京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の終わりの始まり」

2017-09-29 09:29:38 | 時計修理

9月29日金曜日。大安、忙しいのでいまだ桔梗の花を見ていない月末近い金曜日。
夏の終わり秋の始まり。
二条駅のバス停にびちっとスーツで決めた50代後半のサラリーマンのオヤジがいた。今朝の冷え込みで上着姿が目立ちました。
ところが腕にはG-SHOCK。腕に夏が残っている。
私の目から見るとスーツ姿で片手にサーフボード、足元は素足のトンチンカンおやじに見える。革バンドまでとはいかないがスーツにはビジネスウオッチにしましょうよ~。悲しい。
写真はショパール。50歳代になるとこれくらいの時計がいい。時計はその人の人生感が現れます。
責任のある管理職に就く年代なのでシッカリとしたものを選びたい。特に今日は月末最後の出勤日。スリーピースのスーツにG-SHOCKを付けた無神経な上司に指導されたくないでしょうね~。

月末名物、国産時計修理品代引き返送ラッシュに耐えて何とか支払いを終えました。
9月は苦労しましたね~。京都では嫌がらせ台風の影響で3連休の売上が全滅。
台風と泣く子には勝てません。

今朝のG-SHOCKオヤジのようなちぐはぐな時間を終わらせて1%程度の希望にかけてみたいものです。
月末になるとやって来る認知症の奥さんがいました。「この前預けた時計は直ったやろか~?」「ちゃんと娘さんにお返ししましでぇ~。長い間使ってもろておおきにね~。」の毎月の会話が先月で途絶えた。
上品な奥様なので初めは必死に探したがみつからない!後日お客様が認知症とわかるまで肝を冷やしました。
今朝も来なかった。 寝たきりにならはったんやろか~。と心配する。
北山はこれから深い秋の始まり。耐える時間の始まりです。

10月5日木は長崎へ行きますので工房はお休み。
今週、成年後見人制度のヒアリングに行った際に認知症が進んだ母親が実印を紛失していたのがわかった。
旅秋でおくる手紙は草書、季節の贈物のお礼は楷書と書きわけていた女学校出の母親です。
 警察官の妻の時間がトラウマになったのか息子の私がやくざの娘と浮気している妄想に泣いていました。
母親もいろいろな相談を受けていた駐在所勤務はつらかったのでしょう。それにしても62歳の私が浮気するなんて~!
「旦那、女房嫉くほどモテもせず!」若い時でも老いてもモテもせずなのだ。ちょっと悲しい。

地方何処へ行っても国道沿いにはグループホームときれいなパチンコ屋がめだちます。
島原で日曜日というのにきれいに整備されたシャッター通りでした。この誰もいない道の中を車いすに乗せて実印紛失届の処理をしてきます。
「認知症のお年寄りに怒ってはいけない!」ショパールを触る時の様に丁寧に尊敬を込めて車いすを扱います。
10且5日は工房はお休み!これから突然お店の休日が入ると思いますがよろしくお願いいたします。



コメント
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