ぴてのひとりごと

法務や福岡ソフトバンクホークスの話題など、徒然なるままに書き込んでいるブログです。

役員賞与の処理

2005-09-11 10:48:55 | 法務

「役員賞与に関する会計基準(案)」

 財務会計基準機構の企業会計基準委員会が役員賞与の会計処理に関する草案を公開しました。内容は、これまでは費用として処理することを原則としつつ、利益処分として処理することも例外的に認めてきたけれど、これからは必ず費用として処理しなさい、ということです。

 会社法上、「剰余金の配当」として役員賞与を支給することはできないことは明白だったのですが、剰余金の分配として役員賞与を支給できるかどうか、必ずしも明らかではありませんでした(したがって、株主総会で決議をすれば剰余金の分配として役員賞与を支給できるのか不明であった。ちなみに、剰余金の配当の決定は定款をもって取締役会に授権できるが、分配全体を取締役会に授権することはできない。)。

 しかし、会計上役員賞与を費用として処理することに一本化したことにより、役員賞与は役員の報酬制限規制に服することが明確になりました(剰余金の分配として処理できない。)。これは理論的ですし、非常に明快になってよかったのではないかと思います。


TOEFL

2005-09-11 01:35:51 | Weblog
 日本人がアメリカの大学に留学する場合に、ほぼ確実に受けなければいけない英語のテスト、TOEFL(Test Of English As a Foreign Language)。正直に言って、日本人には大変難しい難しいテストです。財団法人経済広報センターの出している「Japan 2004」によると、平均のTOEFLスコアは、中国563点、韓国533点、台湾523点、タイ514点に対して、日本は487点(なお、現在は点数のシステムが変更になり、300点満点に変っています。)。圧倒的に他国に差をつけられています。これだけ低いと、「TOEICができたのは、TOEFLが日本人にとって難しすぎて意味がないからだ。」というまことしやかな噂も真実味が帯びてきてしまいます。もっとも、TOEICのスコアも他国に大きく引き離されているようですが・・・。


 このTOEFLテストの新しいバージョンが9月から導入されるようです(ただし、日本では2006年から。)。その名も、Internet-based Testing(iBT)(詳しくはこちら)。日本人の得意なStructureのセクションが無くなり、新たにSpeakingのセクションが登場します。おまけにWritingが2題になり、うち1題は短い講義を聴いてそれについての作文をするそうです。もう聞くだけで勉強する意欲を失ってしまいます。私が今からTOEFLの勉強を始めなければいけないとしたら、もう泣いちゃいそうです。


 こうなってしまうと、短期決戦で猛烈に勉強し、テクニックを駆使してスコアメイクしようとするやり方は通用しなくなってしまいますね。日常的に英語を使用する機会がほとんどない日本人にとっては圧倒的に不利になってしまいます。


 今回の制度改正は、スコアが高くてもコミュニケーションができない日本人が多いから、コミュニケーション能力を正確に計測できるシステムにしようという趣旨だと思います。その趣旨は分かりますが、その結果として米国に留学する日本人が減少することになれば日米双方にとって不利益なことだと思います。多くの日本人が米国の大学で勉強することは、日本人が米国を知り、米国人が日本を知る、重要な機会であるからです。


 米国の大学で勉強するのだからそれに必要な英語でのコミュニケーション能力を備えてからくるのが当たり前だ、というのは正に正論なのですが、日本にいながら(抽象的な議論ができるほど高度な)会話力を備えることは現状では困難なことです。留学しながらそのような語学力を育成していくこともまた留学の重要な目的であるということは否めないと思います。そのような点をも考慮した上で、TOEFLの新しいスコアが適切に利用されることを期待してやみません。