「不起訴不当」軽視しないで、検察審査会が異例の注文 (読売新聞) - goo ニュース
検察審査会が東京地検に対して勧告を行ったようです。勧告の原文に当たったわけではないのですが、報道されている範囲ではよく意味が分からない部分があります。それは、
「法律の解釈は一般国民の視点による判断が大切で、検察と同じ視点で犯罪をとらえ、構成要件の当てはめを考える必要は全くない」
という部分です。「一般国民の視点による判断」とはなんでしょうか?起訴という刑事罰の適用の前提となる行為を行う際の法律解釈に当たって「構成要件の当てはめを考える必要は全くない」というのはこれまでの罪刑法定主義の考えを覆す、新たな憲法解釈ではないでしょうか。検察審査会がいきなり新たな憲法解釈に基づいて勧告を出すことが適当とは思えません。
起訴という権限の行使に当たり、検察が独善に陥ることなく検察審査会の意見を尊重すべきであるということが言いたいのでしょうが、だからといって構成要件を無視してとにかく起訴すべきであるというのはやりすぎです。もちろん勧告全文を読んでみないと内容が正確に理解できないので、誤解に基づく記述も多分にあるかもしれませんが、報道を読んでまず以上のようなことを感じました。
検察審査会って機能しているんだろうか。検察審査会が意見したからといってコロコロ考えを変えるとしたら検察も意味がないし、全く聞かないのも審査会の意味がない。
社会的な意味が大きいのでしょうね。
ただし、だからといって法解釈を無視してもよいということにはならないはずですよね。