ぴてのひとりごと

法務や福岡ソフトバンクホークスの話題など、徒然なるままに書き込んでいるブログです。

靖国訴訟大阪高裁判決

2005-09-30 23:04:16 | 法務
首相の靖国参拝「違憲」 大阪高裁判決 宗教的活動に当たる (産経新聞) - goo ニュース
 内閣総理大臣の靖国神社参拝をめぐる裁判において、大阪高等裁判所が違憲判断をしたようです。靖国神社参拝の合憲性そのものはとりあえず置いておいて、個人的には裁判所が憲法判断を行ったこと自体に疑義があります。


 今回の大阪高等裁判所の判決は、原告の権利侵害等がないという判断だったわけですから、端的にそれだけを判断して控訴を棄却すればよかったはずで、わざわざ憲法判断を行ったことには疑問が残ります。もちろん、原告としてはもっとも重要なのは憲法判断をしてもらうことであり、その気持ちも分からないではありませんが、特定の事案の解決に必要な範囲を超えて憲法判断してしまうことは「法律上の争訟を判断する」という司法の機能から離れてしまうのではないかという懸念があります。


 ただ、それ以上に問題なのは、不利な憲法判断を受けた側が上訴できないということです。形式的には被告(国)勝訴ですから、不利な憲法判断を受けた側(国)が上級審の判断を受けられないこととなります。これは問題だと思います。「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」(憲法第81条)なのですから、最高裁判所に判断を求められない形で憲法判断を行うのは妥当ではないと思います。


企業価値と株価

2005-09-28 00:16:26 | 法務

 金融法務事情の1749号に「買収防衛策と「企業価値」の意義」という非常に興味深い記事が掲載されていました。企業価値とは究極的に株主利益に還元されるのか、それとも企業価値を判断するに当たり他のステークホルダーの利益も独立して考慮できるのか、という文脈で検討されていることが多いと思います。しかし、本稿はもう少し別の角度から検討しています。簡単に言うと、

「買収防衛の場面では買収と無関係な一般株主の利益にとって、企業価値は無関係であり(少なくとも「重要ではなく」)、株価こそが重要な場面がある。」(金融法務事情No.1749 P82 大塚和成)

ということになります。確かに、ニレコがセキュリティプランを導入しようがしまいが、ニレコの将来のフリーキャッシュフローが変化するわけではなく(*1)、その意味では企業価値に変化はありません。ニレコのセキュリティプランは、ニレコ株式の流動性を阻害することにより株式そのものの価値を毀損することに問題があったわけで、そういう観点からすると企業価値と株価が一致しないという指摘は確かに納得できるものがあります。

(*1)敵対的買収防衛策を導入することにより、会社が常時「For Sale」の状態でなくなることに起因する効果については、議論の単純化のために無視してください。

 しかし、続いて筆者は「取締役は、(中略)株主に対し、直接、株価に関する義務を負うと解される。」と結論づけていますが、かならずしもこの部分の論理は明確ではありません。というのは、取締役は原則として会社に対して善管注意義務を負っているのであり、個々の株主に対して義務を負っているのではないからです。ニレコ事件は、基本的にはセキュリティプランそのものは企業価値に中立(少なくとも平時においては)だったから不公正発行として差止めの対象になったのだと思いますが、企業価値と株価が対立するような場面ではどちらが優先すべきなのか非常に難しい問題であろうと思います。筆者自身、「かかる直接の義務の具体的内容がいかなるものであるのかは、問題提起の域を出ていない」と述べています。

 よくよく考えると、一般的に会社が獲得するキャッシュフローと無関係に株主に不利益が生じた場合の取締役の責任の判断基準そのものがよく分からないですね。条文としては、商法266条ノ3の解釈問題だと思いますが、どのような場合に「職務ヲ行フニ付悪意又ハ重大ナル過失アリタルトキ」に該当するのかは、どう判断すればよいのでしょうか。


のまタコ

2005-09-27 00:26:06 | 法務
 エイベックスがモナーなどのアスキーアートにインスパイアされて創作したとして、著作権を主張している(商標登録申請もしているようです。)「のまネコ」に対抗して、2ちゃんねる側が「のまタコ」なるキャラクターを作り、エイベックス側に公開質問状を送っているようです(こちら


