京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の失敗!」

2017-05-30 09:16:57 | 時計修理

5月30日火曜日。旧暦では今日が五月五日端午の節句。
今日が本物の子供の日なので菖蒲湯につかりましょう!などなど旧暦と新暦を上手に活用することで京都観光を盛り上げることができるのにちょっと残念です。
「今日は柏餅をたべましょうね~!」などとお菓子屋さんがイベントを出来るようになればいいね!
京都では旧暦に戻した行事で成功したのが「京の七夕」まつり。
8月開催で夏の晴れた夜空にお客さんが繰り出して盛り上がっています。新暦の㋆7日は梅雨まっさかりで牽牛と織姫はいつになっても会えない。

これは8月開催の仙台の七夕祭りのパクリのようですがもともと京都の宮中行事でしょう。
明治維新後の新暦導入の際、東北の地域だけ頑として指示に従わなかったと聞いた。
ほぼ同じ時期に開催される盛岡さんさ祭り、秋田の竿灯、青森のねぶた祭りが新暦の7月7日の行事になっていたらとおもうとぞっとする。東北人の知恵には頭が下がります。

「京の昭和三大失敗!」
失敗の代表的なものが看板建築でしょう。京町家のおもてだけ西洋風になっています。千本通りを通ると安っぽい商店が並んでいるので当時の流行がよくわかります。
私の自宅も看板建築だったのを取り外した結果風情のある京町屋の路地の邪魔をしないようにできてホッとします。

もう一つは市電を廃止したこと。せっかくの明治の環境文化遺産をバカ息子どもが取り壊してしまった。今では地下鉄烏丸通りの沿線だけの土地価格が高騰でいびつな現状が遺されました。

最後に京都駅周辺のビル群の失敗。一番京都らしくない京都駅ビルの高層建築。
これが京都の顔だという。なんともこの看板は厚化粧でブサイクな顔です。
東本願寺の名園「枳殻邸」からどうしても見えてしまう京都タワーとその周辺のビル群が興ざめがっかり庭園を何とかしてほしい。

時計業界も昭和に大失敗!
 クオーツ時計の成功から世界の頂点に上り詰めた後に一気に下がった失敗までの歴史がある。セイコーの売り上げも国内三位に落ちた。
時折名品の復刻版が発売されているのがその名残です。かといってかつてのキングセイコーの修理用部品を作り出すわけでもない。付加価値の高い製品造りに失敗。ブランドを維持できなかった結果でしょう。
昨日の来店された4人目のお客様まで部品供給がないために修理をあきらめてもらう。

5人目にびっくりのお客様が来た。
シャネル・スポーツの明らかなコピー品。「これが本物だったらデパートに修理に持っていくのでみてほしい!」という。
私には真贋の鑑定だけの依頼か?当然お金を払う気持ちはないようです。
他人に対しての思いやりまで吹き飛んでいますね~。
時計師のプライドも破壊される瞬間、ドアを閉めてとっとと帰りたくなりますが我慢!我慢!

写真はもちろん本物のシャネルです。
このモデルも真贋の判定ではネジの材質で簡単にわかります。そっくりなスーパーコピーでも重さを正確に位置させてもネジだけは粗悪品を使っている。
最後に裏蓋を開けるとムーブメントはシチズン・ミヨタ製が使われているのでコピー品なら絶対にわかるのです。それにしても偽物業者に機械を卸すシチズンも罪が深い。

今日は端午の節句。
昔の元服式!最近子供のような知恵のない政治家やら官僚が目立ちます。
 私は彼らと昭和30年生まれの同世代であることが後ろめたい気分です。
信用を無くすとお金を失う。嘘をつくと友人をなくす。勇気を無くすとすべてを失う!
 そのすべてをなくした官僚の皆さんは醜いシャネルのコピー品のように見える。
所詮芯が腐った安っぽい偽物なのだ。

明日は水曜日。月末メーカーから返送されてくる代引きラッシュの日なので営業しております。
ただし6時までの営業時間なのでお早めにお越しくだされ~!お待ちしております。










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