食後、赤城原は理絵を散歩に誘った。
河川敷は思ったほど蒸しておらず、風が通って気持ちがよかった。
赤城原は、歩きながら、自分の早期退職のことを打ち明けた。
話を聞き終わっても、理絵はしばらく黙ったまま川の方を眺めていた。
「で、どうするの? 再就職するの、それともこのまま引退するの?」
「引退するつもりはない。でもサラリーマンの世界はこりごりだな。できれば、何か新しいことをやってみたい」
「どんなことを?」
「まだ考えていない。探している最中だ」
「ゆっくり探せばいいわよ。すぐに結論が出せる話じゃないし」
「どう思う?」
「何を?」
「新しいことを始められるかな、この年で?」
「もちろんよ。パパだってまだ十分若いし」
「今までサラリーマンしかやってこなかったから」
「体力さえあれば何だってできるはずよ。でも、その点は少し心配かな。去年と比べてパパは大分やせたじゃない。顔色も悪いし、白髪も増えたし。ジムにでも通って体力をつけたら?」
「ジムか。それもいいかもしれないな」
二人は無言で橋に向かって歩いていく。平日の河川敷にはほとんど人影がない。野球のグラウンドもサッカーのグラウンドも空っぽだった。
河川敷は思ったほど蒸しておらず、風が通って気持ちがよかった。
赤城原は、歩きながら、自分の早期退職のことを打ち明けた。
話を聞き終わっても、理絵はしばらく黙ったまま川の方を眺めていた。
「で、どうするの? 再就職するの、それともこのまま引退するの?」
「引退するつもりはない。でもサラリーマンの世界はこりごりだな。できれば、何か新しいことをやってみたい」
「どんなことを?」
「まだ考えていない。探している最中だ」
「ゆっくり探せばいいわよ。すぐに結論が出せる話じゃないし」
「どう思う?」
「何を?」
「新しいことを始められるかな、この年で?」
「もちろんよ。パパだってまだ十分若いし」
「今までサラリーマンしかやってこなかったから」
「体力さえあれば何だってできるはずよ。でも、その点は少し心配かな。去年と比べてパパは大分やせたじゃない。顔色も悪いし、白髪も増えたし。ジムにでも通って体力をつけたら?」
「ジムか。それもいいかもしれないな」
二人は無言で橋に向かって歩いていく。平日の河川敷にはほとんど人影がない。野球のグラウンドもサッカーのグラウンドも空っぽだった。
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