 似たような事例として、タカラがギコ猫を商標登録申請したという事件があります。このときの反応を考えると、エイベックスとしても今回のような激しい拒絶反応が2ちゃんねる側から出てくることが想像できたはずで、どのような意図でエイベックスが今回の商標登録申請をしたのか興味があるところです。


田尾監督解任

2005-09-25 23:18:22 | Weblog
楽天、田尾監督を解任…後任に野村克也氏ら浮上 (読売新聞) - goo ニュース


 う~ん、今期の楽天の戦力で一年で解任はちょっと田尾監督がかわいそう。確かに成績はかなり悲惨なものでしたけど、他の監督であったとしてもどれほど結果が変ったか疑問ですね。楽天の本体の事業のスピード感からすると、1年で結果が出せなければ遅すぎるということなのかもしれませんが、事業ごとの特性があるのですから、それを一律に適用するのが妥当かどうか、判断が難しいところです。ホークスの王監督も1年目、2年目はふるいませんでしたが、今ではホークスを毎年優勝争いさせる強豪チームに育てあげました。そういう先例から考えても、もう少し長い目で見てあげてもよかったのではないかと思います。


 それから、当代随一の名将、オリックスの仰木監督も今シーズン限りで勇退するようです。健康上の理由ということで仕方のないことかもしれませんが、今期のオリックスは仰木監督の手腕でここまで戦ってこれたのではないかと思いますので、後任の監督の方は大変じゃないかと思います。


ソニーの経営戦略発表

2005-09-24 00:41:27 | 経営、経済

 ソニーが経営戦略を発表したようです(こちら)。1週間ほど前に日経新聞が朝刊1面トップで金融事業売却を報じていましたが、これはどうも事実ではないようです。まあ、ソニーも即座に適時開示で明確に報道の内容を否定(こちら)しましたからね(あんなに明確な否定の仕方は珍しいんじゃないかと思いますが。)。

 個人的にもソニーは金融事業を売却しない方がいいと思います。というか、これからのコア事業になっていくのではないでしょうか。ソニーの有価証券報告書(こちら)を見ますと、金融セグメントの営業損益は、2003年度、2004年度それぞれ55,161百万円、55,490百万円と安定して高収益を上げています。それに対しエレクトロニクスセグメントの営業損益はそれぞれ△6,824百万円、△34,305百万円とかなり不調です。このような状態で、コア事業として、エレクトロニクス、ゲーム、エンタテインメントに加えて金融が入らなかったことの方が不思議です。

 米国の製造業も金融で稼いでいるところはあります。時価総額最大のGEのForm 10-K(こちら)をみると、Segment Profitの内訳として、Commercial Finance 4,465million、Consumer Finance 2,520million、Insurance 569millionとなっており、Total Segment Profit 21,278millionの1/3以上が金融分野です。自動車のGMに至っては、Automotive and Other OperationsのNet Income (Loss)が(89million)、Financing and Other OperationsのNet Income (Loss)が2,894millionですから、完全な金融会社です。米国の製造業全般を調べたわけではないので、あくまで私の感覚に過ぎませんが、米国の製造業は金融で稼いでいるという印象を強くもっています。

 とすれば、ソニーとしても現在の収益構造を前提に考えれば金融事業に力を入れていくというのがむしろ自然な流れであり、金融事業を売却という選択にはかなり疑問を感じます。実際に、ソニーの発表でも金融事業の売却を否定しています。とすると気になるのは日経の記事です。日経がなんの裏付けもなく観測記事を一面トップに持ってきたとは考えにくいのですが、なにか事情があったのでしょう。それがなんだったのか知りたいところですね。


検察審査会の勧告

2005-09-23 01:23:22 | Weblog
「不起訴不当」軽視しないで、検察審査会が異例の注文 (読売新聞) - goo ニュース

 検察審査会が東京地検に対して勧告を行ったようです。勧告の原文に当たったわけではないのですが、報道されている範囲ではよく意味が分からない部分があります。それは、

「法律の解釈は一般国民の視点による判断が大切で、検察と同じ視点で犯罪をとらえ、構成要件の当てはめを考える必要は全くない」

という部分です。「一般国民の視点による判断」とはなんでしょうか?起訴という刑事罰の適用の前提となる行為を行う際の法律解釈に当たって「構成要件の当てはめを考える必要は全くない」というのはこれまでの罪刑法定主義の考えを覆す、新たな憲法解釈ではないでしょうか。検察審査会がいきなり新たな憲法解釈に基づいて勧告を出すことが適当とは思えません。

