ぴてのひとりごと

法務や福岡ソフトバンクホークスの話題など、徒然なるままに書き込んでいるブログです。

ソニーの経営戦略発表

2005-09-24 00:41:27 | 経営、経済

 ソニーが経営戦略を発表したようです(こちら)。1週間ほど前に日経新聞が朝刊1面トップで金融事業売却を報じていましたが、これはどうも事実ではないようです。まあ、ソニーも即座に適時開示で明確に報道の内容を否定(こちら)しましたからね(あんなに明確な否定の仕方は珍しいんじゃないかと思いますが。)。

 個人的にもソニーは金融事業を売却しない方がいいと思います。というか、これからのコア事業になっていくのではないでしょうか。ソニーの有価証券報告書(こちら)を見ますと、金融セグメントの営業損益は、2003年度、2004年度それぞれ55,161百万円、55,490百万円と安定して高収益を上げています。それに対しエレクトロニクスセグメントの営業損益はそれぞれ△6,824百万円、△34,305百万円とかなり不調です。このような状態で、コア事業として、エレクトロニクス、ゲーム、エンタテインメントに加えて金融が入らなかったことの方が不思議です。

 米国の製造業も金融で稼いでいるところはあります。時価総額最大のGEのForm 10-K(こちら)をみると、Segment Profitの内訳として、Commercial Finance 4,465million、Consumer Finance 2,520million、Insurance 569millionとなっており、Total Segment Profit 21,278millionの1/3以上が金融分野です。自動車のGMに至っては、Automotive and Other OperationsのNet Income (Loss)が(89million)、Financing and Other OperationsのNet Income (Loss)が2,894millionですから、完全な金融会社です。米国の製造業全般を調べたわけではないので、あくまで私の感覚に過ぎませんが、米国の製造業は金融で稼いでいるという印象を強くもっています。

 とすれば、ソニーとしても現在の収益構造を前提に考えれば金融事業に力を入れていくというのがむしろ自然な流れであり、金融事業を売却という選択にはかなり疑問を感じます。実際に、ソニーの発表でも金融事業の売却を否定しています。とすると気になるのは日経の記事です。日経がなんの裏付けもなく観測記事を一面トップに持ってきたとは考えにくいのですが、なにか事情があったのでしょう。それがなんだったのか知りたいところですね。


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