全株懇の定時会員総会報告書に東大の江頭教授の「役員等の責任の不真正連帯債務性」という講演録が掲載されていました。この問題は、弥永教授が会計監査人の責任限定契約を締結していないと、仮に社外取締役と責任限定契約を締結していても会計監査人から求償権の行使を受けてしまうことになり、結局社外取締役が責任限定の効果を得られないのではないかという形で指摘していたのではないかと思います(不真正連帯債務における免除の相対効)(ビジネス法務の部屋のこちらの記事をご参照)。
弥永教授の問題提起に対しては、江頭教授は立法趣旨から考えて責任限定契約には絶対的効力があると説明されています。具体的には、取締役の責任については①損害填補機能、②抑止機能とがあり、役員等の責任の制度が②抑止機能を主たる制度目的であると考えると、必ずしも会社の損害を全額回復させる必要はなく、不真正連帯債務の免除に絶対効を認めても、制度趣旨を損なうことにはならないとの主張です。
確かに、社外取締役の責任限定契約に絶対効を認めないと、あらかじめ社外取締役の責任を限定しておいた制度趣旨が没却されることになりますので、江頭説が妥当なような気がしますが、判例はどう解釈するのでしょうか。興味がありますね。
弥永教授の問題提起に対しては、江頭教授は立法趣旨から考えて責任限定契約には絶対的効力があると説明されています。具体的には、取締役の責任については①損害填補機能、②抑止機能とがあり、役員等の責任の制度が②抑止機能を主たる制度目的であると考えると、必ずしも会社の損害を全額回復させる必要はなく、不真正連帯債務の免除に絶対効を認めても、制度趣旨を損なうことにはならないとの主張です。
確かに、社外取締役の責任限定契約に絶対効を認めないと、あらかじめ社外取締役の責任を限定しておいた制度趣旨が没却されることになりますので、江頭説が妥当なような気がしますが、判例はどう解釈するのでしょうか。興味がありますね。