起訴という権限の行使に当たり、検察が独善に陥ることなく検察審査会の意見を尊重すべきであるということが言いたいのでしょうが、だからといって構成要件を無視してとにかく起訴すべきであるというのはやりすぎです。もちろん勧告全文を読んでみないと内容が正確に理解できないので、誤解に基づく記述も多分にあるかもしれませんが、報道を読んでまず以上のようなことを感じました。


ようやく勝った

2005-09-23 00:43:44 | 福岡ソフトバンクホークス
 千葉ロッテマリーンズとの首位攻防戦、ようやく勝ちました。これでホークスの首位はほぼ確定でしょう。残り5試合で3ゲーム差、うちホームでの楽天戦が2試合ですから、明日からの西武戦を1試合取れば1位はまずは安泰でしょう(楽天には申し訳ないですが。)。ロッテに4連敗したらどうしようかと思いましたが、とりあえずは一安心です。


 しかし、逆に千葉ロッテマリーンズに5ゲーム差をつけてアドバンテージをとることも難しくなりました。プレーオフセカンドステージが怖いですね。いっそのこと西武かオリックスがファーストステージで勝ち上がって来てくれれば、アドバンテージがついて助かるんですけどね。


 それより心配なのが城島の怪我。自打球を当ててかなり痛がってましたので、大事にならなければいいなと思っていたんですが、結果は骨折で今シーズン絶望。これは痛すぎます。早めに復帰して日本シリーズにはなんとか間に合わせて欲しいのですが・・・


 今日は、千葉マリン最終戦ということもあって、初芝選手の引退セレモニーがありました。一旦球場の電気を全部消すという粋な演出もあり、大変盛り上がりました。ホークスは初芝に本当に痛い目に何度も合わされましたが、なんというか憎めない愛されるキャラの選手だったと思います。最後はマリーンズファンだけでなく、ホークスファンからも初芝コールの大合唱でした。


千葉マリン

2005-09-20 22:04:00 | Weblog
今日はたまたま外出直帰だったので、ついでに千葉マリンまで行ってきました。せっかく雨の中で応援したのに残念ながら競り負けてしまいました。序盤に何回も得点のチャンスがあったのですが、拙攻やら微妙な判定やらで得点できなかったのが痛かった。
川崎のよく意味の分からない盗塁死(無死一、三塁から一塁走者が盗塁してアウトになるとは…)もちょっといただけませんが、もう一つ異議があるのが三塁コーチの判断。打者が安打を打った時には二塁走者をなるべく三塁で止めない方がいいと個人的には思うのですが…。無死だったからしょうがないと思うのだけど、ホークスはいつも犠飛やタイムリーがでないので、ギャンブルで本塁突入させてもよかったんじゃないかと思うんですけどね。少なくとも強い三ゴロで三塁走者本塁突入よりははるかに可能性が高かったんじゃないでしょうか。
今日の試合はそういう場面が序盤に二回もあり、あそこで本塁突入していれば結果はかなり違ったんじゃないかと思います。
まあ、結果論に過ぎないのですが。


大リーグの日本語広告

2005-09-19 10:13:57 | Weblog
最近、大リーグの球場で日本の広告が目立つような気がします。もちろん、日本人大リーガーが出場する試合だけだとは思いますが。特にバックネット裏。
それだけ日本で大リーグ中継が多く広告としての価値が高くなったのでしょう。ただ、英語でブランドネームを出す広告はまだしも、アメリカで行われている試合に日本語で広告を出すことはどうなのでしょうか。観戦に来ているアメリカ人のほとんどには読めない広告ですから、彼らにはとても奇妙なものに思えるでしょうね。


ヨドバシアキバに行ってきた

2005-09-17 22:21:54 | Weblog
昨日、会社からの帰りにヨドバシアキバを見てきました。午後十時の閉店間際というのにものすごい人でビックリ。
ただ、店舗面積はかなり広くて、品揃えは多そう。上の方には書店もあるし食べるところも多いので、混雑が一段落したらじっくり見に行きたいと思います。