9月12日は、サッカー選手、長友佑都(ながともゆうと)が生まれた日(1986年)だが、米国の発明家、リチャード・ガトリングの誕生日でもある。クランクをまわしながら連射できる機関砲「ガトリングガン」を発明した人である。
リチャード・ジョーダン・ガトリングは、1818年、米国ノースカロライナ州のハートフォード郡で生まれた。父親は奴隷を所有する農場主だった。父親は機械の発明家で、彼が綿の種まき機を作るのを息子リチャードは手伝った。
学校を卒業したリチャード・ガトリングは、学校教師、商人などをしながら発明にとりくみ、綿の種まき機をベースにして、米や小麦など、ほかの穀物の種子をまく機械を考案した。彼は発明した種まき機を製造する会社を興し、この事業は軌道に乗り、成功をおさめた。彼が発明した種まき機は、米国の農業に革命をもたらしたと言われる。
20代で天然痘にかかったのを契機に医学に興味をもちだし、彼はオハイオ医学大学に通って、32歳で医学博士となった。同年、麻の粉砕機を発明し、39年のときには、蒸気機関で動く鋤機を発明し、医者にはならなかった。
彼が43歳になる年に南北戦争がはじまると、ガトリングは、もっと速く弾丸が連射できる機関砲が作れたらとひらめき、開発に取り組んだ。そうして、44歳のとき、1分間に350発の弾丸を発射できる手回し式のガトリング砲(ガトリングガン)を完成した。
完成したときには南北戦争はすでに終わっていたが、政府軍に採用され、同機を製造する彼のガドリングガン・カンパニーは急成長を遂げた。
彼は75歳のとき、それまで手回しだったガドリングガンを電気モーター駆動に替え、1分間に3000発の弾丸を発射できるように改良した。
機関砲以外にも、ガトリングは羊毛の蒸気洗浄や、圧縮空気による動力機関など、さまざまな発明をした後、1903年2月、ニューヨークで没した。84歳だった。
セルジオ・コルブッチ監督のイタリア映画「続・荒野の用心棒(原題は「ジャンゴ」)」というマカロニ・ウエスタンの名作がある。フランコ・ネロ演じる主人公ジャンゴというガンマンが、なぜか棺桶をロープでひきずって旅している。死体が入っているのだろう、重たそうにロープで引きずって歩く。とても不気味。その後、彼は何十人もの敵に取り囲まれ、絶体絶命のピンチにおちいる。すると彼は棺桶のふたを開け、なかからガトリングガンを取りだし、クランクをまわしながら、ダダダダ……と片っ端からなぎ倒すように撃ち、敵をみな殺しにしてしまうのである。
世の中には恐ろしい兵器もあったものである。
興味深いことに、ガトリングは、南北戦争で多くの兵士が撃ち合い、負傷し、それがもとで病死していくのを知って、ひとりで百人ぶんも撃てるような兵器があれば、兵士もすくなくてすみ、結果的に病死者も減るにちがいないと考えて、この大量殺戮の開発に取り組んだという。まるでノーベルが、自分の発明したダイナマイトがテロや戦闘に使われるのに心を痛め、もっと強力な圧倒的な破壊力をもった兵器を作れば、それが抑止力になって戦争が終わるだろうと考えて、最終兵器の開発に取り組んだのと似ている。
(2024年9月12日)
●おすすめの電子書籍!
『大人のための世界偉人物語2』(金原義明)
人生の深淵に迫る伝記集 第2弾。ニュートン、ゲーテ、モーツァルト、フロイト、マッカートニー、ビル・ゲイツ……などなど、古今東西30人の生きざまを紹介。偉人たちの意外な素顔、実像を描き、人生の真実を解き明かす。人生を一緒に歩む友として座右の書としたい一冊。
●電子書籍は明鏡舎。
https://www.meikyosha.jp
リチャード・ジョーダン・ガトリングは、1818年、米国ノースカロライナ州のハートフォード郡で生まれた。父親は奴隷を所有する農場主だった。父親は機械の発明家で、彼が綿の種まき機を作るのを息子リチャードは手伝った。
学校を卒業したリチャード・ガトリングは、学校教師、商人などをしながら発明にとりくみ、綿の種まき機をベースにして、米や小麦など、ほかの穀物の種子をまく機械を考案した。彼は発明した種まき機を製造する会社を興し、この事業は軌道に乗り、成功をおさめた。彼が発明した種まき機は、米国の農業に革命をもたらしたと言われる。
20代で天然痘にかかったのを契機に医学に興味をもちだし、彼はオハイオ医学大学に通って、32歳で医学博士となった。同年、麻の粉砕機を発明し、39年のときには、蒸気機関で動く鋤機を発明し、医者にはならなかった。
彼が43歳になる年に南北戦争がはじまると、ガトリングは、もっと速く弾丸が連射できる機関砲が作れたらとひらめき、開発に取り組んだ。そうして、44歳のとき、1分間に350発の弾丸を発射できる手回し式のガトリング砲(ガトリングガン)を完成した。
完成したときには南北戦争はすでに終わっていたが、政府軍に採用され、同機を製造する彼のガドリングガン・カンパニーは急成長を遂げた。
彼は75歳のとき、それまで手回しだったガドリングガンを電気モーター駆動に替え、1分間に3000発の弾丸を発射できるように改良した。
機関砲以外にも、ガトリングは羊毛の蒸気洗浄や、圧縮空気による動力機関など、さまざまな発明をした後、1903年2月、ニューヨークで没した。84歳だった。
セルジオ・コルブッチ監督のイタリア映画「続・荒野の用心棒(原題は「ジャンゴ」)」というマカロニ・ウエスタンの名作がある。フランコ・ネロ演じる主人公ジャンゴというガンマンが、なぜか棺桶をロープでひきずって旅している。死体が入っているのだろう、重たそうにロープで引きずって歩く。とても不気味。その後、彼は何十人もの敵に取り囲まれ、絶体絶命のピンチにおちいる。すると彼は棺桶のふたを開け、なかからガトリングガンを取りだし、クランクをまわしながら、ダダダダ……と片っ端からなぎ倒すように撃ち、敵をみな殺しにしてしまうのである。
世の中には恐ろしい兵器もあったものである。
興味深いことに、ガトリングは、南北戦争で多くの兵士が撃ち合い、負傷し、それがもとで病死していくのを知って、ひとりで百人ぶんも撃てるような兵器があれば、兵士もすくなくてすみ、結果的に病死者も減るにちがいないと考えて、この大量殺戮の開発に取り組んだという。まるでノーベルが、自分の発明したダイナマイトがテロや戦闘に使われるのに心を痛め、もっと強力な圧倒的な破壊力をもった兵器を作れば、それが抑止力になって戦争が終わるだろうと考えて、最終兵器の開発に取り組んだのと似ている。
(2024年9月12日)
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人生の深淵に迫る伝記集 第2弾。ニュートン、ゲーテ、モーツァルト、フロイト、マッカートニー、ビル・ゲイツ……などなど、古今東西30人の生きざまを紹介。偉人たちの意外な素顔、実像を描き、人生の真実を解き明かす。人生を一緒に歩む友として座右の書としたい一冊。
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