ぴてのひとりごと

法務や福岡ソフトバンクホークスの話題など、徒然なるままに書き込んでいるブログです。

誰のための総会か

2006-06-30 00:22:35 | 法務
 今年も無事株主総会が終了しました。J-SOX対応等まだまだやらなければならないことが山積ですが、大きなイベントが終了し、とりあえず一安心、一休みといったところでしょうか。

 株主総会運営においてもっとも重要なのは適法性、安全性ですが、その次にいかに株主と経営陣の良好なコミュニケーションを成立させるかということにも事務方としては気を配っています。株主総会は、多くの株主の方にとって経営者の声を直接聞く、年に1回の貴重な機会ですので、株主の方が会社の状況、施策を十分に理解してもらえるよう充実したコミュニケーションの場にしたいといつも考えています。

 最近は出席株主の方も積極的に発言されるようになり、それなりに株主総会が活性化してきたと思うのですが、中には自らの主義主張や不平不満をぶつける場として利用している方も多いようです。電鉄会社や電力会社等の公共関連の株主総会でそのような株主が多い(というか質問のほとんどが主義主張や不平不満)ですね。このような株主総会だと、一般の株主にとって経営者の声を聞くせっかくの機会が無為に費消されてしまい、結局物足りなさを感じる株主の方が多いのではないかと思います。

 質問権は株主の権利ですからそれを行使すること自体は問題ありませんし、もちろん個々の質問には経営陣が誠実にお答えしていかなければならないと思うのですが、株主の方も他の株主に配慮した質問権の行使をしてほしいと思っています。

 コミュニケーションというのは双方向のものですから会社と株主の双方がかみ合わないとうまくいきません。一人でも事務方や経営者をうならせるような質問があると、その総会の雰囲気はぐっと良くなります。来年の各社の総会では、そういう質問が多くなるといいなと願っています。

ISSの推奨に対するオリックスの反論

2006-06-17 02:27:36 | 法務
 最近、日本の会社の株式を持っている機関投資家の議決権行使に影響を与えているISSという会社があります(こちら)このISS(Institutional Shareholder Services)は機関投資家に対して議決権を行使するに当たり個別の議案に対する賛否を推奨しており、機関投資家の議決家行使に一定の影響を与えています。

 このISSの議決権行使推奨に対し、発行会社が反論を出しました。オリックスの社外取締役のひとりに対するISSの反対推奨に対し、オリックスが反論を出しています(こちら)。

 ISSの日本責任者(アナリスト)は日本の法制度に精通し、その分析はかなり高い水準にあると聞いていますが、もちろんそのようなアナリストも無謬ではありません。発行会社からこのような反論が出されることは、株主に対する説明責任という観点からも好ましく、いいことなのではないかと思います。なによりも、株主の議決権行使を真摯に捉えているというのは、よいコーポレート・ガバナンスの要素のひとつではないかと思います。

久々のエントリー

2006-06-09 00:31:43 | Weblog
コーポレート・ガバナンス報告書を提出したと思ったら、いつのまにやら六月。招集通知を発送したら、いよいよ株主総会も本番までのカウントダウンです。
そんなこんなでブログの更新もままならない状態ですが、なんとかやっています。
そういえば、昨日金融商品取引法が成立したようです。日本版SOX法対応の準備も加速しないといけないのでしょうね。