。
そうしてまた、こうした実際の目に見える形の被害の発生とは別に「ルール無視により飯山市民に対して無用のリスクを負わせた」という「目には見えないが非常に危険な行為を飯山市がやっていた事」はページをあらためて「その2」で記述する事とする。』
こうしてとうとうこのテーマは「その3」にまでのばされてきたのであるが、結局のところは「被害がでなかったのだからいいだろう」という市長の主張を認めるのか、それとも松本議員がいう様に「それはたまたま今回はうまく行っただけであって、基本的に避難勧告のルールの運用のやり方が市長は間違っている」を認めるのか、という話になる。
そうして当方の立場と言えば「ルールはそれを作った人も含めて遵守するのが妥当である」と言うものである。
避難勧告を、たとえば「周りが暗いから出せない」とか「避難所の準備が間に合わず、避難所が混乱するからだせない」などと言うのは「2次的な事」であり、千曲川堤防が決壊する事のリスクに比べれば本当に些細な事であるからである。
以上の内容に対する足立市長の態度と言うものは市議会での松本議員との質疑応答によく表れていると思われる。
従ってここではそれを見ていただくのが良いと思われる。
・参考資料の11-2 :・足立市長が主張する「2時ごろに入手した河川事務所からの天端まで1mの余裕」と言う情報は河川事務所からの公式な情報とは言えない。そのような「いいかげんであやふやな情報」を根拠として避難勧告を発令しなかった市長のやり方については、到底認める事が出来ない。
・参考資料の11-3 :・松本議員の正論に対する足立市長の回答、渡辺議員の質問に答える形での足立市長からの重要な情報の公開など。
誰かが言っていましたが「足立市長の態度は市民に対して素直ではない」と。
残念ではありますが当方もその様に感じている次第であります。
追記:皿川が氾濫した事実を確認した時になぜ「皿川樋門を閉めろ」と河川事務所も市役所も樋門操作員に指示しなかったのか?、、、について。
河川事務所は3時15分に飯山市にかけた電話で「樋門を閉めていないのに皿川が氾濫した」という情報を入手したものと思われます。: 令和元年台風19号関連災害経過報告【第2報】 https://www.city.iiyama.nagano.jp/assets/files/senryaku/press/1028iiyama.pdf :最後のページに載っている時系列表を参照願います。
その時までに市役所は樋門操作員と連絡を取り合い「皿川樋門は予定に従って何もせず開けっ放しである事」を確認していました。
さてここで河川事務所も市役所も選択を迫られます。
現状のまま、開けっ放しでいくのか、それとも皿川が氾濫したので樋門をしめるのか?
そうして出した結論が「現状のままで開けっ放しでよい」と。あるいは何らかの都合で「樋門を閉める事が出来ず、開けっ放しで行くしかない」となったのかもしれません。(注1)
まあそれでも皿川が氾濫したのだからポンプ車を送ろうか、あるいは送ってくれ、と言う話になって「ポンプ車一台追加」となったのが3時30分でした。
しかし状況は想定を裏切り、つまりは「皿川は越水はするが決壊はしないだろう」という読みははずれて皿川堤防は右岸のJR接続部、一番低く、そうしてまた耐水性もない場所から決壊したのでした。
その様に皿川堤防が決壊してしまいますと、千曲川の水位上昇に伴って「閉められていない皿川樋門」から千曲川の泥水がどんどんと無尽蔵に皿川側に流れ込み、そうして堤防の決壊場所から市街地側に流れ出しました。
こうして状況は想定をうわ回って最悪となり、今回の飯山の大水害は引き起こされる事になったのでした。
そうであればこれは皿川氾濫ではありません。
「皿川+千曲川の氾濫」なのであります。
注1:皿川が氾濫した事実を確認した以降も皿川樋門が開けっ放しだった理由
最初は樋門操作員が実は樋門を操作できなかった、という可能性について。
と言うのもこの時に二人の樋門操作員にゲート操作を委託されていた皿川樋門、栄川樋管、飯山樋管のいずれもゲートを操作する予定がなかった、いずれの樋門、樋管も開けっ放しでよく、つまり事実上は「名前だけの委託操作員」でよく、それはつまりこの委託業務は「何もしないが委託料はもらえる」という「おいしい仕事だった」という事を意味します。
だがしかし飯山市はこの「何もしない委託樋門操作員」の仕事を「消防団員にあっせん」し、つまりは「河川事務所に推薦」し、そのかわりに飯山水位測定所での水位測定の仕事と雨水排水ポンプ場のゲート操作の仕事をやらせていたのでした。(注2)
こういうのを何というのでしょうねえ、足立さん。まあ「まっとうな取引、契約の仕方ではない」という事だけは当方にも分かりますが、、、。
さてそうではない可能性、それは長年動かしていない皿川樋門であれば動くかどうか、全く予想が出来なかった、この場合、動かそうとしたらゲートが途中で引っかかって下まで降り切らなかった、それはあたかも日光川樋管の左側ゲートの様でありますが、その様な状態で固定してしまったら、それこそ大変な事、後日、千曲川の水が正常な水位に戻った時に「河川事務所のメンテナンス不足が皿川氾濫の原因である事」が誰の目にも明らかになってしまうからであります。
あるいは動かない、故障していたという事が事前に分かっていた可能性もあります。この場合は樋門操作員が操作できようができまいがそれに関係なく、ゲートは開けっ放しにしておく以外に方法はありません。
さて以上の2つの可能性、樋門操作員が操作できない、という事もなく、なおかつ、確かに正常に皿川樋門は動く事が確認できていた、とするならば、残された可能性は「河川事務所と飯山市が皿川が氾濫した現在でも開けっ放しでよい、と判断した」という事になります。
ちなみに上記で述べたような「樋門操作員と飯山市の不適切な関係の可能性」を指摘した以降、現在では栄川樋管と飯山樋管の委託先は飯山市に変更され、皿川樋門だけが「消防団員が操作を委託される樋門」となったのであります。
そうして又飯山水位観測所での1時間に一回の目視水位測定、という「今の時代に合わない水位測定方法」も見直され、皿川樋管の外水位計をレーザー水位計に変更し、これによって測定範囲を今までの「水位が5m以上では測定できなくなる」という点を改善し、飯山市が飯山水位観測所の代替えとして使える自動水位測定所としたのであります。
ちなみに一時間に一回の水位測定で今までどうやって適切なタイミングで避難勧告が出せたのか、市役所の担当者には是非ともご教授いただきたいものであります。
注2:委託樋門操作員の事など
どうやって樋門操作員は選ばれるのか :
・その10-2・千曲川河川事務所と電話で話したよ。
その結果分かった事は「地元の委託された樋門操作員」は「皿川樋門の近所に住んでいる、飯山市から河川事務所に推薦された方である。」という事です。
しかし、その方がどのような選考基準で選ばれたのか、どのような教育訓練を受け、どのような資格をお持ちなのかについては一切が公開されていません。
飯山での委託樋門操作員のお仕事内容について :
・その28・2年前の台風21号の時にも栄川樋管は開きっぱなしであった。
この記事についても「飯山市からの情報公開前にかかれたもの」であったので、訂正が必要になった。しかし「国の委託樋門操作員が市の仕事である水位観測員を兼務していた」という結論部分は変わる事はない。
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