映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「モーガン・スパーロックの30デイズ Vol.3」

2007年02月07日 | 映画~ま~
1ヶ月間ひたすらマクドのハンバーガー、しかも特大サイズを食べ続けるというドキュメンタリー『スーパーサイズミー』の監督モーガン・スパーロックの「30日間」シリーズです。日本ではWowowで放映していたみたいだけど、私はビデオで見ました。『スーパーサイズミー』もDVDで観たのだけど、これが意外に面白かったので、このシリーズも観てみました。

先日見たのはこのシリーズの第5弾、第6弾。これはスパーロック本人ではなく、一般人が挑戦します。それをドキュメンタリータッチで追うというもの。そりゃそうだよな。何でもかんでも監督が自分の体を犠牲にしてたら持たないもん。


第5弾は、ニューヨークで都会生活に慣れきってしまったクラブ勤務の2人が、ミズーリ州のエコ生活を徹底しているコミュニティーで生活すると言うもの。シャワーは5日に1回。お湯も薪で沸かす。市販のシャンプーや整髪料、ソープ類等々、すべて禁止。闇雲に禁止ではなく、環境汚染につながるから。シャワーなどで使用した水はコミュニティー内の池に流れる。もしそこで循環しない市販のものを使えば、その水をリサイクルできなくなってしまうわけですな。

まず、基本はベジタリアンな食事。これも、肉を普段の生活に取り入れると言うことは、家畜の世話に使用する膨大な水・餌代・運搬用トラックにその燃料となるガソリン、スーパーに並ぶ時のプラスチック容器まで考えれば、とにかくコストがかかりすぎているし環境にも悪影響…という考え方の結果たどり着いた野菜食。30歳の女性は半月ほどでなれたみたいだけど、37歳の男性は肉がないと生きていけない典型肉食人間。終いにはコミュニティー内を走り回る野生のウサギを空気銃で撃ち殺し、食べ始める始末。
肉を食べることが悪いとは全然思わない。私も肉好きだし。でも、「食べたい」という理由だけで勝手に狩猟し、そのコミュニティーの人たちと一緒のテーブルでそのウサギを食らうと言うのはなんとも。日本には「郷に入っては郷に従う」ということわざがあるけど、この人にはないみたい。

使用済み食用油で走る車をみて大爆笑、というか馬鹿にした爆笑をする女性。「何でガソリンじゃないのよ!食用油だなんてバカじゃないの?」みたいな。いや、車は走ればいいじゃん?何でガソリンである必要があるのよ?とツッコミたくなる。むしろ食用油で走る車を開発したことを尊敬しようよ!・・・いやそれ以前に、どんなにエコ・コミュニティーとはいえアメリカで生活する限り車は不可欠なんだなぁ、とそこに関心してしまった。

「絶対洗脳されないぜ」とくだを巻いていたけど、30日間を終えた2人は少しは考えが変わったかも。特に女性のほうは「地元で取れた食べ物を選んで摂取するように心がけたい」と言っていたし。また、電球ではなく電球型蛍光灯を使うことで、電機の節約になるんだって!しかも6倍くらい長持ちするらしい。お金の節約にもなるよね。


第6弾は、大学に入って毎日パーティー三昧、週に4日は飲みすぎで記憶をなくしている娘の目を覚まさせたい!というもの。その方法が、母親が同じように30日間毎日酒を飲み続け、その姿を娘に見せることで反省を促そう…というものなんだけど、そもそもその方法が間違ってるよなぁ。なんか、「進め!電波少年」みたいになってるような気がする。


チャレンジする内容は、日本でもきっと受けるものなんだけど、チャレンジしながら変わっていく姿、意見、姿勢がやはり日本人とは全然違うんだよね。しかもアメリカ人って言うのがミソ。テレビシリーズだし繰り返し見るようなものではないけど、気軽に笑いながら、でもかなり深刻にアメリカの(時に日本にも置き換え可)の現状を知ることができるエッセンス的番組です。


お薦め度;★★★