現在の はるたんを理解するキーワードは、
「べいべい」である。
「ばいばい」のことである。
「ば」は、はるたんが一番得意な音。
だから「ばいばい」と言えないはずはないのに、
なぜか「ばいばい」ではなくて「べいべい」。
少し前、母の電話のマネをするときに、
受話器を耳に当て、会釈をしながら「へい!、へい!、」と言っていたし、
(今は ちゃんと「はい!、はい!、」とやっている)
「いっぱい」を「ぺいー」と言うから、
それと同じような理由かもしれない。
「い」の音につられて、ア行がエ行になるんだろうか。
出かける家族に向かって「べいべい」
自分が部屋を出て行く時にも「べいべい」
帽子や靴下を脱ぐときに「べいべい」
物を片付けて欲しい時に「べいべい」
もう食べたくない ご飯やおかずに「べいべっ!!」
人見知りが激しかった時期、外で父に抱っこされていた時、
電気工事のおじさんが父に近づいてきたら、
「べいべい!!!」(→でも去ってくれなかったので激しく大泣き)
「○○する?」と尋ねられると、
答えがノーの場合には「べいべい」。
お店にて。
おもちゃを手渡すと、少し眺めて
「べいべい」。
あれもこれも欲しがって手放さないよりは楽かもしれないが。(←将来的にはこうなるかもしれないが)
(はるたんは、好みが とてもはっきりしていて、
ずっと前、まだお座りで遊んでいる頃、両手にそれぞれ物を持たせると、
いらない方を即座に判断して上に挙げる、という意思表示をしていた)
嫌なことや、自分の目の前から消えて欲しいものに対しても使うので、
はるたんの「べいべい」は、「イヤ」の意味も兼ねているのだ。
(ひょっとして このまま“イヤイヤ期”に突入?)
はるたんが母と遊んでいるところに、私が現れると、母に向かって「ばいべ」。
用済み、という感じで、言われるとさみしい。
現代っ子らしく、義理や人情はないのね、と母。
時々、ドライに「ばいべっ」と吐き捨てる。
私はそんな子に育てた覚えは…。
ただ、そんな「べいべい」とは対照的に、
とても“よい子”的で面白いことがある。
“返事が良い”ことである。
「○○する?」
「・・・ハイッ!」
とても良い返事が返ってくる。
はるたんの同意の返事は、なぜか、
「うん」を通り超して、丁寧な「はい」なのだ。
物を受け取る時にも、
“ありがとう”の(少し遠慮がちな?)笑みを浮かべつつ、
お辞儀をしながら「ハイッ」。
普通は、受け取ってからハイと返事するものだけれど、
欲しいものがある時に、
先に「ハイッ」と言うのが面白い。
(腰の低い「ハイ」が、「ちょうだい」の意味になっている)
「~しようね」と、諭すように言うと、
「・・・ハイッ!」。
返事だけはいいのだ。返事だけは。
その後また、同じことを、
ケタケタ笑って繰り返したりする。
ちゃんと聞いてくれることもあるけど。
名前を呼ばれた時の「はい」は、
片手をしっかりと真上に挙げながらも、
恥ずかしそう。
はるたんが、妙に良い返事をするのは、なぜ?
別に、教えたわけじゃないのに。
あれ?…思い当たる節があった。
よく考えると、他ならぬ私のマネをしているのだ!
「ハイッ!! どうぞ」
「ハイッ!! ○○するよ」
返事というよりは、かけ声か。
今まで一度も意識したことがなかったけれど、実は「ハイッ!」が口癖かもしれない。
(少なくともはるたんに対しては)
1才児の言葉なんて、100%、人のマネで形成されているのだものね。
はるたんが話す言葉は、だいたい、家族の誰かのマネなのだ。
特に母親の言葉…それだけでなく、話の内容や、思考の傾向なども、
そのまま子供の人格形成にかかわるんだなあ、と感じる。
とりあえず、今回は、
マネされているのが“良い”ことなので、良かった、ホッ。