12、千曲川からの逆流が皿川と市街地氾濫後に市内に残したもの
それは千曲川由来の大量の泥
12-1、JR線路の西側へ逆流した千曲川の泥水がその後に残したもの
・お宮下道路 冠水 : 有尾橋側(上流側)からの撮影
・お宮下道路 冠水 : https://archive.fo/UWXKH :下流側からの撮影
・お宮下道路 冠水 : https://archive.md/CG2wJ :対岸からの撮影
従ってこの泥水が引いた後、13日の午後に楽農家さん達が方付けなくてはならなかった状況はこうなります。
憎たらしい千曲川の泥水の跡
楽農家さんブログより引用
『13日午後
お宮下の市道を勝手に掃除
宮司さんの旦那さんが「やってくれ」って頼みに来たから
GARAGEの片付けを中断して出動
明日も9時から泥片付けするから
GARAGEの片付けは後回し』
13日だけでは終わりませんから14日も出動です。
翌日の作業(14日)
楽農家さんブログより引用
『昨日に続いて今朝から区民の有志20名で始まった道路の泥片付け
農家が多いからエンジンポンプが4台使って洗い流し作業も』
この画像は災害発生の翌日(10/14)に地域住民総出でのお宮下道路の千曲川泥水がそこに残したはな泥を掃除する所を写したもの。奥の方では高圧洗浄機を使って最後の仕上げ洗浄をしている。(注1)
手前に写っているのは楽農家さんのタイヤローダーで、これでまずは道の上に厚く積もった泥を排除した模様。
上記写真でよく見るとお宮下道路の横を流れる皿川の右岸と左岸には泥の堆積物が付着し積もっているのが確認できます。(: https://archive.md/yNoXE :これは皿川に降りる道にあった泥の堆積物が無くなった時の画像です。泥の堆積物の破断面が消えています。)
以下の写真は同じ場所の日数がたってからの上流から皿川右岸の泥の堆積物を撮ったものですが、川底には「千曲川の泥の相当に分厚い堆積物」がまだ確認できます。
・皿川川底に残された千曲川逆流泥水が運んできた泥の堆積物:まるでバームクーヘン : https://archive.fo/obQgO :ちなみにこの千曲川からの泥水の逆流の証拠物である巨大なバームクーヘンは現在では撤去されている。: https://archive.md/nqQay :
そうしてこの場所まで千曲川の泥水が上がってきていた、ということはこれより下流にある決壊場所には当然千曲川の泥水は上がってきており、その場所から市街地に流れ出していた、という事は明らかな事であります。
そうしてこの千曲川の泥水は飯山市内を泥で埋め尽くし、その泥は後日、多くの方の尽力により集められて川向こうの土の仮捨て場に捨てられました。
そうしてその量はといいますれば「25mプール二杯分」というのがある方の感想となります。-->12-6に続く
12-2、・決壊後の皿川の状況
皿川橋より上流を写したものだが画像左下の左岸に上記と同じ泥のバームクーヘンが貼りついているのが見られる。その場所より上流側ににも同様にして貼りついていたのだが、今はそれは落下してなくなっている。 : https://archive.fo/L7Q3D :しかしながら「貼りついていた痕跡は確認できる」のでした。
12-3、同様にして千曲川の泥水が皿川樋門に残したもの
・皿川氾濫のすぐ後の皿川樋門の状況 : https://archive.fo/UEdkn
・その泥を取り除く途中の状況 : https://archive.fo/W89Rx :作業は10/21日以降に行われた模様。
・その泥を取り除いてきれいにした後の状況 : https://archive.fo/ti4ou :ここまで2019年、雪が降る前まで
・2020/4月19日15時21分12秒の皿川 : https://archive.fo/Ht7Kp :前の年にきれいにして川底のコンクリートが見えていたその上を、皿川上流からの泥水が流れている様にみえる。そうして皿川起因の泥の堆積はこの程度と思われる。
・2020/7月豪雨で皿川上流から砂利が流されてきて樋門入口にたまった後の画像 :つまり皿川は大雨が降ると泥と砂利を下流に流しだすが、泥水はこの場所にはそれほどたまらずに千曲川にながれだす。それが上の写真の状況。一方で砂利は重量があるために流れの速度が遅くなるこの場所に堆積した、と言う具合だ。そしてこれが2021年の6月に掃除・方付けられて今はコンクリートの下地が見える状態になっている。(2021/6/21現在)
なお現状を確認したい方は : https://livecam.asia/nagano/iiyama/saragawa-saragawabashi.html :でどうぞ。
12-4.JR鉄橋をこえて千曲川の泥水が逆流していた、という事は当然ながらその場所より手前にある右岸堤防決壊場所からは大量の千曲川の泥水が市内に向けて流れ出していた、という事である。
その状況についてはすでに前ページまでに紹介してきた以下の画像をみれば確認出来る事である。
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.md/KCeME :泥水は皿川樋門がある千曲川方向(画面奥方向:ポンプ車が見える)から決壊場所に流れ込んでいる。
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/gIso6 :流れ出す泥水が決壊場所でJR線路側に流れ出し、線路下の土台を削り込んでいる写真。泥水はその反動で反時計回りに渦を巻きながら線路の反対側にあたる堤防の土を丸く削り取っている。
