東京渋谷(松濤)にある「ギャラリーTOM」は,JR渋谷駅から歩いて15分程度,閑静な住宅街に佇む小さな私立の美術館だ。この美術館は,村山亜土・治江夫妻が『視覚障害者だった長男・錬の「ぼくたち盲人もロダンを見る権利がある」という言葉につき動かされ、1984年に「視覚障害者のための手で見るギャラリー」として開設』した美術館だ。そのため,いつもというわけではないが,作品を「手で見る」ことのできる展示を行う美術館として広く知られている。
この美術館から次回展示の案内をいただいた。タイトルは「手で見るユーモア 渡辺豊重展」。何より「手で見るユーモア」ってところが気に入った。
案内状には,こんなふうに書かれている。
「ユーモアを形態化すると,どんな形になるか想像してみてください」
「ユーモアを触ると,どんな感触が生まれるのでしょうか。」
「ギャラリーTOMは,視覚障害者にも晴眼者にも,この展覧会を通して「ユーモア」の触覚体験と,現代美術の触覚による鑑賞の機会を提供いたします。」
金・金・金(かね・かね・かね)の時代になってしまい,教育のなかですら,人がよりよく生きることや充実して生きることが疎かにされがちだ。こんな現代であればこそ,この美術館に足を運ぶことの意味が際だつのではないか。札束を動かすことでは得られない世界がここにあると私は思っている。
※写真は渡辺豊重「さあ、旅立ちだ!」2007年。
[Gallery TOM 手で見るユーモア 渡辺豊重展]
この美術館から次回展示の案内をいただいた。タイトルは「手で見るユーモア 渡辺豊重展」。何より「手で見るユーモア」ってところが気に入った。
案内状には,こんなふうに書かれている。
「ユーモアを形態化すると,どんな形になるか想像してみてください」
「ユーモアを触ると,どんな感触が生まれるのでしょうか。」
「ギャラリーTOMは,視覚障害者にも晴眼者にも,この展覧会を通して「ユーモア」の触覚体験と,現代美術の触覚による鑑賞の機会を提供いたします。」
金・金・金(かね・かね・かね)の時代になってしまい,教育のなかですら,人がよりよく生きることや充実して生きることが疎かにされがちだ。こんな現代であればこそ,この美術館に足を運ぶことの意味が際だつのではないか。札束を動かすことでは得られない世界がここにあると私は思っている。
※写真は渡辺豊重「さあ、旅立ちだ!」2007年。
[Gallery TOM 手で見るユーモア 渡辺豊重展]