ぴてのひとりごと

法務や福岡ソフトバンクホークスの話題など、徒然なるままに書き込んでいるブログです。

靖国訴訟大阪高裁判決

2005-09-30 23:04:16 | 法務
首相の靖国参拝「違憲」 大阪高裁判決 宗教的活動に当たる (産経新聞) - goo ニュース
 内閣総理大臣の靖国神社参拝をめぐる裁判において、大阪高等裁判所が違憲判断をしたようです。靖国神社参拝の合憲性そのものはとりあえず置いておいて、個人的には裁判所が憲法判断を行ったこと自体に疑義があります。


 今回の大阪高等裁判所の判決は、原告の権利侵害等がないという判断だったわけですから、端的にそれだけを判断して控訴を棄却すればよかったはずで、わざわざ憲法判断を行ったことには疑問が残ります。もちろん、原告としてはもっとも重要なのは憲法判断をしてもらうことであり、その気持ちも分からないではありませんが、特定の事案の解決に必要な範囲を超えて憲法判断してしまうことは「法律上の争訟を判断する」という司法の機能から離れてしまうのではないかという懸念があります。


 ただ、それ以上に問題なのは、不利な憲法判断を受けた側が上訴できないということです。形式的には被告(国)勝訴ですから、不利な憲法判断を受けた側(国)が上級審の判断を受けられないこととなります。これは問題だと思います。「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。」(憲法第81条)なのですから、最高裁判所に判断を求められない形で憲法判断を行うのは妥当ではないと思います。


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