・その場所で少し左側を見る : https://archive.fo/mWE0a :左側から線路方向に向かって泥水が勢いよく流れ込んでいるのがよく分かる。これもまた千曲川からの逆流を証拠立てている写真となる。
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/uIwKu :同上シーンのより決壊場所に近づいた写真
・同上シーンの左上部の写真 写真の奥方向は皿川の下流になるのだがまるでそちらが上流の様に見える。つまり「泥水はそちら側(下流側)から決壊場所に流れ込んでいる様に見える。それはつまり「皿川の下流側の水面の水位が決壊場所の水位より高い」という事である。それでこれもまた千曲川からの逆流を証拠立てている写真となるのである。: https://archive.fo/D1brr
12-5、市街地に流れ出した泥水が後に残した泥
堤防が決壊し、流れ出した泥水が直撃したのは北町。そこに残された大量の泥。
泥水の水深は1m。残された泥の厚さは20センチ。被害総額1000万超え。
このエリアには午前2時~3時には水が入り始めていた。
これは堤防決壊前にすでに相当の泥水が皿川右岸堤防のこのあと決壊してしまう場所から外に流れ出していた事を示している。
そうして堤防決壊後は濁流がこの場所を襲った。
ここより南側の福寿町では「5時までは水は来なかった」。
2時15分に「皿川が氾濫した」と市役所に連絡が入った時点で防災無線などで連絡があれば対応が出来たのに残念である、とは市民の意見である。
12-6、市内に流れ出した大量の泥水に含まれていた泥は大勢の人の手によってダンプカーに載せられ、「土捨て場」に集められた。: https://archive.md/wyHuj :
場所はここ。: https://archive.md/Pps9j :地図上で十字クロスの所。
グーグルマップではそのあたりの表示はこうなる: https://archive.md/fc2Po :
さてこの千曲川からの逆流泥水の証拠物件の泥の山、今ではきれいにかたずけられましたとさ。: https://archive.md/N81VH :と: https://archive.md/o3CIR :
注1:千曲川由来の泥と皿川由来の泥は「今回の飯山水害の泥かた付けを経験された方」にはよくお分かりの事とは存じますが、その粘着力には大きな差があるのです。その事について検討した内容詳細については以下の記事を参照してください。
・その15・「皿川樋門が開いていた」という事の新たな証拠の提示
皿川起因の泥水と千曲川起因の泥水はそのあとに残す泥のありさまがまるで違う。
そうして飯山市街地には明らかに千曲川起因の泥水が流れ出しており、流出した泥の量は25mプール2杯分を上回る。
追伸(2021/9/3):皿川樋門側から堤防決壊場所に水の流れがあった証拠の画像
ゴミが樋門側から堤防沿いに流れてくる元画像 : https://archive.fo/6PpWP
↑・画像は皿川ダム湖の右岸堤防であるが、その堤防沿いにダム湖の水面をゴミが流れてきているのが分かる。このごみは千曲川由来のゴミ(木くず)であって、千曲川から皿川樋門を通じてこちら側に流れ込んできた。
そして、そのごみは通常は皿川樋門の入り口辺りで浮かんでいるものなのであるが(その状況は2021/8月大雨の時の皿川樋門のライブカメラで状況確認した : 千曲川から皿川樋門を通じて皿川側に逆流してきた、千曲川由来のゴミ、見えているホース3本は排水ポンプ車による排水の事前準備 : https://archive.fo/G117t : https://archive.fo/QUnt2 )、
皿川堤防決壊により、皿川樋門側からこの決壊場所に向かって千曲川からゲートが開きっぱなしの皿川樋門を通じて逆流する強い水の流れが生じた。その水の流れにのって、樋門入口あたりに在ったゴミがここまで流されてきているのである。 : https://archive.fo/Qr36Z :<--このページの右側画像参照
追伸の2:川底に出来る泥の堆積物について
千曲川からの逆流が存在している状況では川底の水の流れの速度は上流側に向かって緩やかなものになっている。そのために泥水の中の泥の粒子は川底に向かって沈降し堆積するのである。
そうしてその状況では川底一面に泥の堆積物が出来るのであるが、皿川の水が千曲川に自然流下し始めると、川の水が下流に向かって流れている部分の泥の堆積物は水の流れで削り取られて下流に流されていく事になる。
しかしながら水の流れが小さくなった時に水が流れている所から外れた場所にあった泥の堆積物はそれ以上水の流れで削られる事はなくなる。
従って川の中央部の泥の堆積物は水の流れが正常に戻った時にはなくなっており、しかしながら川の両岸の水の流れが少ない場所、あるいは水が流れなくなった場所に在った泥の堆積物はそのままそこに取り残されるのである。
そうしてまた千曲川の泥の特徴はその粘着力にある。そうであれば川の両岸がコンクリートである場合は泥の堆積物は両岸のコンクリートに張り付く形でのこる。
しかしながらコンクリートでなく草がそこに在った場合は泥は草に張り付く事ができず、下流に流れ去ることになる。
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